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顔合わせで一言しか話さなかった婚約者に、私は本気で不安になった

  • 2026.8.1
ハウコレ

帰り道の駅で「ごめん、うまく話せなかった」と口にした彼。

その数日後、彼が私に見せた1枚の紙で、私は自分の見方を少し変えることになりました。テーブルに置かれた彼の湯呑みは、乾杯のあと30分たっても、まだ半分ほど残ったままでした。

「お仕事は、どういった系ですか」

両家の顔合わせは、私の父が予約した都内のホテルの個室で行われました。父が「お仕事は、どういった系ですか」と切り出すと、彼は「システム開発の会社に勤めています」と一言だけ返しました。普段の彼は、私の友人の前ではよく笑うし、会話も途切れさせません。ですが今日は、名刺を交わした直後から、目線を膝のあたりに落としたままでした。

助け舟が、3度素通りしていきました

母が「休みの日は、料理はされますか」と助け舟を出しました。彼は「たまに、簡単なものを」と返し、また下を向きます。趣味の話、地元の話、母が振る話題のどれにも、彼は単語だけで返しました。話は父と彼のお父さんの間で進み、私は隣の彼の湯呑みが空になっていないことにばかり気を取られていました。

駅のホームで、彼が返した一言

帰り道、両家と別れて2人になった駅のホームで、私は聞きました。「今日、大丈夫だった?」。彼は少し間を置いて、「ごめん、うまく話せなかった」とだけ返しました。それ以上、私は聞くことができませんでした。この人と、これから両家を行き来する日々をやっていけるのか。婚約指輪の重みが、はじめて実感として指に戻ってきました。

そして...

数日後、彼が1枚のメモを差し出してきました。番号が振られた五十の話題が、几帳面な字で並んでいました。「用意していたんだ。全部、飛んだ」。彼は続けました。「この話は退屈じゃないか、この趣味は子どもっぽくないか、そう考えているうちに、単語しか出てこなくて」。頼りない、と決めつけていた自分が、少し恥ずかしくなりました。彼は、彼なりに話の作り方を考えてくれていたのでした。次の食事会は、私の父の家で今度こそ、と提案しています。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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