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「通れないんで動かしてください」駐車場の通路で立ち往生した車。だが、警備員の対応に救われた瞬間

  • 2026.7.29

進めなくなった軽自動車

週末のスーパーは、駐車場の通路まで車で詰まっていました。

枠に車を入れて荷物を整理していると、通路の先がまったく動いていないことに気づきます。

白い線を大きくはみ出した大型車が、通路の真ん中に停まっていました。

区画ではなく、車が行き交うための道です。

その手前で、軽自動車が止まっています。

左右は駐車済みの車ばかりで、すり抜けられる幅はありません。

軽自動車の運転手が窓を下げ、身を乗り出しました。

「通れないんで動かしてください」

とがった言い方では、ありませんでした。

伸びていった車の列

やがて大型車の窓が下がり、太い声が返ってきます。

「先に停めたのは俺の車だ」

「ここ、通路ですよね」

「知るか。急いでるんだ!そっちがどけばいいだろ」

軽自動車の後ろにも、車が続いていました。

入口の方向まで、列が少しずつ伸びていきます。

クラクションを鳴らす人は、誰もいませんでした。

それでも、車内から様子をうかがう顔がいくつも見えます。

やり取りの声だけが、通路に響いていました。

両手を広げた警備員

そこへ、店の入口のほうから警備員が歩いてきました。

大型車の窓の横で立ち止まると、軽く頭を下げます。

「こちらは通路で、駐車区画ではございません。恐れ入りますが、お車をお移しいただけますか」

声を張ることも、たしなめることもありませんでした。

運転手が、口を開きかけて止まります。

「……いや、こっちが先に」

「奥に空いている区画がございます。ご案内いたします」

続く言葉は、出てきませんでした。

エンジンがかかり、大型車が動きはじめます。

ところが焦ったのか、ハンドルを切りすぎました。

前輪が区画の端の縁石に乗り上げ、車体が斜めに傾いたまま止まります。

タイヤが空回りする音だけが、しばらく続きました。

窓から身を乗り出した運転手が、浮いた自分の前輪を見つめたまま黙り込みます。

警備員は、誰にも何も言いませんでした。車の前へ回り込み、両手を広げて位置を示します。

「ハンドルを戻して、ゆっくり下がってください。……はい、そのまま」

車がじりじりと後ろへ動き、前輪が縁石を降りました。

「もう一度、大きく回してください。あと少しです」

大型車は向きを変え、奥の区画へ入っていきます。

ふさがれていた通路が、ようやく開きました。軽自動車が静かに前へ出て、続く列も順に流れていきます。

枠から降りてきた大型車の運転手が、警備員のほうを一度だけ振り返りました。

小さく頭を下げて、そのまま店の入口へ歩いていきます。

警備員は誘導灯を持ち直し、次の車を迎えに通路へ戻っていきました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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