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「まだ10年も経っていないのに…」連休中、外壁を掃除した30代夫を襲った“130万円の大誤算”【一級建築士は見た】

  • 2026.9.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「連休に外壁を掃除していて、ふと見上げたら継ぎ目に指が入る隙間があったんです。まだ10年も経っていないのに…」

そう話すのは、9年前に郊外の住宅地に地元の工務店で注文住宅(4LDK・延床約104㎡/土地約142㎡、約4,600万円)を建てたOさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

外壁は、見た目で塗り壁を望んだ妻と、費用でサイディング(板状の外壁材)を推した夫で意見が分かれ、夫の案で決めていました。外壁を水洗いしていて、日当たりを遮るものがない南面の継ぎ目に、指が入る隙間を見つけました。

引き渡し時、工務店から「目地のシーリングは10年前後で打ち替え。日当たりの強い面は早く傷むので、夏を越したら見上げてみてくださいね」と説明は受けていましたが、2人ともすっかり忘れてしまっていたのです。

外壁より先に、目地が寿命を迎える

サイディングの家は、板の継ぎ目や窓まわりをシーリング(ゴム状の詰め物)で埋め、そこで雨水を止めています。外壁材は長持ちしますが、シーリングは紫外線と熱で硬くなり、痩せ、ひび割れて剥がれます。目安は10年前後ですが、日差しの強い南面や西面は劣化が早く、夏の高温と日射が傷みを一気に進めます。

隙間から雨水が入ると、裏の防水紙(防水シート)や下地が傷み、雨漏りや外壁材の反りにつながります。夏を越した秋は、その傷みが表に出る時期です。

隙間の先で、起きていたこと

Oさんが工務店に点検をお願いしたところ、南面と西面の目地はほぼ全体が痩せて剥がれ、窓下は切れて奥の下地が見えていました。下地はまだ乾いていて、秋の長雨の前に見つかったのは幸運でした。

放っておけば下地の交換や外壁材の張り替えが必要になり、費用は数十万円から百万円台になるとのこと。上から塗る応急処置は一時しのぎにしかならず、古いものを取り除いて詰め直す打ち替えが基本です。高所作業のため、自分で直すのは向きません。

なお新築の10年保証は施工不良が対象で、シーリングの経年劣化は対象外です。

塗装と一緒に、足場は一度で

打ち替えには足場を組む必要があり、足場代込みで約70万円の見積もりでした。

Oさんご夫婦は「やっぱり塗り壁にしておけば…」と思ったそうですが、塗り壁にも塗り直しやひび割れがあり、手入れの要らない外壁はありません。

翌年に予定していた外壁塗装と一緒に行うのであれば足場が一度で済むため、塗装を1年前倒しして同時に施工し、合計約130万円になるとのこと。塗り替えの色は妻が選び、この話は落着しました。夏の終わりに家を一周して目地を見上げて確認することも、「夫婦の決まり」にしました。

夏を越したら、外壁を見上げる

シーリングは家を雨から守る消耗品で、交換を前提に手当てすれば外壁は長く保てます。10年前後で交換時期が来ると分かっている分、計画も立てやすい部材です。一方で、隙間が小さくても入る水は止まらないからこそ、見つける時期を決めておくことが欠かせません。

・夏を越したら見上げて、目地と窓まわりの痩せ、ひび、剥がれを点検
・目安は10年前後。南や西の日当たりの強い面は早く傷む
・隙間の放置は下地の傷みと雨漏りの原因に。上塗りは一時しのぎで、打ち替えが基本
・塗装と同時なら足場が一度で済む。時期を合わせて費用を抑える

シルバーウィークに掃除をする予定がある方は、外掃除のついでに、手の届く高さの目地を一度なぞってみてください。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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