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「そのブロック、道路の上なので」10日間のお盆帰省から戻った翌週、市役所の職員に声をかけられ?【一級建築士は見た】

  • 2026.8.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「お盆の帰省から戻った翌週、市役所の職員に声をかけられたんです。『そのブロック、道路の上なので』と」

そう話すのは、3年前、設計事務所に依頼して注文住宅(4LDK・延床約113㎡/土地約136㎡、約5,600万円)を建てたAさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。前面の道路との間には、側溝の縁の数センチの段差。車の出入りのたびにガタンと鳴るのが気になり、入居半年でホームセンターのゴム製乗り入れブロック(数千円)を側溝の縁に沿わせて並べました。

設計のとき、担当者から「縁石を切り下げる工事もできますが、市の承認が要る自費工事で費用もかかります」と説明を受け、「ゴムのブロックで十分」と見送っていました。2年半、それは当たり前の風景でした。

この夏、10日間のお盆の帰省から戻ると、ブロックの手前にだけ夕立の水たまりの跡が。そして翌週の午後、市の道路パトロールの職員に声をかけられたのです。

そのブロックは、「雨水の通り道」の上にあった

道路の端は、雨水を集めて側溝へ流す排水の通り道です。ブロックはその流れをせき止め、水たまりや道路冠水の原因になります。帰省の留守中に降った夕立の跡が、まさにそれ。ブロックが水の流れをせき止めていた証拠でした。

そして、道路の上に乗り入れブロックや鉄板、鉢植えを置くことは、道路法で禁止されています。自転車やバイクの転倒の原因になり、事故が起きれば置いた人の責任が問われることもあるのです。

「売っているのに、置けない」の線引き

ゴムの乗り入れブロックは、ホームセンターに普通に並んでいて、敷地の中の段差に使う分には問題ありません。ただ、「売っているからといって、道路に置いていい」わけではないのです。

道路は通行と排水のための公共の空間で、私物を置かないのが原則。段差の正式な解消方法は、道路法第24条の手続きで市の承認を受け、縁石や歩道を切り下げる自費工事です。費用は数十万円かかることもあり、手軽なブロックが選ばれがちな背景には価格差があります。

Aさん夫婦はどう対応したのか

撤去のお願いを受けたその日のうちに、ブロックを外しました。段差は、ゆっくり斜めに乗り越える運転でしのげています。後日、市の道路窓口で確認すると、切り下げ工事は承認申請のうえ自費で、施工は承認を受けた業者に頼む仕組みでした。見積もりは数十万円。今年は見送り、来年の外構の手入れとあわせて検討することにしました。

段差の解消は、「道路の外」か「正規の工事」で

毎日の「ガタン」を解消したくなるのは自然で、同じブロックを今も多くの家の前で見かけます。だからこそ、線引きを知っておきたいところです。以下を確かめてみてください。

・乗り入れブロックや鉄板を、道路や側溝の上に置かない――水の流れを妨げ、二輪車の転倒原因にもなります
・段差の正式な解消は、市の承認を受けた切り下げ工事で(道路法第24条・自費)――窓口は市区町村の道路担当です
・工事までの間は、ゆっくり斜めに乗り越える運転で
・新築や購入のときは、前面の段差と出入りのしやすさを現地で確かめる
・旅行や帰省で長く空ける前は、道路にはみ出す物がないかひと目確認――鉢も自転車も

道路の上は、みんなの通り道。その一線さえ守れば、毎日のガタンとも、あわてず付き合っていけます。

参考:
道路に段差解消(乗り入れ)ブロック等を置かないでください(柏市)
道路上に乗り上げブロック等を置かないでください(船橋市)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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