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『ラヴ上等』で再注目された30年前の【鮮烈な名曲】背伸びして歌った12歳の少女

  • 2026.9.18
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島袋寛子-1996年8月撮影(C)SANKEI

2026年8月26日、島袋寛子がNetflix『ラヴ上等』シーズン2の関連イベントに登場した。番組で新たなアレンジになった『Body & Soul』について語るとともに、デビュー当時の撮影も振り返った。SPEEDがこの曲を発売したのは、1996年8月。島袋は、当時まだ12歳だった。

大人びた恋の歌を、あどけなさの残る声で歌う。その背伸びが、『Body & Soul』にはよく似合う。若さを感じさせながらも、歌声は力強く、遠慮なく高いところへ伸びていく。恋愛の機微を知り尽くした大人の余裕とは異なる、未知の世界へ飛び込むような明るさが、このデビュー曲にはあった。

大人びた歌詞に重なる12歳の声

SPEEDは島袋寛子、今井絵理子、上原多香子、新垣仁絵の4人組。沖縄アクターズスクールで学んだメンバーによる、歌とダンスのグループだ。『Body & Soul』でも、ソウル・ファンクを思わせるサウンドに、勢いのある歌唱とダンスを組み合わせていた。

当時の装いも、自前のゆったりしたTシャツやパンツにスニーカーを合わせたストリート寄りのスタイル。幼さを強調するより、年上の音楽やファッションへ手を伸ばす姿がよく似合っていた。その中で、島袋の高い歌声はひときわ鮮やかだった。大人びた雰囲気に収まりきらない、若い声の張りが鮮烈な印象を残した。

伊秩弘将が作詞・作曲した『Body & Soul』は、退屈な日常を抜け出し、新しい出会いや恋へ向かおうとする歌である。楽しみを待つより、自分から動こうとする主人公。その気持ちを、島袋は伸びやかな高音で押し出す。歌の中の恋愛と実際の年齢には距離があっても、先の世界に憧れる気持ちは若い声と無理なく重なる。大人のふりをする気取りよりも、早く大人になりたい勢いが伝わる歌唱だ。

島袋はSPEED時代の大人びた歌詞について、まだ経験していない恋も想像し、自分のこととして歌っていたと話している。子どもなりに、誰かを思う気持ちを歌詞の中から受け止めていたのだ。『Body & Soul』の背伸びした明るさにも、そんな歌への入り方がよく似合う。

歌詞が描く年齢に声を近づけるのではなく、少女の声のままで恋を歌う。すると、恋の駆け引きより、何かが始まりそうな期待のほうが前へ出てくる。12歳というプロフィールに驚かされる一曲でありながら、年齢を知った後にも、歌い手としての島袋の魅力が残る。歌の主人公へ向けた想像力と、高音の勢いが重なっているからだ。

初めてのMVで繰り返した歌とダンス

『Body & Soul』のミュージックビデオは海外で撮影された。島袋は2026年8月のイベントで、当時は撮影の進め方を知らず、場所を変えながら50回以上、一曲を最初から最後まで全力で歌い踊ったと振り返っている。暑さも厳しかったという。

一つの場所で歌い終えたら、次の場所でまた最初から。曲の盛り上がる部分だけでなく、一曲まるごとの歌とダンスを重ねていた。島袋の記憶に残る50回以上という数には、デビューしたばかりの歌い手の、加減を知らないまっすぐさが表れている。大人びた曲を歌う小学生が、初めての撮影でも自分の全力を出し続けていた。

『Body & Soul』には、恋の世界に憧れる少女らしさと、歌って踊る力強さが同居している。背伸びした言葉にも、若い声にも、どちらかを抑えて整えたような窮屈さがない。島袋の高音が曲を明るく押し広げ、歌詞の向こうにある大人の世界まで、勢いよく近づけてしまう。30年前のデビュー曲に残るのは、年齢以上の上手さだけでは捉えきれない、あの時期ならではの歌い手の姿だ。


※記事は執筆時点の情報です

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