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高速道路での『ゴーッ』異音を放置→半年後、「まあ大丈夫だろう」と過信した40代男性を襲った悲劇

  • 2026.9.17
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

車を運転していると、「ゴーッ」「ウーン」といった低い音が聞こえてくることがあります。ロードノイズにも似ているため、「タイヤの音だろう」と気にせず乗り続けてしまう人もいるでしょう。しかし、速度に応じて音が大きくなったり、カーブで音が変化したりする場合は、タイヤ以外の部分に原因が隠れている可能性もあります。

今回は、私と以前から付き合いのある40代男性のEさんから聞いた、走行中の異音を半年ほど放置した結果、修理範囲が広がってしまったケースを紹介します。

「ゴーッ」という音はタイヤのロードノイズだと思っていた

Eさんは高速道路を利用する機会が多く、以前から愛車の走行中に「ゴーッ」という低い音がすることに気づいていました。

「高速道路に乗ると、けっこう音が大きくなるんですよ。でも、タイヤのロードノイズだと思っていました」

ロードノイズは、タイヤの種類や路面状況、速度などによって大きさが変わります。そのため、Eさんも当初は特に深刻には考えていなかったそうです。念のためタイヤを確認してみても、目立った損傷や極端な偏摩耗などは見当たりませんでした。

「タイヤも普通に見えるし、まあ大丈夫だろうと思っていました」

ところが、この判断が異音を長期間放置するきっかけになってしまいました。

半年後には音が大きくなり、カーブでも変化するように

その後もEさんは普段どおり車を使用していました。しかし、時間が経つにつれて「ゴーッ」という音は少しずつ大きくなっていきました。

「最初は高速道路だけ気になっていたんですが、だんだん一般道でも聞こえるようになってきました」

さらに気になる変化もありました。カーブを曲がる際、左右で音の大きさが変わるように感じることがあったのです。

「右に曲がったときと左に曲がったときで、ちょっと音が変わるんです」

それでも、ハンドルが大きく取られるような症状や、明らかな走行不能といった状態ではありませんでした。そのため、「まだ普通に走れるから大丈夫だろう」と、そのまま使用を続けてしまったといいます。

しかし、異音は「走れるかどうか」だけで判断するものではありません。以前より音が大きくなっている、発生する速度域が広がっている、カーブで音が変化するなど、症状に変化が出ている場合は、単なるロードノイズと決めつけず、原因を確認することが重要です。

原因はハブベアリングの劣化。放置で修理範囲も広がった

最終的にEさんが車を点検に出し、車輪周辺を詳しく確認してもらったところ、原因はハブベアリングの劣化だと判明しました。ハブベアリングは、車輪をスムーズに回転させるための重要な部品です。劣化すると「ゴーッ」「ウーン」といった、車速に応じて変化する異音が出ることがあります。さらに状態が進行すると、ガタが発生する場合もあります。

Eさんの場合も、異音が出始めてから約半年が経過していたため、単純に「音がする部品だけを交換すれば終わり」という状況ではありませんでした。周辺部品にも負担や劣化がないか確認する必要があり、結果的にハブベアリング単体の交換だけでなく、周辺部品を含めた広範囲の修理が必要になりました。

「最初に音がした段階で見てもらっていれば、もっと簡単に済んだかもしれないですね」

Eさんも、原因が分かってからそう話していました。

もちろん、「ゴーッ」という音がしたから必ずハブベアリングが原因とは限りません。タイヤの摩耗やホイール、ほかの足まわり部品などが原因の場合もあります。だからこそ重要なのが、異音を自己判断で放置せず、原因を特定することです。

また、車輪周辺の部品に異常がある状態で高速道路を走り続けることは、安全面でも注意が必要です。

「まだ走れる」ではなく「原因が分かっているか」で判断を

「ゴーッ」「ウーン」という音が速度に応じて変化する場合は、一度点検を受けることをおすすめします。整備士に伝える際は、「何km/hくらいから聞こえる」「アクセルを戻しても聞こえる」「右カーブで大きくなる」など、音が発生する条件を具体的に伝えると、原因を探る手がかりになります。

タイヤの摩耗や空気圧を確認することも大切ですが、「タイヤに異常がないから問題ない」と自己判断しないことも重要です。ハンドルや車体に振動が出ていないか、以前より異音が大きくなっていないかにも注意しましょう。特に高速道路を頻繁に利用する人は、足まわりや車輪周辺の異常を放置しないよう意識したいところです。

なお、自分で車体を持ち上げたり、回転部品を触ったりして確認するのは危険です。気になる症状があれば、整備工場などで点検してもらいましょう。

「ゴーッという音だけ」と思っていても、異音は車からの重要なサインかもしれません。大切なのは、「まだ走れるから大丈夫」ではなく、「その音の原因が分かっているか」で判断することです。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


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