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藤原かんいちのドリーム・ジャーニー|vol.06 心筋梗塞からeバイク日本一周へ――65歳、新しい夢の始まり

  • 2026.7.30

心筋梗塞という大きな転機を迎えた藤原かんいち。しかし、その出来事は旅人生の終わりではなかった。イラストレーターとしての新たな挑戦、そしてeバイクとの出会い。60代になって始まった新しい旅と、夫婦が見つけた次なる夢について語る。

心筋梗塞からのシフトチェンジ、そしてeバイクへ

2015年、人生最大のまさかの出来事が起こります。

愛知県の知多半島をバイクで取材旅行中、突然、胸を締め付けられるような痛みに襲われました。不穏な空気を感じて病院へ駆け込むと、診断結果はなんと「心筋梗塞」。そのまま救急車で運ばれ、緊急手術を受けることになりました。

幸いにも一命を取り留め、大事には至りませんでしたが、しばらくの間はロングツーリングを控えることにしました。

そこで、「元々絵を描くのが好きだった」という原点に立ち返り、これまでの旅の面白エピソードをイラスト交えで描いたり、懐かしい名車をイラストで紹介したり、やったことのない分野に挑戦してみました。

こうして50歳を過ぎてから、新しく「イラストレーター」としての道を開拓することができました。

藤原かんいちのドリーム・ジャーニー|vol.06 心筋梗塞からeバイク日本一周へ――65歳、新しい夢の始まり
2015年の心筋梗塞をきっかけに、本格的に描き始めたイラスト。写真や言葉だけでは伝えられない、バイクと旅の魅力を、絵を通して伝えている。
藤原かんいちのドリーム・ジャーニー|vol.06 心筋梗塞からeバイク日本一周へ――65歳、新しい夢の始まり
近代日本を象徴する文化のひとつである50ccバイク。日本を彩った個性豊かなバイクたちを絵に描き、次の世代へ残したいと思っている。

手術から数年が経ち、後遺症もないことから体の奥で眠っていた「旅のムシ」が再びうずき始めました。

2019年。「60歳になったら自転車の旅」とかねてから考えていた私は、新しく「eバイク(スポーツ型電動アシスト自転車)」を購入しました。普通の自転車でも良かったのですが、新しい乗り物にチャレンジしてみたかったのです。

実際に乗ってみると、人力と電気のパワーが融合して進む感覚が最高に面白く、一気にのめり込んでいきました。コロナ禍による自粛期間もあり大きくは動けませんでしたが、地元の神奈川県内を中心にツーリングを重ねました。

コロナ禍が落ち着きを見せた2022年。新たなチャレンジを企てます。

それは「eバイクによる30日間日本縦断の旅」。

たいして運動もしていない61歳の中年男にそんなことができるのか。半分は自分を使った実験のような旅でした。

本土最南端の佐多岬(鹿児島)をスタートし、ひたすら北を目指します。

広島までは順調でしたが、愛媛県に入ったところでまさかのギックリ腰(笑)。旅の中止も頭をよぎりましたが、痛みに耐えながら必死にペダルを漕ぎ続けました。

自分の体を使って風を切る気持ちよさ、そして各地でわざわざ会いに来てくれる友人たちの存在が、何よりの大きな励みになりました。

そして30日目の夜7時過ぎ。ついに最北端の宗谷岬(北海道)へゴールイン。見事に目標を達成しました。

しばらくして、このeバイクの爽快感と、旅がもたらしてくれる感動を妻のヒロコにも味わってほしいと思い、夫婦での「eバイク日本一周」を提案しました。

これまで海外の過酷な旅には何度も同行してくれた彼女ですが、実は超がつくほどのインドア派で、運動は大嫌い。

「ママチャリしか乗ったことがないのに、無理無理!」

と、案の定最初は激しく断られました。

それでも私は諦めず、じわじわとアプローチを続けました。観光地で少しずつeバイクに乗る機会を作っていくと、彼女もその楽しさに目覚めたようで、

「eバイクなら楽しそうだし、行ってもいいかな……」

と前向きな言葉を口にするようになりました。

頑固なようで、結局は私に付き合ってくれる。類は友を呼ぶ、似た者夫婦ということでしょうか(笑)。

こうして私たちは、2023年に東日本を一周、2024年に西日本を一周し、全都道府県・約1万キロをふたりで無事に走り切りました。

藤原かんいちのドリーム・ジャーニー|vol.06 心筋梗塞からeバイク日本一周へ――65歳、新しい夢の始まり
好奇心から始めたeバイク(電動アシスト付きスポーツ自転車)。年齢も忘れて、超インドア派の妻ヒロコを巻き込み、日本一周を実現させてしまった。
藤原かんいちのドリーム・ジャーニー|vol.06 心筋梗塞からeバイク日本一周へ――65歳、新しい夢の始まり
夫婦ふたりで走り抜いた、eバイク日本一周。その先に見えてきた、私たちの新しいチャレンジ。……それが何なのか、次回のコラムで!

20代の頃、自分がまさか60歳を過ぎてから夫婦ふたりで、それも「自転車」で日本一周をしているなんて、想像することはできませんでした。

だからこそ、人生は面白いのです。

世間体や周囲の空気に自分を合わせるのではなく、いつも自分の心の声に耳を傾け、生きていく。それこそが、私の「アイデンティティ」です。

あの23歳のオーストラリアの旅で掴み取った生き方は、65歳になった今も変わっていません。

そして今、僕たち夫婦は新たな目標、新しい夢を見つけました。現在はそこに向かって、少しずつ歩みを進めています。

その新たな夢が一体どんなものなのか……それは、次回のコラムでお伝えします!お楽しみに!

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