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「もう一度だけ、やり直したい」妻の財布からお金を抜いてしまった夫→妻と夫で決めた、やり直すためのルールとは

  • 2026.7.30

一度きりの裏切り

新婚の頃、一度だけ、夫が私の財布からお金を抜いたことがあります。

金額にして、数千円。小さな額でも、裏切られた気持ちは、決して小さくありませんでした。

たった数千円と割り切ろうとするたびに、胸の奥がざらつきました。

額の大小ではなく、信じていた足場が崩れたことが、何よりこたえたのです。

一度は実家に身を寄せ、離婚という言葉も本気で頭をよぎりました。

それでも、この結婚をここで終わらせていいのか、なかなか決心はつきません。

交わした約束

数日後、私は家に戻り、夫と改めて向き合いました。

泣いて責め立てることは、もうしたくありませんでした。

「もう一度だけ、やり直したい」

「その代わり、一つだけ約束してほしいことがあります」

夫は深く頭を下げ、それからはっきりとした声で言いました。

「財布は別にする、二度と手はつけない」

共働きだった私たちは、その言葉どおり、家計をきっぱり分けることにしました。

自分の稼いだお金は、自分だけが管理する。相手にも、通帳の中身までは明かさない。

それぞれが別の口座を持ち、生活費だけは決まった額を出し合う。

あとはお互いの財布に、いっさい干渉しない。そう、細かく取り決めました。

冷たいやり方に見えるかもしれません。けれど私には、それが二人を守るための、精いっぱいの線引きでした。

時間をかけて埋めた

信用というものは、頭を下げたその日にすぐ戻ってくるものではありません。私はしばらく、財布の中身を数える癖が抜けませんでした。

はじめの一年は、正直、ぎこちなさが残りました。

夫が財布を手に取るだけで、つい目で追ってしまう自分がいたのです。

それでも、約束を淡々と守り続ける背中を見ているうちに、数を確かめる手は、少しずつ止まっていきました。

それでも、月日は少しずつ角を丸めていきます。夫は約束を守り続け、お金のことで私を困らせることは、二度とありませんでした。

「今月は、少し余ったよ」

「ありがとう、助かる」

そんな短いやり取りを、肩の力を抜いて交わせる日がくるまでには、ずいぶんと時間がかかりました。

財布を一つにしなかったからこそ、私たちは夫婦を続けてこられたのだと思います。同じ財布を分け合う代わりに、私は自分を守る一本の線を引きました。その線があるおかげで、今も隣で笑っていられるのです。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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