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「この杭は一体なに…」中古戸建てを購入した30代夫婦→数年後、隣人からの回答に耳を疑ったワケ

  • 2026.9.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

住宅を購入するとき、隣地との境界までしっかり確認している方はどれくらいいるでしょうか。敷地の境目に杭が打たれていると、「ここが境界なのだろう」と安心してしまうかもしれません。境界が明確になっていれば自分の土地の範囲が分かり、フェンスの設置や建て替えなどを行う際にも判断しやすくなります。

しかし、現地にある杭が必ずしも正式な境界を示しているとは限らず、誰が何のために設置したものなのか、見ただけでは分からないケースもあります。

今日は、個人間で中古戸建てを購入した30代夫婦が数年後のフェンス工事をきっかけに境界を確認し、思わぬ事実を知ることになったエピソードをご紹介します。

希望していたエリアで見つけた手頃な中古戸建て

30代のAさん夫婦は、以前から希望していたエリアで中古戸建てを探していました。

そんななか見つけたのが、周辺相場よりも少し手頃な中古戸建てです。今回は不動産会社を介さず、売主から直接購入する個人間売買でした。

Aさん夫婦が気になっていたのは、“隣地との境界”です。内見時に庭や建物の周囲を歩いて確認すると、隣地との境目には杭が打たれ、その杭に沿うように紐が張られていました。

見た目にも土地の境目が分かる状態だったうえ、売主からも「昔からこのあたりが境界だった」と聞いたため、Aさん夫婦は「それなら問題なさそうだ」と安心してそのまま購入を決めました。

数年後、フェンスを交換しようとしたところ…

購入から数年が経ったころ、Aさん夫婦は古くなっていたフェンスを新しくすることにしました。ところどころ劣化が目立つようになり、見た目も含めてきれいにしたいと考えたそうです。

フェンスは隣地との境界付近に設置するため、工事を始める前に念のため土地家屋調査士(土地の境界や測量などを専門に扱う国家資格者)へ境界の確認を依頼しました。

Aさんとしては、購入時から杭と紐があるため、その位置を確認してもらえばすぐに工事に進めると思っていたといいます。

ところが、現地を確認した土地家屋調査士から思いがけない言葉が返ってきました。

「この杭は、正式な境界標ではない可能性があります」

購入前からそこにあり、紐まで張られていた杭です。Aさんは当然のように境界を示すものだと思っていたため、耳を疑ったそうです。

「では、この杭は一体何ですか…?」

疑問に思ったAさんは、隣人にも確認してみることにしました。

杭を打ったのは、なんと隣人だった

Aさんが隣人に事情を聞いたところ、さらに驚く事実が分かりました。

問題の杭と紐を設置したのは、なんと隣人本人だったのです。しかも、土地の境界を示すために設置したものではありませんでした。

隣人によると、雑草を刈ったり敷地を管理したりするときの目安として、ホームセンターで購入した杭と紐を自分で設置したとのこと。つまり、Aさんが購入時から境界を示すものだと思い込んでいた杭は、隣人にとって単なる「作業の目印」だったのです。

その後、資料や現地の状況などをもとに境界を確認していくと、Aさんが杭を見て境界だと思っていた位置と、実際に確認された境界の位置にはズレがあることも分かりました。

このまま予定していた位置にフェンスを設置するわけにはいかず、工事はいったん延期に。隣地所有者との境界確認や測量などを進める必要が生じ、Aさん夫婦には予定外の費用と時間がかかることになりました。

杭があるだけで境界が確定しているとは限らない

土地の境界付近に杭やプレートなどがあれば、「ここが隣地との境界なのだろう」と考える方もいるでしょう。しかし、杭があるというだけで、その位置が正式に確認された境界だと判断することはできません。

境界標にはコンクリート杭や金属標などさまざまな種類があります。一方で今回のように、境界標に見えるものが所有者などによって単なる目印として設置されているケースもあります。

中古戸建てを購入する際は、現地にある杭だけで判断せず、境界標の有無や測量図などの資料、売主と隣地所有者との間で境界確認が行われているかなども確認することが大切です。

特に個人間売買では、不動産会社が間に入って確認事項を整理してくれるわけではありません。「昔からここが境界」「杭があるから大丈夫」といった説明だけで判断せず、不明な点を残したまま購入しないよう注意しましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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