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「頭が真っ白」高速の料金所を通過した直後、教習生が急ハンドル…なぜ?元教習指導員が青ざめたヒヤリハット

  • 2026.8.27
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みなさま、こんにちは。元教習指導員のちだてつしです。

夏休みの帰省や旅行中、慣れない道を走っていて「あっ、ここで曲がるんだった!」と焦った経験はありませんか?実は、教習の指導現場でも、それと似たヒヤリとする場面に何度も立ち会ってきました。

高速教習中のことです。料金所を通過してから、私が行き先を指示した瞬間、教習生がなぜか急ハンドルを切りました。

その結果、ランプウェイを分離する縁石にぶつかりそうになったのです。幸いぶつかる直前で停止しましたが、後ろに乗っていたもう一人の教習生は思わず「危ない」と口にしていました。

理由を聞くと、まず焦りが先に立ち頭が真っ白になったとのこと。次に、頭の判断よりも先に、反射的にハンドルを切ってしまい、こうなったと答えてくれました。初めての高速道路で緊張していたことも重なり、周囲を見る余裕がほとんどなくなっていたのです。

これは教習生に限った話ではありません。今日は、この“通り過ぎパニック”がなぜ危険なのか、そのメカニズムと対処法をご紹介します。

「通り過ぎパニック」を引き起こす脳のメカニズム

夏休みの帰省や旅行中も、運転中の状況はさまざまです。

同乗者との会話に夢中になっていたり、長距離運転の疲労でぼんやりしていたりします。ナビの案内に対し、複雑な交差点の様子がよくわからないこともあるでしょう。IC(インターチェンジ)やJCT(ジャンクション)が入り組んだ道路も、判断を難しくします。

「通り過ぎたくない」という焦りと、「後ろの車に迷惑をかけたくない」というプレッシャー。この二つが同時に押し寄せると、脳の処理能力は、あっという間に限界を迎えかねません。

このとき起きるのが、いわゆる「心理的視野狭窄」です。

バックミラーや死角の確認が頭の中から抜け落ちてしまったり、対向車や後続車、車線をまたぐ際の障害物に気づきにくくなったりします。

ブレーキを踏めないまま進んでしまうと、事故につながりかねません。

通り過ぎ焦り度セルフチェック

慣れない道で、知らず知らずパニックになりやすい状態になっていないか、チェックしてみてください。

・おしゃべりや疲労で、道路標識やナビの音声案内を聞き逃しがち
・不慣れな場所で複雑な多重交差点やレーン数の多い道路を見ると、一瞬頭がフリーズする
・分岐や目的地を通り過ぎそうになった瞬間、確認より先に「ハンドルを切る」「急ブレーキを踏む」動作が出る
・「通り過ぎたら次のICや角でやり直せばいい」という発想が、そのときは頭から消えている

一つでも当てはまったら要注意です。

「通り過ぎパニック」のスイッチは、思っているより入りやすいものです。

事故を防ぐために覚えておきたい対処法

一番の対策は、運転前に「間違えても、実際の損失は大したことない」と自分に言い聞かせておくことです。時間のロスは、一般道であれば数分程度、高速道路でも少し遠回りになる程度でしかありません。これだけで、いざというときの心の余裕が変わってきます。

高速道路では「通り過ぎるとお金が余分にかかるのでは」と気になる方もいるかもしれません。しかしご安心ください。目的のICやJCTを通り過ぎてしまった場合も、いわゆる「特別転回」という救済措置があります。

次のICの一般レーン(またはETC/一般レーン)で、料金精算前に係員へ申告してください。追加料金なしで、目的地まで戻ることができる制度です。ETCをご利用の場合は、自動精算を防ぐため、必ず手前でETCカードを抜いてから一般レーンに入りましょう。

ただし、特別転回は係員のいる有人ゲートでのみ利用可能で、ETC専用のスマートICなどでは対応していません。また、ICの構造によっては対応できない場合もあるため、あくまで一つの救済措置として覚えておきましょう。

同乗者がいる場合は、経路を案内してもらうのも有効です。二人の目で確認すれば、見落としはぐっと減ります。

何より大切な心構えがあります。分岐や曲がり角で迷ったら、無理に曲がろうとしないことです。そのまま通り過ぎて、安全な場所で対策を考えましょう。

「戻ればいい」という選択肢を、いつでも頭の片隅に置いておいてください。

夏休みのドライブは、楽しい思い出になるはずのもの。焦りに振り回されず、「やり直せばいい」の一言を思い出して、安全運転を心がけましょう。


参考:高速道路で出口を通り過ぎてしまったら、行き先を間違えてしまったら(NEXCO東日本)


ライター:ちだてつし
自動車教習所の指導員・技能検定員として、23年間にわたり現場で安全運転の指導・検定を担当。現在はその専門知識と現場での実務経験を活かし、安全運転やドライブテクニックに関するWebライターとして活動中。また、ペーパードライバーや運転に自信のないライダーを対象に、実践的なツーリングを通して運転技術を身につける「日本ツーリングサポート協会」を設立・運営。「安全で楽しいカー&バイクライフ」を伝える発信を行っている。


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