1. トップ
  2. 住まい
  3. 「白い点々が…」結婚10年目、旅行で9日間家を空けた30代夫婦→帰宅後、寝室で絶句した“異様な光景”【一級建築士は見た】

「白い点々が…」結婚10年目、旅行で9日間家を空けた30代夫婦→帰宅後、寝室で絶句した“異様な光景”【一級建築士は見た】

  • 2026.9.18
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

「旅行から帰ったら、部屋の空気がむっと湿っていて…。クローゼットの服に、白い点々が出ていたんです」

そう話すのは、10年前に郊外の住宅地に地元の工務店で注文住宅(4LDK・延床約109㎡/土地約168㎡、約5,600万円)を建てたSさん(30代、妻と子ども1人の3人暮らし)です。結婚10年目の共働きで、光熱費はSさんの担当。Sさんはいつも電気代の節約を気にしています。

旅行と帰省で9日間家を空けた時のこと。出発の朝は雨の予報でした。洗濯物を2階の寝室に干したまま、「留守中はもったいない」と、Sさんは24時間換気のスイッチを切って出かけました。

旅行から帰ると、家の中はむっとした空気で、寝室のクローゼットの服と革のかばんに白い点々、壁紙の隅には黒い点が。引き渡し時、工務店から「24時間換気は止めないでください。電気代は月に数十円です」と説明は受けていましたが、留守なら要らないと思っていたのです。

止めた家の中で、湿気は行き場をなくす

今の家は気密が高く、2003年の建築基準法改正により、居室の空気を2時間で入れ替える24時間換気設備(またはシステム)の設置が義務化されています。壁の隙間から空気が入れ替わる昔の家と違い、この換気を止めると湿気の出口が閉じます。洗濯物一回分が乾くまでに出る水分は数リットルにもなり、行き場をなくして室内にたまります。

秋の初めは外の湿度も高く、閉め切った家は湿度70〜80%に。カビは湿度が70%を超えると、数日で育ちます。

9日間、湿度80%の寝室

Sさんの家では、北側の寝室に洗濯物を干し、クローゼットの扉は閉めたままでした。扉の中は空気が動かず、妻の綿の服と革のかばんが最初にやられました。壁紙の黒い点は、湿気がたまりやすい部屋の隅から発生。

24時間換気の電気代は月に数十円から数百円で、9日止めて浮くのは数十円です。その数十円を節約したせいで、9日分の湿気を家に閉じ込めてしまっていたのです。

帰宅した夜、革のかばんの白い点々を見た妻は、大きなショックを受けたようでした。独断で24時間換気のスイッチを切ってしまったSさんは責任を感じ、洗い直しとクリーニングの手配と費用を引き受け、換気は二度と切らないと約束しました。

窓を開け、24時間換気を再開し、除湿機を寝室で回しました。クローゼットは全開にし、服は洗い直しとクリーニング、革のかばんは専門店へ。壁紙の黒い点は消毒用エタノールで拭き取り、費用は合わせて約2万円でした。

以後は、「出発前に洗濯物を残さない」「換気は止めない」を家庭のルールにしました。

家を空ける前の、湿気の出口

気密の高い家は少ない冷暖房で快適に過ごせます。24時間換気は、わずかな電気代で家の中を守る装置です。一方で、出口を閉じれば留守中こそ湿気がたまるからこそ、止めない、残さないの二つが欠かせません。

・24時間換気は留守中も止めない。電気代は月に数十円から数百円
・乾くまでに出す水分は数リットル。出発の朝の室内干しは残さない(前日に済ませるか乾燥機で)
・クローゼットや押し入れの扉は少し開けて出かける
・戻ったらまず換気し、カビはエタノールで拭く。革製品は専門店へ

シルバーウィークに旅行に出かける方もいるでしょう。出発の朝は換気を切らずに、洗濯は帰宅後に回してみてください。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ