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真夏の夜勤中、介護士「何かおかしい」→掛け布団から“見知らぬ電源コード”が伸びていて…発覚したヒヤリハット事例

  • 2026.8.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

真夏の高齢者施設では、室温管理や水分補給など、利用者様の体調管理に細やかな配慮が必要です。ある夜勤帯、安否確認中に介護士が気付いた「いつもと違う様子」。

そこには、低温やけどや脱水につながる可能性のある思わぬリスクが隠れていました。介護現場で実際にあった、ヒヤリハット事例をご紹介します。

夏の夜勤帯、安否確認で見つけた「小さな違和感」

これは、わたしが有料老人ホームで働いていた時の出来事です。

夏真っ盛りのある日の夜、わたしは夜勤業務に入っていました。

夜勤では、利用者様の睡眠を妨げないよう物音に注意し、必要最低限の明かりで安否確認を行います。

その際、眠られているかだけではなく、室温や夜間の水分摂取量、トイレに行かれた様子など、普段との違いがないかも確認します。

その夜、ある女性利用者様の居室へ安否確認に訪れた時のことです。

女性には軽度の認知症がありましたが、身の回りのことはご自身でされていました。居室内もきれいに整えられており、好きなものや日用品を大切に管理されている方でした。

女性は静かな寝息を立てて眠られていました。

暑い夏の夜でしたが、冷房の温度も適切に保たれています。

「異常なし」と確認し、退室しようとした時、「ある小さな変化」に気付きました。

いつもと違う布団の状態、その理由とは

「ある小さな変化」。それは、いつもなら胸元まで掛けて眠られている掛け布団が、その日は腰元まで下がっていたことでした。

「何かおかしい」

そう感じたわたしは、女性へ近づき、念のためベッド周辺を確認しました。

すると、掛け布団の足元から電気コードが伸びていることに気付きました。

暗い居室内では、近づかなければ見逃してしまうほどの小さな変化でした。

よく確認すると、足元には電気あんかが置かれていました。スイッチがついており、使用されている様子でした。

女性に静かに声を掛け、あんかの使用について伺うと、

「冷房にあたっていたら身体が冷えたから、あんかを使ってみたの。短時間だけと思ったけれど、そのまま寝ちゃったみたい」

と話してくださいました。

真夏でも注意が必要な、思わぬリスク

高齢者は加齢によって皮膚がデリケートになり、温度を感じる力も低下しやすいため、電気あんかによる低温やけどのリスクが高まります。

また、あんかの使用により体温の上昇や脱水につながり、体調を崩される可能性もあります。

すぐに血圧や体温などのバイタルサインを確認しましたが、幸い問題はありませんでした。

女性には温かいお茶を召し上がっていただき、電気あんかの使用は控えていただくようお伝えしました。

また、室温を調整し、冷房の風が直接身体に当たらないよう環境を整えました。

女性は安心された様子で、再びゆっくり休まれました。

朝まで体調に変化はなく、大事に至らずスタッフ一同ほっとしました。

小さな変化への気付きが事故予防につながる

今回の出来事は、熱中症や脱水、低温やけどなどにつながる可能性があったヒヤリハット事例でした。

「いつもと違う」という小さな変化に気付き、理由を確認できたことで、大きな事故を防ぐことができました。

夜勤は日中より介護士の人数が少なく、一つひとつの観察や判断が重要になります。

安否確認が毎日の業務として繰り返される中でも、利用者様一人ひとりの生活習慣や部屋での過ごし方、季節による変化に細かく目を向けることが大切です。

利用者様が安心して夜を過ごせるよう、小さな変化を見逃さないこと。

今回の経験を通して、介護士の「気付く力」が利用者様の安全を守ることにつながるのだと、改めて実感した出来事でした。


文:しまむら けいこ/介護福祉士・Webライター 

介護福祉士として10年以上、デイサービスや入所施設などさまざまな介護現場で経験を積む。現在も介護職として働くかたわら、Webライターとして活動。介護や暮らし、働き方について発信している。二児を育てるワーキングマザー。


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