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「せっかく洗車したのに…」黒いボディに広がった白い跡、夏の洗車で起きる“思わぬ落とし穴”

  • 2026.8.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

夏季休暇の帰省や旅行でたくさん走ったクルマは、休み明けに洗車してきれいにしておきたいものです。高速道路を走ったあとの虫汚れや、海沿いを走ったあとの汚れなど、そのままにしておくのは気になります。

ただ、夏の洗車には注意が必要です。強い日差しの下でボディが熱くなった状態で洗車すると、水やカーシャンプーが急速に乾き、白っぽいシミやムラが残ることがあります。

さらに、炎天下での洗車はクルマだけでなく、洗車する人の体にも大きな負担となります。

「体力には自信がある」と昼間に洗車した結果

お客様のTさん(50代・男性)は、夏季休暇で長距離を走ったクルマを洗おうと、昼食後に洗車を始めました。

Tさんはもともと体力には自信があり、「これくらいなら大丈夫」と考えていたそうです。ところが、昼間の強い日差しの下で作業を続けているうちに、徐々に集中力がなくなり、イライラするような感覚も出てきたといいます。

それでも作業を続けていたところ、次第に立っていることも難しくなりました。なんとか自宅の中まで戻ったものの、その後は吐き気やめまいも現れ、慌てた家族が近くの病院へ連れて行くことに。診断は熱中症でした。

結局、洗車は途中で中断することになり、Tさんは「クルマをきれいにするつもりだったのに、家族に心配をかけてしまった」と反省していました。

昼間の厳しい暑さに加え、長距離ドライブによる疲れも残っていたのでしょう。さらに、「体力には自信があるから大丈夫」と過信してしまったことも、熱中症につながった一因と考えられます。

夏の洗車では、クルマの状態だけでなく、作業する人自身の体調にも十分な注意が必要です。

ボディが熱い状態での洗車はシミの原因に

もう一つ、夏の洗車で気をつけたいのがボディに残る白いシミです。夏の晴れた日は、強い日差しによってクルマのボディがかなり熱くなっています。この状態で水をかけると、ボディに付着した水滴が短時間で乾いてしまいます。

水道水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が含まれており、水分だけが蒸発するとこうした成分がボディに残り、白い輪ジミのような跡になることがあります。いわゆる「イオンデポジット」と呼ばれるものです。

洗車直後はそれほど気にならなくても、水滴が乾くことを繰り返すことで成分が固着し、通常の水洗いでは落としにくくなることがあります。特に黒や濃色系のボディカラーでは白っぽい跡が目立ちやすく、「せっかく洗車したのに、かえって汚れて見える」ということにもなりかねません。

カーシャンプーもコーティング車も「乾かさない」が基本

夏の洗車では、水道水だけでなくカーシャンプーの扱いにも注意が必要です。ボディが熱くなった状態では、シャンプー液も通常より早く乾いてしまいます。洗浄成分が乾いたまま残ると、ムラやシミの原因につながります。

また、コーティングを施工しているクルマでも、炎天下での洗車には注意が必要です。コーティングには塗装面を保護したり、汚れを落としやすくしたりする効果がありますが、コーティングしているから水ジミができないというわけではありません。コーティングの種類や状態によっても異なります。

特に水道水がボディの上で乾くと、含まれているミネラル分が残り、水ジミの原因になることがあります。せっかくコーティングを施工していても、暑いボディの上で水滴を放置するのは避けたいところです。

夏場は一度にクルマ全体を洗うのではなく、ルーフやボンネット、ドアなど部分ごとに洗って、その都度しっかりすすぐのがおすすめです。

最後のすすぎのあとも自然乾燥させず、柔らかいクロスなどで早めに水分を拭き取りましょう。コーティング車の場合は、施工店から指定されている洗車方法やメンテナンス用品があれば、それに従うことも大切です。

きれいにするための洗車だからこそ無理をしない

せっかくの休みだからと、旅行や帰省から戻ったその日にクルマを洗いたくなることもあるでしょう。

しかし、長距離ドライブのあとはクルマだけでなく、運転した人にも疲れが残っています。特に真夏の昼間は、元気だと思っていても暑さによって体力を消耗しやすいものです。

Tさんも今回の経験から、「体力を過信せず、もう少し涼しい時間に洗車すればよかった」と振り返っていました。

夏に洗車をするなら時間帯選びも重要です。日差しが強く気温が高い昼間は避け、早朝や夕方など、比較的涼しく直射日光が弱い時間帯を選びたいところです。ただし、夕方でもボディに昼間の熱が残っていることがあります。日陰や屋根のある場所を選び、ボディが十分に冷めてから始めるとより安心です。

また、早朝や夕方であっても、洗車する人にとって暑い環境であることには変わりません。こまめに水分をとり、疲れやめまいなど少しでも体調に異変を感じたら、無理をせず作業を中断しましょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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