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「信号待ちでカタカタ音がして」30代男性が整備工場へ…点検で判明した数十万円規模の“異変”

  • 2026.9.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

エンジンから聞こえる「カタカタ」「コンコン」という音。古い車に乗っていると、「年式相応の音かな」と気にせず乗り続けてしまうこともあるでしょう。しかし、その小さな異音がエンジン内部の重大なトラブルの始まりだったとしたら。今回は、筆者が以前勤務していた整備工場で実際に対応した、エンジン異音の事例を紹介します。

「最近、カタカタ音がする」30代男性のお客様

以前、筆者が整備工場に勤務していた頃、エンジンの調子が悪いということで、30代男性のお客様が車を持ち込まれました。

「最近、信号待ちをしているとカタカタ音がするんです。アクセルを踏むと、少し音が大きくなる気がして」

車を確認すると、確かにアイドリング中からエンジン付近で一定のリズムの打音が聞こえます。さらにアクセルを軽く操作すると、その音が変化しました。エンジン内部では、クランクシャフトやコンロッドなどの金属部品が高速で動いています。こうした部品を支えているメタルなどの摩耗が進むと、部品同士のすき間が本来より広くなり、動いた際に打音が発生することがあります。

もちろん、エンジンから音がしたからといって、すべてが内部故障とは限りません。補機類や排気系など、別の場所から音が出ているケースもあります。

しかし、今回の車を点検した結果、エンジン内部の部品の摩耗が進んでいることが判明しました。

小さな「カタカタ」が大きな修理につながることも

エンジン内部の摩耗は、最初から大きな音を出すとは限りません。「カタカタ」「コンコン」といった小さな音から始まり、摩耗が進行するにつれて音が大きくなったり、アクセルを踏んだときに目立つようになったりすることがあります。

特に注意したいのが、エンジン回転数やアクセル操作に合わせて異音が変化するケースです。「音は小さいから大丈夫」と考えて走り続けると、摩耗した部品にさらに負担がかかり、状態が悪化する可能性があります。

今回のケースでも、点検の結果、すでにエンジン内部の部品交換だけでは済まない可能性がある状態でした。さらに損傷が進めば、クランクシャフトなどまで傷めてしまい、エンジンのオーバーホールや載せ替えが必要になることもあります。結果として、修理費用が数十万円規模に膨らむ恐れがありました。

「古い車だから」で片づけず、異音は早めに点検を

エンジンから聞き慣れない音がしたときに大切なのは、「古い車だから仕方ない」と自己判断しないことです。まずはエンジンオイルの量を確認し、オイル漏れがないかもチェックしましょう。ただし、オイル量が正常だったとしても、内部の摩耗や故障を否定できるわけではありません。

また、「少し走れば音が消える」「音が小さいから問題ない」と判断するのも禁物です。異音が以前より大きくなっている、アクセルを踏むと音が強くなる、走行中にも音が聞こえるといった場合は、早めに整備工場などで点検してもらうことをおすすめします。特に、音が急に大きくなった場合や、エンジンの振動、出力低下、オイルランプの点灯などを伴っている場合は、無理に走行せず安全な場所に停車し、すぐに専門家に相談してください。

エンジン内部のトラブルは、早い段階で原因を特定できれば、必要な部品の交換などで済む可能性があります。一方、損傷が進行してしまえば、高額な修理につながることもあります。「音が小さいから大丈夫」ではなく、「今まで聞こえなかった音がする」という事実そのものが重要なサインです。

愛車から聞き慣れない「カタカタ」「コンコン」という音が聞こえたら、年式だけを理由に放置せず、早めの点検を心がけたいものです。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


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