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家賃28万タワマン退去で「見積もり50万円」…38歳男性が“2か所の傷”で直面した“誤算”

  • 2026.8.18
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。賃貸物件から引っ越すとき、想定より高い費用を請求されて戸惑った経験はないでしょうか。

特に内装が豪華な物件では、金額が大きくなる場合があります。今回は、住み替えの節目で高額な請求を受け、対応に追われることになった夫婦の事例を紹介します。

購入前に住み心地を試した家賃28万円の2年間

Uさん(38歳・会社員)は、共働きの妻と2人暮らしです。分譲タワーマンションの購入を考えているものの、数千万円の買い物になるため、実際の住み心地を確かめたいと考えました。

そこでUさん夫婦は、候補のマンションで賃貸に出ていた住戸を、家賃28万円・敷金1か月分の条件で借りて暮らし始めます。2年住んでタワマンの良さは実感できましたが、夫婦は最終的に別のマンションの購入を決めて退去しました。

部屋の使い方はこれまでの賃貸と変わらず、大きな汚れもつけていません。

見積もり50万円、輸入品の壁紙は「面ごと張り替え」

退去の立ち会いのあとに届いた「原状回復(借りた部屋を退去時に元の状態へ戻すこと)」の見積もりは50万円でした。内訳はハウスクリーニング、壁紙の張り替え、床のワックスなどです。

ハウスクリーニングの費用は、借主が負担する特約が契約書にあり、Uさんも契約時に説明を受けて納得していました。費用の大部分を占めていたのは、壁紙の張り替えです。

傷の心当たりは、模様替えで家具の角をぶつけた2か所だけでした。ただ、住戸の壁紙は輸入品で、同じ柄を部分的に張り直せません。見積もりは傷のある面をまるごと張り替える内容で、単価は量産品の数倍です。

契約書で決まっていたのは、壊した部分の復旧費用は借主が負担するという取り決めまでで、壁紙の材質や単価は載っていません。前の賃貸の感覚で数万円と見込んでいた夫婦には、桁違いの金額でした。

退去の費用はトラブルになりやすく、国土交通省のガイドラインが負担の考え方を示しています。通常の使用でつく傷や汚れの復旧は貸主の負担で、借主が受け持つのは不注意で壊した部分です。

壁紙は色や柄を合わせる事情から、傷のある一面全体の張り替え費用は借主負担もやむを得ないとされています。その負担額も、壁紙の価値が6年でほぼゼロになる想定のもと、住んだ年数に応じて小さくなるのが原則です。

話し合いで負担は48万円に、確認は契約の前に

支払う前に、Uさんはガイドラインを自分でも確かめました。クリーニング代のような、通常の使用で生じた汚れの回復まで借主が負担する特約には、有効になる要件があるためです。

  • 特約を設ける必要性があり、金額が過大でないなどの合理的な理由があること
  • 借主が通常の原状回復義務を超えた義務を負うと認識していること
  • 借主がその義務を負う意思表示をしていること

Uさんが交わした契約の特約は、この要件を満たしていました。管理会社に内訳の説明を求めたところ、床のワックスがけは部屋の維持管理にあたるとして貸主側の負担となり、金額は2万円下がって48万円になりました。

壁紙の張り替え費用は、2年分の値下がりを差し引いた計算との説明でした。それでも輸入品の単価が高く、負担の中心は壁紙のまま変わりません。傷をつけたのが自分たちである以上やむを得ないと、Uさんは支払いに応じました。預けていた敷金28万円は全額充てられ、さらに20万円を追加で支払っています。Uさんは、こう振り返ります。

「傷は2か所だけなのに、壁紙のグレードが違うだけで、ここまでの金額になるんですね」

新居の購入準備と重なる、大きな出費になりました。契約の前に、特約で借主の負担になる項目と、壁紙に傷をつけた場合の費用の目安を、仲介会社の担当者に質問しておきましょう。

入居直後に、傷や汚れを日付の分かる写真で記録しておくのも有効です。購入前提で借りる場合も、退去の費用まで見込んでおくと新居の資金計画に響かずに済みます。

参考:
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(国土交通省)
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)のQ&A(国土交通省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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