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「東京方面が上り」は思い込み?北関東道では西の高崎方面が上りになる、道路の意外なルール

  • 2026.8.27
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出典:PIXTA ※画像はイメージです

渋滞情報などでよく耳にする「上り」や「下り」ですが、今走っているのはどちらなのか迷った経験はありませんか。実は「東京方面に向かうのが上り」とは限らない、奥深いルールが存在します。助手席での会話のネタにもなる、意外と知られていない本当の基準を探ってみましょう。

高速道路には「起点」と「終点」がある

交通情報で耳にする上りや下りという表現について、私たちは普段何気なく使っていますが、そもそも何をもって上と下を決めているのでしょうか。

その答えを探るためには、道路がどのように作られ、管理されているのかを知る必要があります。高速道路をはじめとする日本の道路には、法律やルールとして路線ごとに必ず始まりの場所である起点と、終わりの場所である終点が定められています。

そして、この起点と終点こそが方向を決める絶対的な基準となります。基本的には、起点に向かって走る方向が上り線であり、反対に終点に向かって走る方向が下り線と決められているのです。

つまり、特定の都市へ向かうから上りになるという全国共通のルールがあるわけではなく、あくまでその道路の始まりの場所へ向かっているかどうかがポイントになります。地方都市同士を結ぶ路線などでは方向が直感的に分かりにくいことがありますが、この起点という基準を知っておくと、どのような道でもシンプルに理解できるのではないでしょうか。

なぜ私たちは「東京方面が上り」だとイメージしてしまうのか

起点に向かうのが上りであるならば、なぜ私たちは自然と東京方面に向かうのが上りであるとイメージしてしまうのでしょうか。そこには、日本の主要な道路網の作られ方が大きく関係しています。

私たちがよく利用する東名高速道路や中央自動車道など、日本の大動脈と呼ばれるような主要な高速道路を思い浮かべてみてください。実はこれらの路線の多くは、東京寄りのインターチェンジやジャンクションが起点として設定されています。

そのため、これらの路線を走っているときは、東京へ向かって走ることがそのまま起点へ向かって走ることに直結します。結果として、東京へ向かう車線が上り線となるケースが非常に多くなるわけです。

こうした経験を何度も重ねるうちに、多くのドライバーの中で東京へ向かうことが上りであるというイメージが定着していったと考えられます。東京という大都市だから上りなのではなく、たまたま東京が起点になっている路線が多いから上りになりやすいと順番を踏んで整理していただくと、少しすっきりするかもしれません。

しかし、全国を見渡すと東京方面へ向かうのに下りとなる路線も存在します。関東北部を東西に走る北関東自動車道は、群馬県の高崎ジャンクションが起点として定められています。そのため、西である高崎方面へ向かう車線が上りとなり、東の水戸方面へ向かう車線が下りになるのです。このように、すべての路線が東京を基準に上り下りを決めているわけではないというケースを知っておくと、ドライブ中のちょっとした発見につながりそうです。

歴史をさかのぼると見えてくる、江戸時代の「日本橋」というルーツ

例外となる路線があるとはいえ、全体としてはどうして東京側が道路の起点になりやすいのでしょうか。その疑問をさらに深掘りしていくと、江戸時代の歴史にまでさかのぼることになります。

かつて徳川幕府は、全国を結ぶ重要な交通ネットワークとして、東海道や中山道などの五街道を整備しました。そのすべての起点をどこにするかと考えた際、選ばれたのが当時の江戸である東京の日本橋だったのです。

現在でも日本橋の中央には、日本の道路の基準点であることを示す日本国道路元標が設置されています。

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出典:PIXTA ※画像はイメージです

こうした歴史的な背景から、日本の道は東京の日本橋を中心に全国へ広がっていくという感覚が、何百年もかけて私たちの文化に根付いてきました。

もちろん、現在の高速道路がすべて日本橋を直接の起点にしているわけではありません。しかし、東京へ向かうことを上りと呼ぶ日本社会の自然な感覚の裏側には、江戸時代から続くこうした歴史のロマンが隠されているのです。

ドライブ中に迷ったら、道路脇の「キロポスト」が教えてくれるサイン

歴史のロマンを感じていただいたところで、少し視点を現代のドライブに戻してみましょう。実際に運転している最中、今自分はどちらに向かっているのか迷ってしまったときに役立つ、ちょっとした見分け方をご紹介します。

高速道路を走行していると、道路の左端や中央分離帯に、数字が書かれた小さな標識が立っているのを見たことがないでしょうか。これはキロポストと呼ばれるもので、基本的にはその路線の起点から何キロメートル離れているかを示してくれている標識です。

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出典:PIXTA ※画像はイメージです

この数字の増減に注目すると、進行方向を推測するヒントになります。走りながらキロポストの数字がだんだん小さくなっていくなら、それは起点に向かって近づいている証拠です。つまり、基本的には上り線を走っていると判断できます。反対に、数字が大きくなっていくなら、起点から遠ざかる下り線を走っていると考えられます。

一部の特殊な区間などでは例外もあるようですが、運転中の目安の一つとして知っておくと、長距離ドライブのちょっとした楽しみになるかもしれません。

覚えるべきは「起点」、首都高の「内回り・外回り」にもご注目

ここまでの話を振り返ると、高速道路の方向は東京方面だから上りであると丸暗記するのではなく、その道路の起点へ向かうのが上りであると覚えるのがルールの大前提と言えます。

また、高速道路の世界は知れば知るほど奥が深く、すべての道路が単純な上りと下りで分けられているわけでもありません。たとえば、首都高速の都心環状線(C1)や中央環状線(C2)のようにぐるぐると円を描く環状道路では、上りや下りではなく「内回り」や「外回り」という言葉で方向を区別しています。

普段こうした環状線の呼び方に慣れ親しんでいると、「首都高速道路には上りや下りという表現が一切ないのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし実は、そこから放射状に延びる4号新宿線などの放射路線においては、都心や皇居周辺へ向かう側を上り、遠ざかる側を下りと呼んで明確に分けているのです。このように、路線によって表現が変わるのも道路の面白いところなのです。

これからは紅葉などを楽しむ秋のドライブシーズンが本格化します。次に高速道路を利用して車内で交通情報を耳にしたときには、この道の起点はどこだろうと少しだけ意識を向けてみてください。ただ通り過ぎるだけの景色が、いつもとは違った新鮮なものに見えてくるかもしれません。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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