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「ナビもあるし大丈夫」のはずが…教習所指導員が警告する、シルバーウィークの高速道路に潜む“2つの罠”

  • 2026.9.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

シルバーウィークなどの大型連休。帰省や旅行で久しぶりに高速道路を走る方も多いのではないでしょうか。

普段は近所の買い物など街乗り中心のAさん。「ナビもあるし大丈夫」と出発したものの、激変する交通量に緊張が走ります。周囲のスピード感に圧倒され、ミラーを見る余裕もなくなっていきました。順調だったのも束の間、気づけば大渋滞。焦りばかりが募ります。

実は連休の高速道路は、普段とは全く異なる環境といえます。運転に不慣れな人ほど無意識にハマる、2つの罠が存在するのです。指導員の目線から、そのメカニズムとパニックを防ぐ回避策を解説します。

罠1:気づかないうちに渋滞を作る無意識の減速

1つ目の罠は、一定の速度で走っているつもりでも自然とスピードが落ちる「無意識の減速」です。NEXCO東日本のデータによれば、高速道路の渋滞の約7割は交通集中による自然渋滞。その発生箇所の約6割が上り坂やサグ部(下り坂から上り坂へ切り替わる凹部)に集中しています。

なぜ坂道に気づけないのか

高速道路は勾配が緩やかで景色の変化が乏しく、視覚的な錯覚が起きやすい環境。 ビギナーは「前の車についていかなければ」という意識が強くなりがち。自分の車の速度計を見る余裕がなくなり、空間全体の速度低下に気づけないことも少なくありません。

結果、アクセル量が一定のまま上り坂へ突入し、10〜20km/hも減速してしまうのです。自分が減速の起点になると、急接近してきた後続車が慌ててブレーキを踏むことになります。

そのブレーキが連鎖し、何kmもの大渋滞へ発展しかねません。このような状態で後ろの車から圧迫感を覚えたら、自分が渋滞を作っているサインといえるでしょう。

罠2:疲労で追い込まれる休憩の先延ばし

2つ目の罠は、休憩のタイミングを失い続ける「休憩の先延ばし」です。

疲労を感じたAさんがサービスエリア(SA)に入ろうとするも、満車待ちの列に直面します。本線にまで伸びる列に戸惑い、後続車のプレッシャーもあってつい通過してしまうこともあります。しかし、連休中は次のSAも同様に満車であることがほとんどです。

休憩の機会を失い続けると、身体的疲労に加えてトイレへの不安などの焦りが生じます。集中力や判断力が低下し、重大な追突事故を引き起こしかねません。

2つの罠を回避する実践的ノウハウ

こうした罠にハマらないための、実践的な対策をご紹介します。

対策1:標識を見たら速度計と視線を意識する

「ここから上り坂」「速度低下に注意」などの看板を見たら、速度計を意識的に確認してください。アクセルを少し踏み足すとともに、視線を「前の車」から「さらに前の車」へ移してください。遠くに視線を置くことで、いち早く全体の速度変化を察知できます。

車間距離にもゆとりが生まれ、心穏やかに運転できるはず。ペダル操作だけでなく、遠くを見る視線の使い方も安全運転の重要なポイントです。

対策2:主要SAを避け手前のPAを使う

人気で規模の大きなSAは連休中かなり混雑するもの。手前にあるパーキングエリア(PA)を計画的に活用してください。PAは飲食店などの施設が控えめな分、混雑が緩やかでスムーズに休憩できる傾向があります。

出発前にルート上のSA・PAの位置関係を予習しておくと安心です。どこで休むか複数の候補を決めておくだけで、運転中の精神的な負担は減らせます。

対策3:スマートICなどの代替案を用意する

どうしてもSAに入れない場合は、スマートIC(ETC搭載車専用の簡易インターチェンジ)を活用しましょう。再度乗り直すと料金が割高になるケースもありますが、無理をして事故やパニックを起こすよりは、一度高速を降りて道の駅やコンビニを利用するのも賢明な判断。事前にナビアプリで混雑状況を確認する癖をつけておくことをおすすめします。

一般道へ降りる選択肢を持っておくことで、いざという時のパニックを防げます。

渋滞の末尾に近づいたら

渋滞末尾に接近した際は、早めにハザードランプを点灯してください。

追突事故の多くは、後続車が「前の車が止まっている」と認識する一瞬の遅れで発生します。自分が減速し始めた瞬間にハザードを点滅させ、後続車へ危険を早期に知らせましょう。

これが、自車の安全を確保する大切な防衛運転です。後続車への思いやりが、結果的に自分自身や同乗者を守ることにつながります。

心と計画に余裕を

連休の高速道路では、無意識の油断が大きなトラブルに直結しかねません。サグ部での減速メカニズムや、SA混雑による焦りを事前に知っておくだけでリスクは軽減できます。あらかじめ心と計画に余裕を持ち、安全で快適なドライブを楽しんでくださいね。

参考:高速道路の渋滞解消・緩和対策(NEXCO東日本)


ライター:ちだてつし
自動車教習所の指導員・技能検定員として、23年間にわたり現場で安全運転の指導・検定を担当。現在はその専門知識と現場での実務経験を活かし、安全運転やドライブテクニックに関するWebライターとして活動中。また、ペーパードライバーや外免切り替えの事業を展開し、運転に自信のないライダーを対象に、実践的なツーリングを通して運転技術を身につける「日本ツーリングサポート協会」を設立・運営。「安全で楽しいカー&バイクライフ」を伝える発信を行っている。日本二輪車普及安全協会の二輪安全運転指導員として活躍中。


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