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「客間はなくてもゲストルームがある」と信じていたのに…6,800万円のタワマン、お盆に義両親2泊で直面した“誤算”【一級建築士は見た】

  • 2026.8.8
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「お盆に義両親が2泊で来ることになって、マンションのゲストルームを予約しようとしたら、8月は全滅で…『客間はなくてもゲストルームがある』と思って買った家なのに、泊まってもらう場所がないんです」

そう話すのは、昨年、駅前のタワーマンション(築11年・2LDK・68㎡、約6,800万円)の26階に住戸を買ったAさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

内覧のとき、営業担当からは「最上階にゲストルームが2室あります。予約制で、繁忙期は混み合います」と説明を受けていました。客間を持たない分、専有面積と価格を抑えられる。そう納得して選んだ2LDKでしたが、「混み合う」の度合いは、想像を超えていたのです。

ゲストルームは「わが家の客間」ではなく「みんなの客間」

ゲストルームは、マンションの共用施設です。使い方は管理組合の使用細則(共用施設のルールを定めた決まり)で定められており、利用料もかかります。国土交通省が示すマンション標準管理規約では、共用部分等の使用料は、管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てるものとされています。つまり客間そのものではなく、住民みんなで分け合う宿泊の枠なのです。

枠の大きさは、割り算で見えてきます。Aさんのマンションは総戸数380戸に対してゲストルームは2室。お盆の5日間なら、延べ10泊分しかありません。380世帯の親族が同じ季節に集まると考えれば、足りないのは当然でした。

お盆と年末年始に、予約は一斉に集中する

マンション販売の長谷工アーベストの案内でも、ゲストルームは年末年始や連休に予約が混み合い、予約開始時期や連泊の可否といったルールは物件ごとに異なるとされています。Aさんのマンションでは、利用は1泊3,000円、2か月前の同日から先着順、連泊は2泊まで、1住戸につき月2回まで。仕組みとしては公平です。2泊までの枠に、義両親の予定はちょうど収まるはずでした。

ただ、義両親の帰省が決まったのは3週間前。居住者専用サイトを開くと、お盆の週は2室とも埋まり、キャンセル待ちにも先客がいました。リビングに布団を敷く案も出ましたが、2泊となるとお互いに気詰まりです。「予約制と聞いてはいたんです。でも2か月前の先着に、帰省の予定決めで勝てる気がしません」とAさんは苦笑します。

Aさん夫婦はどう対応したのか

まず、キャンセル待ちに登録すると同時に、保険として、無料キャンセルのきくプランで駅前のビジネスホテルを2泊分押さえました。すると先客の辞退が続き、直前になって1泊分が繰り上がり。ホテルは1泊に変更し、2人で1万円台後半でした。義両親には事情を話し、到着を半日遅らせて滞在をコンパクトに。かかった費用はホテル1泊分だけで済みました。

そして来年に向けて、家のカレンダーに「帰省の日程が決まったら、その日にゲストルームを予約」と書き込みました。2か月前の先着なら、予定が固まった瞬間が一番早い申し込み日。取れなければホテルを早めに押さえる、という順番も決めておきました。

共用の客間は、予約の作法とセットで

ゲストルームのあるマンションは、客間を専有で持たずに済む合理的な住まいです。布団の保管も部屋の掃除も要らず、利用料は管理組合の収入として管理や修繕に回ります。一方で、それは「みんなの客間」。繁忙期には、380世帯で分け合う枠を取りにいく作法が要ります。以下を確かめてみてください。

・戸数に対するゲストルームの室数と、予約ルール(受付開始日・連泊や回数の制限)を購入前に確認する
・お盆や年末年始は、予定が決まったその日に申し込む(キャンセル待ちの仕組みも確認を)
・取れない前提の代替(近隣ホテルの早め予約・日程の調整)も家族で共有しておく
・利用料や清掃のルールは使用細則で確認する

先手の予約という作法とセットにして初めて、「みんなの客間」は、わが家の客間として頼れる存在になります。

参考:
マンション管理(国土交通省)
マンションのゲストルームはあると便利?利用方法や料金、注意点とは?(長谷工アーベスト)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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