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「軽率だった…」“相続金500万”を受け取った40代女性→住宅ローンの返済に回すが…年末調整で源泉徴収票を見て“絶句したワケ”

  • 2026.8.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、夫とペアローンで住宅ローンを組んでいる40代女性Aさんの体験談です。親の相続資金の一部を自分名義のローンの繰り上げ返済に使ったAさんが、年末調整で目にした数字とは。

ペアローンで、それぞれ別々に住宅ローン控除を受けていた

Aさんは45歳、会社員として時短勤務を続けています。夫も会社員です。子供は小学生で、まだ手のかかる年頃です。

自宅を購入した際、Aさんは夫とペアローンを組みました。それぞれが別々にローン契約を持ち、それぞれが住宅ローン控除を受ける形です。住宅ローン控除の控除率は入居した年によって異なり、Aさんが入居した2021年は1.0%でした(2024年以降の入居では原則0.7%)。

Aさんの年末残高はおよそ1,850万円で、前年の控除額は18万5,000円ほどでした。会社員のAさんと夫は、確定申告をせずとも、年末調整でこの控除を受けていました。

相続資金の一部を、ネットで自分名義のローンへ繰り上げ返済

その年、Aさんは親の相続で1,000万円を受け取りました。子供がまだ小学生で今後も教育費がかかることを考え、全額ではなく半分の500万円を、住宅ローンの繰り上げ返済に回すことにしました。

「少しでも早く完済したい」と考えたAさんは、深く考えずに自分名義のローンへその500万円を繰り上げ返済しました。返済期間そのものを短くする「期間短縮型」を選び、手続きはインターネットバンキングで完結。窓口に相談する機会がないまま、あっという間に手続きは終わりました。

「窓口に行かずに済んだので楽でしたが、そのぶん、誰かに確認してもらう機会もありませんでした」

年末調整の還付額を見て気づいた、自分だけの変化

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

その年の年末調整で、Aさんは源泉徴収票を見て、「あれ?」と手を止めました。住宅ローン控除による還付額が、前年より少なくなっていたのです。年が明けてから夫婦で源泉徴収票を見せ合うと、夫の還付額は前年と変わっていません。減っていたのは、Aさんの分だけでした。

別の用事で銀行を訪れた際、あわせて担当者に相談すると、繰り上げ返済によってAさんの年末残高は1,350万円ほどに、控除額は13万5,000円ほどとなり、前年より5万円ほど少なくなっていたことが分かりました。

ペアローンでは、それぞれの契約者が自分の年末残高に応じて控除を受けるため、繰り上げ返済した側の残高だけが減り、その分の控除だけが減る仕組みだったのです。

「自分の名義の分を返しただけなのに、まさか自分の還付額だけが減るなんて思いませんでした」とAさんは絶句していました。担当者からは、どちらの持分に充当するかによって夫婦それぞれの控除額の減り方が変わってくることが案内されました。

ただし、夫名義のローンに充てたほうが有利になりそうな場合でも、注意が必要だといいます。相続で受け取ったお金はAさん自身の財産のため、それを夫名義のローンに充てると、Aさんから夫への贈与とみなされることがあり、年間110万円を超える部分には贈与税がかかる可能性があるとのことでした。

「控除だけを見て、有利なほうに回せばいいわけではないんですね」とAさんは話します。

あわせて、相続した現金を使ってしまうと、あとから被相続人の借金などが見つかった場合に相続放棄ができなくなること(法定単純承認)も伝えられました。「幸い、父に借金の心配はなかったのですが、確認せずに使ってしまったのは、少し軽率だったかもしれません」

繰り上げ返済をする前に確認しておきたいこと

繰り上げ返済を検討する際には、以下の点について確認しておきましょう。

  • ペアローンでは、契約者それぞれが自分の年末残高に応じて住宅ローン控除を受け、控除率は入居した年によって異なる
  • 繰り上げ返済をすると、その名義のローン残高が減り、その人の控除額もあわせて減る
  • もう一方の名義に充てたほうが世帯全体で有利になる場合もあるが、配偶者名義への資金移動は贈与とみなされ、110万円を超えると贈与税がかかることがある
  • インターネットバンキングでの繰り上げ返済は手軽な反面、窓口で影響を確認する機会がないまま手続きが完了してしまう
  • 相続した現金などを使ってしまうと、あとから借金が見つかっても相続放棄ができなくなることがある(法定単純承認)

「早く返せば得」という思い込みだけで動く前に、控除への影響や贈与税、相続財産を使うことそのものの意味まで確認しておくことが、あとで後悔しない選択につながります。繰り上げ返済や相続財産の扱いで迷ったときは、手続きがネットで完結する場合でも、事前に金融機関の窓口や、弁護士・税理士に相談してみてください。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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