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ベランダに4年置いた物置の下に隠れていたもの…マンション6階・38歳が初の点検立ち会いで知った"床のふたの正体"

  • 2026.8.11
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験があり、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。夏にしか使わない大きな道具は、しまう場所が悩みどころです。

マンションでは収納が限られ、ベランダに置きたいと思った方もいるのではないでしょうか。今回は、消防設備の点検でベランダの物置を移動するよう求められた家族の事例を紹介します。

床の「四角いふた」を気にとめずに4年

Aさん(38歳・会社員)は妻と5歳の長男の3人家族です。4年前、築18年・9階建てマンションの6階住戸を中古で購入しました。内見のとき、ベランダの隅に前の所有者の物置があるのを見ていました。

前の人も置いていた場所なら大丈夫だろうと、Aさんは入居後、同じ位置に約2万円の樹脂製の物置を設置します。中にはビニールプールや浮き輪、キャンプ道具や扇風機など、夏に使う物を入れて重宝していました。

物置の下に隠れた床の四角い金属のふたは、点検口のようなものだろうと思い、気にとめていませんでした。マンションの消防設備点検は年2回行われており、室内やベランダの確認があるため、立ち会いが求められます。

しかしAさんは共働きで、マンションの点検は平日に行われるため、いつも留守で立ち会えませんでした。点検のたびにポストに投函されているのは「不在のため室内点検は実施できませんでした」という紙だけで、室内とベランダの確認がないまま4年が過ぎます。

立ち会った点検で判明、物置の下は避難ハッチだった

管理組合が未実施の住戸が多いことを問題視して、先日の点検では土曜日の枠が設けられました。Aさんは初めて点検に立ち会い、担当者が入居後初めてベランダへ入ります。

物置に気づいた担当者は、その場でAさんに告げました。

「この下に避難ハッチがあります。上に物があると使えないので、移動をお願いします」

言われて物置をずらすと、床には入居時から気にとめていなかった四角い金属のふたが現れました。その晩、Aさんから話を聞いた妻が言います。

「あの四角いふた、下の階に降りるはしごが入っていたのね」

数日後、管理会社からも「避難器具(避難ハッチ)の上に物が置かれ、使用に支障があります。速やかな移動をお願いいたします」という文書が届きました。管理組合の掲示によると、同じ点検で複数の住戸に同様の指摘が出ています。

ハッチの上と避難の通り道を避けると、ベランダに物置の置き場は残っていません。買って4年の物置は、まだ使えるにもかかわらず、費用をかけて処分することになりました。

中身のうちキャンプ道具は月4,000円(年間48,000円)の外部トランクルームへ、プールや浮き輪は空気を抜いて室内のクローゼットへ移しています。

ベランダは建物全体の避難経路の一部

避難ハッチは、火災のときに上の階から順にはしごで降りて逃げるための、建物全体の避難経路の一部です。上に物があると、自分の家族だけでなく、上の階の居住者の避難経路までふさいでしまいます。

ふたの開閉やはしごの状態を確かめる点検も、物が載ったままではできません。隣戸との境にある隔て板も、非常時には蹴破って逃げる経路になるため、前を空けておく必要があります。

自宅のベランダでは、避難ハッチの位置や隔て板の前が空いているかを確かめ、上やまわりに物を置かないようにしましょう。消防設備点検の案内が届いたら、日程を調整して立ち会ってください。

住戸内の火災感知器やベランダの避難器具は、在宅でないと確認してもらえません。大きな物置を置きたいときは、設置に関する決まりを使用細則(ベランダの使い方を定めた規定)で事前に調べておきましょう。

物が入り切らないときは、ベランダに置いて済ませるのではなく、収納方法の見直しや、トランクルームなど住戸の外の預け先を検討してみてください。

参考:
第12章 火災の時に役立つ建物の設備(東京消防庁)
マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(国土交通省)



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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