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父の死後“4,000万円”を相続した50代娘→「申告不要でよかった」無事に手続きを終えるが…3年後、目の前に現れた“思わぬ人物”

  • 2026.8.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

相続において大変なことのひとつは、すべての遺産を確認することです。不動産や預貯金だけではなく、目に見えない財産もあり、亡くなった方が伝えていないことで見落としてしまうのです。

今回は家族が知らない財産の存在が、後から分かり動揺することになった3姉妹のケースをお伝えします。

3年後に判明した「1,000万円の貸付金」

50代前半・Uさん(仮名)は、3姉妹の長女です。幼くして母を亡くしており、父が男手ひとつで3姉妹を育ててくれました。

そんな父が亡くなったのは3年前の夏。

父の通帳や不動産関係書類はUさんが管理していたこともあり、遺産の整理はそれほど大変ではなかったといいます。

当初、3姉妹が把握していた遺産総額は4,000万円。調べたところ、基礎控除内のため、相続税の申告は不要であることが分かりました。

「申告不要でよかった」と安堵し、そのまま相続手続きを終えました。  

ところが父の死から3年後、突然「お父さんの親友だった」という男性がUさんのもとを訪れます。

男性は会社の経営が苦しかった5年前、父から事業資金として無利息で1,000万円を借りていたと告白。その資金をきっかけに会社は立ち直り、「ようやく全額返せるようになった」と1,000万円の返済を申し出たのです。  

Uさんにとって初耳でした。

「相続は終わってるけど、どうすればいいんだろう」途方に暮れたUさんは妹たちに相談しました。

「とにかく、税理士に相談した方がいいんじゃないかな」

自分たちでは判断できないと思い、税理士を頼ることになりました。

返済された1,000万円も相続財産?

「今回の1,000万円は新たにもらったお金ではなく、お父さまが亡くなった時点ですでに存在していた貸付金という債権です。返済されたのが3年後でも、お父さまが亡くなった時点ですでに持っていた財産として考えなければいけません」

貸付金を加えると、遺産総額が基礎控除を超えることが判明。

申告不要と思っていた3姉妹は、肩を落としました。

「お金貸していたなんて知らなかった…」

相続税の計算方法

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

まず、相続税の算定にあたって、次の計算式で、基礎控除を求めます。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

Uさんの場合、法定相続人は3姉妹だけでした。そのため、基礎控除は4,800万円になります。

遺産総額は当初、把握していた4,000万円に、今回の貸付金1,000万円を加えると、総額は5,000万円でした。

課税される遺産の金額を求める計算式は、次のとおりです。

5,000万円(遺産総額)ー 4,800万円(基礎控除)=200万円

結果的に、相続税の計算対象となる金額は200万円となり、相続税の申告と納税が必要になることが分かりました。

税理士に依頼し、期限後申告を行ったところ、本税に加え、無申告加算税や延滞税を支払うことになり、「もっと早く知っていれば…」と落胆したそうです。

「知らなかった財産」が後から判明することも

最初は気落ちしていたものの、税金を支払っても手元に残るお金のほうが多く、結果的には納得がいった様子の3姉妹でした。

最後にUさんは、「人のいい父を見習って、返ってきた現金の一部は寄付しました」と教えてくれました。

相続では、残された家族が知らない財産が後から見つかることもあります。亡くなった方の通帳などは可能な限りさかのぼって確認し、大きな入出金があれば、その内容まで把握するよう努めましょう。


執筆・監修:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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