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朝ドラ俳優たちが“たまたま”集結「面白すぎて一気見した」ネトフリで今も“夢中になる”人続出中、2年前の【水10ドラマ】

  • 2026.8.30
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小池栄子(C)SANKEI

2024年の7月期に放送された、フジテレビ系 水10ドラマ『新宿野戦病院』。現在放送中のフジテレビ系 火9ドラマ『さよならノワール』の主演・小池栄子と、NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主演・仲野太賀がW主演を務めた話題作だ。宮藤官九郎によるオリジナル脚本の作品で、新宿・歌舞伎町が舞台となっている。公式サイトには、“救急医療”エンターテインメントドラマと書かれており、医療ドラマだが、観たこともないようなタイプで、実にユニーク。

SNSには「笑えるけど真面目な作品」「社会問題をたくさん取り上げているのに、エンタメとして最高」といった絶賛コメントが並んでいる。Netflixなどで配信していることもあり、「面白すぎて一気見した」「癖になるドラマ」など、最近でも夢中になる人が続出している模様だ。今回は、筆者も大好きな『新宿野戦病院』の魅力と見どころを振り返ってみたい。

※以下、本文には放送内容が含まれます。

歌舞伎町の“ワケあり患者”を救う異色の医療ドラマ 

当サイト・TRILLにて、宮藤官九郎脚本の作品ファンであることは度々書いてきたが、彼にとって初の医療ドラマということもあり、企画を知った時、とても楽しみになった。期待に胸をふくらませながら本編を観たところ、予想を上回る面白さに圧倒された。

舞台は、東京都新宿区にある、世界的に有名な歓楽街・歌舞伎町。その路地にひっそりと建っている“聖まごころ病院”には、さまざまな“ワケあり患者”が集う。土地柄から、ホスト、風俗嬢、在留外国人、路上生活者など、一般の病院とは少し違う患者層が聖まごころ病院の救急外来を訪れる。院長の高峰啓介(柄本明)がホームレスから犯罪者まで、分け隔てなく治療することをモットーとしているからだ。

だが、近年は建物の老朽化が進み、医療費の未払いも度重なって、聖まごころ病院は多額の借金を抱えている。さらに、院長はアルコール依存症になってしまい、窮地に立たされている状況だ。当病院に勤務するのは、院長の甥で美容皮膚科医の高峰享(仲野太賀)など、個性豊かな医師や看護師たち。院長の弟で、享の父・高峰啓三(生瀬勝久)は、不動産コンサルタントをしているが、聖まごころ病院の建物と土地を安く買い叩いて、新たな事業を始めようと企てている。そんな父譲りの金もうけ主義者になってしまった享は、医療に熱心なタイプではなく、派手な生活を好んでいる。

そこへ、米国籍の元軍医であるヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)が現れる。岡山弁と英語が入り交じった独特の口調で話すヨウコは、野戦病院で治療を行ってきた経験から、享らほかの医師たちが驚くような手腕を発揮。次々と患者を救っていく。ヨウコとの出会いをきっかけに、自分自身、そして患者との向き合い方を見つめ直す享。ヨウコの存在は、聖まごころ病院全体に影響を及ぼし始める。

SNSには「小池栄子さんが演じるヨウコ先生の強烈なキャラクターが最高」「享役の仲野太賀さんのチャラさとシリアスな演技のギャップが素晴らしい」といった声が。W主演俳優のテンポの良い掛け合いにハマった人も多かったようだ。

社会問題を扱いながらも暗くならない構成が魅力的

本作は、クドカン作品ならではのユーモア満載の描写の中、歌舞伎町に蔓延するさまざまな問題を取り上げているのが特徴だ。そのひとつとして、“トー横キッズ”をテーマにしているのが特に印象的だった。トー横キッズとは、歌舞伎町にある新宿東宝ビル周辺(通称・トー横)に集まる、主に10代の若者たち。居場所を失った子どもたちが、SNSを通じて自然発生的に集まったと言われている。トー横キッズに多く見られる、市販の風邪薬や睡眠導入剤などを大量摂取する“オーバードーズ”や、“パパ活”なども社会問題になっている。

『新宿野戦病院』では、伊東蒼が演じる少女・マユが、オーバードーズで意識不明になり、聖まごころ病院に搬送されるエピソードが描かれた。マユの劣悪な家庭環境も描出される中、彼女はヨウコと交流することで変化していく姿が感動的だった。

NPO法人“Not Alone”の新宿エリア代表・南舞(橋本愛)は、スタッフと共にトー横キッズの支援や保護を行っている。舞たちは、ほかにもストーカー被害やDVに悩む女性、不法滞在の外国人、ホームレスなど、公的な支援や医療の手が届きにくい人たちの相談に乗っている。警察や病院と連携しながら、“セーフティネットの隙間に落ちてしまった人々”に救いの手を伸ばすNot Alone。

舞たちの活動と並行し、ヨウコの漢気のある言動が綴られていき、マユら複雑な環境にいる者たちが救われていく。宮藤の脚本は、ヨウコや舞を通して困窮した状況に陥る人をすくい上げる様子を描き、“1人じゃない”というメッセージを届けているように感じた。

また、聖まごころ病院の有能な看護師長・堀井しのぶ(塚地武雅)が、普段は女性の姿だが、家では男性の姿になるという描写も。しのぶのジェンダーについてのエピソードも、詳細に取り上げていた。しのぶが病院に雇われる際の院長のセリフに「女性とか男性とかどっちでもいい。うちが欲しいのは優秀な看護師だから」というのがあり、ここにも宮藤のメッセージを感じた。

どのようなバックボーンを持つ人であっても、命の尊さは平等だということを投げかける『新宿野戦病院』。トー横キッズ、薬物問題、不法滞在の外国人労働者など、リアルな闇を扱いながらも、暗くなりすぎない構成が魅力的なドラマだ。視聴者からは「聖まごころ病院のみんなにまた会いたい!」など続編を望む声も上がっている。

個性あふれるキャストが数多く出演

主演の小池と仲野のほかにも、個性あふれるキャストが多い『新宿野戦病院』。本作を盛り上げている出演者には、NHK連続テレビ小説『虎に翼』から“転生”してきた人が多いことも話題となった。仲野はもちろん、塚地のほか、岡部たかし、平岩紙、余貴美子、戸塚純貴、趙珉和、ユン・ソンモも。制作陣によると、たまたま重なったということだが、人数が多いので両作を見比べたくなってしまう。

『新宿野戦病院』で監督を務める河毛俊作は、放送中の小池主演ドラマ『さよならノワール』の演出も担当している。宮藤は『新宿野戦病院』の公式サイトに「河毛俊作監督は、誰よりも早く俳優としての僕を面白がってくれた方」とコメントしている。「25歳、まだ方向性の定まらない僕に“アナタは、なんか分かんないけど面白いから続けなさい”と暗示をかけてくれた恩人です」と語る宮藤。

河毛監督は『新宿野戦病院』の後に『さよならノワール』でも小池と組んでおり、河毛と小池のコラボレーションも見もの。一方、仲野は『ゆとりですがなにか』シリーズなどこれまで何度もクドカン作品に出演し魅力を発揮している。制作陣とキャストのケミストリーも、非常に重要だと実感した。

いつか続編を観てみたい『新宿野戦病院』。未見の人には、ぜひ一気見をお勧めしたい傑作ドラマだ。


出典:『新宿野戦病院』フジテレビ公式サイト

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X:@KumikoShimizuWP

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