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夫の死後、“死亡退職金1,200万円”が支給された50代妻→「相続税の対象になるのでは」FPに相談すると…判明した“予想外の事実”

  • 2026.9.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

家族が亡くなったあとに受け取るお金には、税金の負担を軽くする仕組みがあります。ただし、同じような計算式が使われる制度があるため、どこまで非課税になるのか分かりにくい場面もあります。

特に混同しやすいのが、死亡保険金と死亡退職金です。どちらにも「500万円×法定相続人の数」という基準がありますが、同じ枠を共有しているわけではありません。

56歳のEさんも、この違いを知るまでは「保険金で枠を使い終えた」と考えていました。

夫の死後に受け取った1,500万円

Eさんは56歳。59歳の夫、27歳の長男、24歳の長女と暮らしていました。

夫は24歳から同じ会社で働き、勤続期間は約35年です。しかし59歳で亡くなり、Eさんは葬儀や名義変更など、さまざまな手続きを進めることになりました。

夫が亡くなって約3週間後、Eさんのもとに1,500万円の死亡保険金が支払われます。保険料は夫がすべて負担しており、受取人はEさんでした。

この家族で法定相続人になるのは、妻のEさんと子ども2人の合計3人です。死亡保険金の非課税限度額は、500万円×3人=1,500万円となります。受け取った金額とちょうど同じだったため、Eさんは「これで相続時に使える非課税の枠はなくなった」と考えました。

しかし、その後に新たなお金の話が出てきます。夫の勤務先から、死亡退職金として1,200万円を支給するとの連絡が届いたのです。

保険金と退職金を合わせれば2,700万円になります。Eさんは「1,500万円を超えた1,200万円は、そのまま相続税の対象になるのでは」と心配になり、FPへ相談しました。

死亡退職金は保険金とは別に考える

ここで重要なのは、死亡保険金と死亡退職金を一緒に扱わないことです。

死亡保険金には、相続人が受け取った場合に、「500万円×法定相続人の数」という非課税限度額があります。

一方で、一定の死亡退職金にも、これとは別に同じ計算式による非課税限度額が設けられています。Eさんの家族は法定相続人が3人なので、死亡保険金では1,500万円、死亡退職金でも別に1,500万円が基準になります。

今回の死亡退職金は1,200万円です。そのため、要件を満たしていれば死亡退職金側の限度額に収まります。

たとえば支給額が1,800万円だった場合には、1,500万円を超える300万円が相続税を計算する際の対象になります。

2,700万円をまとめて計算しない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Eさんが受け取るのは、死亡保険金1,500万円と死亡退職金1,200万円です。合計だけを見ると2,700万円ですが、ここから非課税枠1,500万円を一度だけ差し引くわけではありません。

死亡保険金については、死亡保険金の制度を使って判定します。死亡退職金についても、退職金側に設けられた非課税制度を使って考えます。

今回の条件であれば、保険金1,500万円は保険金側の限度額以内、退職金1,200万円も退職金側の限度額以内です。

一方で、誰が受け取ったかも重要です。こうした非課税制度の対象になるのは、相続人が受け取った場合です。相続人ではない孫などが受け取った金額には、この非課税制度は使えません。

また、法定相続人が3人だからといって、1人につき1,500万円ずつ非課税になるわけでもありません。このケースなら、相続人全体で使える限度額が死亡保険金で1,500万円、死亡退職金でも別に1,500万円となります。

なお、死亡退職金は、原則として亡くなってから3年以内に支給額が決まったものが相続税の対象です。

受取額より先に「中身」を分ける

相続で複数のお金を受け取ると、すべてを合計して考えたくなります。ただ、税金の扱いはお金の種類によって異なります。

死亡保険金なのか、死亡退職金なのか。さらに、受取人は誰なのか。まずここを整理することが大切です。

Eさんのように合計2,700万円を受け取る場合でも、内訳を分けて見ると適用される制度が変わります。金額だけで判断せず、受け取ったお金の種類ごとに確認しておきたいところです。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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