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“1,400万円”を2つの口座に分けた60代男性→「預金なら安全だ」と思いきや…2年後、FPに告げられた事実に“立ち尽くしたワケ”

  • 2026.8.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

退職金や長年の貯蓄がまとまって手元に残ると、「どこに置いておけば安心なのか」と悩む人もいます。値下がりを避けたいから預金を選ぶ、という考え方も一つです。

ただし、何となく預金なら安全だと思っていると、思わぬ勘違いにつながることがあります。今回紹介する66歳男性のAさんも、1,400万円を700万円ずつ2つの支店へ移し、「これなら万一のときも大丈夫」と考えていました。ところが、FPに預け先を伝えたところ、思っていたルールとは違うことを知ることになりました。

退職後に残した1,400万円 「減らさないこと」を最優先にしたAさん

Aさんが会社を退職したのは64歳のときです。それまでの貯蓄や退職金を整理した結果、老後に備えて手元に残しておきたいお金は1,400万円ほどありました。

66歳になった現在は、年金などで月約20万円の収入があります。生活費は月22万円ほどで、毎月大きく不足しているわけではありません。ただ、今後10年、20年と生活していくことを考えると、自宅の修繕費や医療費、介護費なども気になります。

そのためAさんは、「この1,400万円は積極的に増やすお金ではない」と考えていました。株や投資信託は値下がりすることもあるため、まずは銀行に置いておこうと決めたそうです。

一方で、以前どこかで聞いた「預金は1,000万円まで守られる」という話が頭に残っていました。

そこでAさんは、1,400万円をそのまま1つの口座に置かず、A支店の普通預金へ700万円、B支店の定期預金へ700万円と分けました。

「1つ700万円なら1,000万円を超えていない。しかも支店も違うから、両方とも守られるはず」

この考えで安心し、その状態を約2年間続けていたといいます。

「支店が別なら大丈夫?」 相談時に分かったAさんの勘違い

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんから老後資金の相談を受けた際、「預金は1カ所にまとめず、700万円ずつに分けています」と聞きました。

一見すると資金を分散しているように見えます。しかし、どこへ預けているのかを確認すると、A支店もB支店も同じ銀行でした。

そこで、「預金保険では支店の数ではなく、どの金融機関に預けているかで見るんです」と説明しました。

Aさんはしばらく考えたあと、「では、700万円ずつにした意味はなかったんですか」と立ち尽くしていました。

今回のポイントは、「2つの口座があること」と「2つの金融機関に分けていること」は同じではない、という点です。

Aさんの場合、普通預金と定期預金に分かれていても、預け先そのものは1つの銀行です。そのため、預金保険上は700万円と700万円を別々に見るわけではありません。

1,400万円のうち、保護の基準になるのはいくら?

利息が付く普通預金や定期預金などは、金融機関が破綻した場合、預金者1人につき1金融機関あたり元本1,000万円までと、その利息等が保護されます。

今回のAさんなら、普通預金700万円と定期預金700万円を合わせた1,400万円が判定の対象です。このうち元本1,000万円までと利息等が保護され、残る400万円は別の扱いになります。

ただし、「400万円がそのまま消える」という意味ではありません。1,000万円を超えた部分については、破綻した金融機関に残っている財産などに応じて支払われるため、結果として全部戻る場合もあれば、一部が戻らない場合もあります。

Aさんが思っていた「700万円ずつなら両方とも全額保護される」という考え方とは、ここが大きく異なります。

確認したいのは「口座数」より「預け先」

老後資金を預金で持つ場合、口座を何個に分けたかだけではなく、同じ金融機関に対象となる預金が合計いくらあるのかを確認することが大切です。

たとえば1,400万円を預金保険の範囲に収めることを重視するなら、ほかに対象となる預金がない前提で、別々の金融機関へ700万円ずつ預ける方法が考えられます。

なお、一定の条件を満たす決済用預金は全額保護される一方、外貨預金のように預金保険の対象にならないものもあります。

「2つに分けたから安心」ではなく、「どこに、合計いくら置いているのか」。まとまった預金がある人ほど、この視点で一度見直しておきたいところです。

※事例は制度を分かりやすく紹介するため、内容を一部調整しています。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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