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「まさか全損になるなんて…」豪雨で水没したクルマ、車両保険で修理できるケース・できないケースの分かれ道

  • 2026.8.28
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

近年、台風や集中豪雨などによって、道路が冠水する被害が各地で発生しています。自宅の駐車場に停めていたクルマが水につかったり、外出先で突然の大雨に見舞われたりするなど、クルマが水害に遭う場面は決して他人事ではありません。

特に怖いのが、短時間のうちに水位が上昇するケースです。さっきまで問題なく走れていた道路に水がたまり、気づいたときにはクルマを移動させることも難しくなっていることがあります。

では、もしクルマが浸水してしまった場合、修理費用はどうなるのでしょうか。

車両保険に加入していれば、豪雨や台風などによる水害が補償されます。ただし、損害の程度によって修理できるケースと全損となるケースがあり、支払われる保険金も契約内容によって変わります。

「水につかった=全損」ではない

クルマが水につかってしまうと、「もう乗れないのでは」と思ってしまう人もいるでしょう。しかし、浸水したからといって、必ず全損になるわけではありません。

たとえば、浸水した位置が比較的低く、被害が床下などにとどまっている場合は、必要な部品を交換したり、損傷した部分を修理したりすることで、再び走行できる状態に戻せることがあります。一方で、車内の高い位置まで水が入り込んだ場合は、状況が大きく変わります。

最近のクルマは、エンジンを動かすための部品だけでなく、安全装備や運転支援システムなどにも多くの電子部品が使われています。そのため、それほど大きな損傷がないように見えても、細部まで確認しなければならず、多額の修理費用がかかるのです。つまり、「タイヤが水につかった」「車内まで水が入った」といった状況だけで、すぐに全損かどうかを判断することはできません。

実際の損害を確認してから判断される

車両保険を利用する場合も、水につかったという事実だけで保険金が決まるわけではありません。

実際にクルマの状態を確認し、どの部分まで浸水したのか、どの部品に損害が出ているのかなどを調査したうえで、契約内容に基づいて保険金の支払いが判断されます。水害に遭ったからといって、自分で「これは全損だろう」「修理できるだろう」と判断することはできません。まずは、加入している保険会社や代理店に相談しましょう。また、車両保険を使って修理する場合には、契約時に設定した免責金額があれば、その分は自己負担になります。

さらに、豪雨や台風による浸水は補償されても、地震・噴火・津波による損害は、車両保険では補償されません。

地震などによる損害に備えるための特約を用意している保険会社もありますが、付帯できる条件や補償内容は契約によって異なります。自然災害といっても、原因によって保険上の扱いが同じとは限りません。

だからこそ、「災害でクルマが壊れたら車両保険で何とかなる」とひとまとめに考えるのではなく、自分の契約では何が補償されるのかを確認しておくことが大切です。

土地勘のない場所では、ハザードマップも確認

水害への備えとして、自宅や勤務先だけでなく旅行先や出張先など、土地勘のない場所で突然豪雨に遭うことも想定しておきたいものです。特に、夏から秋にかけては、旅行や帰省などで普段走らない場所を運転する機会も増えます。

出発前に目的地周辺のハザードマップを確認し、浸水する可能性がある地域や避難場所を把握しておくだけでも、いざというときの判断材料になります。そして、大雨によって道路に水がたまっている場合は、「まだ通れる」と安易に考えて進入しないよう心がけましょう。

道路と側溝、用水路などの境目が分からなくなっている可能性もあり、クルマだけでなく自分自身が危険にさらされることがあります。「クルマが水につかってしまう前に移動させたい」という気持ちがあっても、危険な場所を走行してまでクルマを守ろうとするのは避けたいところです。

水害時は、まず自分の命を守ることを最優先に考えましょう。

豪雨の前に、一度保険証券を確認しておきたい

豪雨や台風によるクルマの被害は、いつ起こるか分かりません。駐車場所や周辺の地形などによっては、自分では避けきれない浸水被害に遭うこともあります。だからこそ、被害が起きてから「車両保険に入っていたはず」と慌てるのではなく、平時に補償内容を確認しておくことが大切です。

  • 車両保険が付いているか
  • 豪雨や台風による浸水が補償されるか
  • 免責金額はいくらか
  • 車両保険を使った場合、翌年度の等級や保険料はどうなるか
  • 地震・噴火・津波による損害に備える補償が必要か

このように、加入していることそのものよりも、「何が起きたときに、どこまで補償されるのか」を知っておくことが重要です。

自然災害をなくすことはできません。しかし、普段から準備をしておけば、突然の豪雨に見舞われたときでも、少しでも落ち着いて行動しやすくなります。台風や豪雨が増える時期だからこそ、クルマの置き場所や避難経路だけでなく、加入している車両保険の補償内容も確認しておきましょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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