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27年前、アニメ化した大ヒットジャンプ漫画。週末の朝、主題歌として彩り【海を越えた歌】

  • 2026.9.17
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

週末の朝、まだ寝ぼけたままテレビの前に座る。そんな習慣を持っていた子どもたちにとって、番組そのものより先に体に入ってくるのは、決まった時間に決まって鳴り出すオープニングの歌だった。

人気漫画が次々にアニメになっていった時代。テレビ東京系『仙界伝 封神演義』は、3000年前の古代中国を舞台に、道士・太公望が相棒の四不象や個性的な仲間たちと旅をし、仙人や妖怪を相手に宝貝を駆使して戦うバトルアドベンチャーだ。コミカルな掛け合いも交えた軽快な世界へ、毎週視聴者を連れ出したのが米倉千尋の歌だった。

米倉千尋『WILL』(作詞:鵜島仁文/米倉千尋/作曲:鵜島仁文)ーー1999年8月25日発売

アニメを見ていた人には、あの最初の一声で目が覚めた記憶があるはずだ。だが、この曲の本当の話はそこから先にある。

一枚の盤に入口と出口が同居していた

表題曲『WILL』が『仙界伝 封神演義』のオープニング、カップリングの『FRIENDS』が同じ作品のエンディング。つまり番組の始まりと終わりを、この一枚が丸ごと引き受けていた。

米倉千尋は『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』のオープニング『嵐の中で輝いて』でデビューした歌い手で、『WILL』は10枚目のシングルにあたる。

アニメの本編を細かく覚えていなくても、週末の朝に部屋へ差し込んでいた光と一緒に、この歌の入りだけは覚えている。そういう記憶のされ方をした曲だと感じる。物語の筋ではなく「今週も始まった」という合図として、歌が体に刷り込まれていった。

オープニングの歌は作品の顔であると同時に、見る側の生活の目印でもある。『WILL』が担ったのは後者の役割の方が大きかったと、聴き返すたびに感じる。

彼女の声が何度も呼び戻した旋律の主

『WILL』の作曲と作詞の共作を担った鵜島仁文は、この一曲だけの付き合いではなかった。劇場版『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート』の主題歌『永遠の扉』をはじめ、米倉は鵜島の旋律を繰り返し歌っている。

歌い手が同じ作家と何度も組むというのは、その旋律の上でいちばん自分の声が伸びる、という実感があるからこそ起きることだ。この曲はその関係の途中に置かれた一曲であり、彼女にとって鵜島の旋律は借り物ではなく、自分の歌い方を形にしてくれる型だったように映る。

ピアノの一音から海の向こうまで

2026年1月24日、飛行船シアターで開かれたデビュー30周年の記念ライブで、『WILL』は本編終盤の24曲目に置かれた。ピアノの音から始まり、舞台にはプロジェクションマッピングで牡丹の花と鶴が舞う。週末の朝のテレビから流れていた歌は、30年目の夜に、本編の山場を任される一曲として鳴った。さらに、同じ年、彼女は香港、台北、浅草を回るアジアツアーに出て、8月29日のマカオ・コミックフェスティバルでも『WILL』を歌っている。

アニメとともに届いた歌は、放送が終わればその時代に置いていかれることもある。『WILL』はそうならなかった。米倉が歌い続けるうちに、曲は作品の主題歌という枠を越え、彼女とファンを結ぶ一曲になった。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。

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