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27年ぶり“異例の”映画化!「朝ドラ史上、1番」2年前の“最高傑作” 長く愛され続けている理由【NHK連続テレビ小説】

  • 2026.8.31
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伊藤沙莉(C)SANKEI

2024年に放送され、大きな反響を呼んだNHK連続テレビ小説『虎に翼』。物語の完結から約2年が経った今、その熱がふたたび高まっている。2027年1月15日には劇場版『虎に翼』が公開予定。朝ドラとして27年ぶりの映画化となる。SNS上では「朝ドラ史上、1番だった」「最高傑作だと思う」との声も。なぜ『虎に翼』は、これほど長く愛され続けているのだろうか。

※以下本文には放送内容が含まれます。

寅子が“当たり前”を疑い続けた半年間

『虎に翼』の主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)のモデルとなったのは、日本初の女性弁護士の一人となり、のちに女性初の判事や裁判所長も務めた三淵嘉子だ。

物語が始まるのは昭和4年。結婚こそ女性の幸せと考えられていた時代に、寅子は法律の世界に興味を持ち、明律大学女子部法科へ進学する。そこで出会った仲間たちと法律を学び、やがて高等試験司法科に合格。女性弁護士として新たな道を切り開いていく。
そんな寅子のキャラクターを象徴する言葉が「はて?」だった。
なぜ女性は、結婚すると自由に財産を扱えないのか。なぜ女性だからという理由だけで、できることとできないことが決められるのか。誰もが当たり前のように受け入れていることに、寅子はいちいち立ち止まり、首をかしげる。

声高に相手を糾弾するのではなく、まずその正しさを問い直す。その小さな疑問が、長い間当然とされてきた社会の矛盾を浮かび上がらせていった。
寅子は行動力があり、弁も立つ。しかし、自分の正しさに夢中になるあまり、すぐそばにいる人の気持ちを見落とすこともあった。誰かに「はて?」を突きつけてきた寅子自身が、やがて他者から問い返され、自分の中にある思い込みに気づいていく。
「はて?」とは寅子の決め台詞である以上に、このドラマそのものの姿勢だったのではないだろうか。

誰かの声を拾い続けた

もうひとつ、『虎に翼』を特別な朝ドラにしたのが、法律や司法という骨太なテーマを物語の中心に据えたことだ。
寅子は弁護士として歩み始めるものの、戦争によってその人生を大きく変えられる。夫・優三(仲野太賀)をはじめ、大切な人たちを失い、自身も法曹の世界から離れていった。
そんな寅子を再起させたのが、戦後に施行された日本国憲法だった。憲法第14条の“すべて国民は、法の下に平等であって”……。その理念に希望を見いだした寅子は裁判官を志し、法律の世界に舞い戻る。

しかし、法律は万能ではない。少年審判所や家庭裁判所に関わるようになった寅子の前に現れるのは、法律を適用するだけでは簡単に救えない人々だった。家庭の事情に傷ついた子どもたちや、社会の制度からこぼれ落ちてしまう女性たち。それぞれに事情があり、それぞれに人生がある。
法とは、人を裁くためだけに存在するのか。それとも、声を上げられない人を守るためにも存在するのか。その問いを、寅子の人生を通して何度も投げかけたところに、『虎に翼』という作品の強さがあった。

27年ぶりの朝ドラ映画化

そして2027年1月15日、『虎に翼』はスクリーンへ帰ってくる。
劇場版『虎に翼』は、朝ドラとしては1999年の『すずらん』以来27年ぶりとなる映画化。さらにドラマ版で主人公を演じた女優がそのまま主演を務める映画化は、朝ドラ史上初の試みとなる。伊藤沙莉はもちろん、岡田将生、森田望智らドラマ版キャストが続投。さらに南沙良、内田有紀、松本幸四郎ら新たな顔ぶれも加わる。

描かれるのは完全オリジナルストーリー。ドラマでは描ききれなかった明律大学女子部時代の新たなエピソードと、現代へつながっていく寅子の“最後の事件”が、時を超えて描かれるという。
半年間にわたる朝ドラで、寅子の長い人生はすでに描き切られたようにも思えた。それでも、その人生にはまだ語られていない時間がある。むしろ、そこに劇場版が作られる意味があるのかもしれない。

『虎に翼』は、日本初の女性弁護士の一人となった女性の華々しい成功物語だけではなかった。寅子は何度も間違え、傷つき、ときには誰かを傷つけながら、それでもおかしいと感じたことを見過ごさずに生きてきた。
社会が提示する“当たり前”に、立ち止まって「はて?」と問いかける。その姿勢は、ドラマが終わったあとも視聴者の中に残っている。2027年、スクリーンに立つ寅子は、最後に何を見つめ、何に対して「はて?」と首をかしげるのか。あの声をもう一度聞ける日が、少しずつ近づいている。


ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_

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