1. トップ
  2. エピソード
  3. 国際線の機内で…手が震えている“常連の乗客”…サービス担当のCAが気づいた原因に「ハッとした」

国際線の機内で…手が震えている“常連の乗客”…サービス担当のCAが気づいた原因に「ハッとした」

  • 2026.8.24
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

飛行機に乗り慣れ、機内でスマートに過ごされている常連のお客様に対しては、私たちCAも「乗り慣れていらっしゃるから大丈夫」と、つい安心感を抱いてしまいがちです。

しかし、どれほど優雅に振る舞われていても、空の上という特殊な空間では誰もが不安を抱えていることがあります。

今回は、長時間の国際線フライトで出会ったあるお客様のエピソードから、固定観念にとらわれない「プロの観察眼とおもてなしの真髄」についてお話しします。

優雅に振る舞う常連のお客様が、必死に隠していた「意外な本音」とは。

揺れが予想された国際線。余裕を見せる「お客様」

それは、強い揺れが予想されていた長時間の国際線での出来事でした。

離陸して間もない頃から、たびたび激しい揺れに見舞われ、機内には終始緊張感が漂っていました。

そんな状況のなか、ビジネスクラスに搭乗されていたのが、常連のお客様であるA様です。

周囲が不安そうな表情を浮かべるなかでも落ち着いておられ、その優雅でスマートな立ち居振る舞いは、私たちCAにとっても安心感を覚えるほどでした。

しかし、お食事のサービスが中盤に差し掛かった頃、私たちはA様の「ある微かな変化」に気づきました。

提供したお食事にほとんど手をつけられておらず、どこか表情も冴えず、顔色も悪く見えたのです。

私たちは「体調を崩されたのかもしれない……」と、A様の体調不良を疑い始めました。

「思い込み」を捨てて見えたもの

しかしその後、お酒好きのA様は少しずつグラスを傾けられ、お酒が進むにつれて顔色も戻られたため、体調不良ではなさそうだということがわかりました。

そして改めて気にかけていると、強い揺れのたびにグラスを握る手が微かに震え、表情も強張っていることに気づいたのです。

「常連のお客様だから大丈夫」という思い込みを捨てたとき、A様は必死に揺れの怖さに耐えていらっしゃったのではないかとハッとしました。

私たちは揺れの話題には直接触れないよう配慮しながら、自然な会話を通して安心感を与えられるよう、そっと寄り添い続けました。

すると目的地が近づいた頃、A様はどこかホッとしたような穏やかな表情で「実は……」と、揺れに対する怖さを自ら打ち明けてくださったのです。

お客様の「声なき声」に耳を傾ける

到着し降機される際には、

「何度飛行機に乗っても揺れだけは慣れなくて……。でも、さりげなく声をかけてくれたから、すごく安心できたよ。ありがとう」

と、A様から感謝のお言葉をいただくことができました。

それは、どれほど飛行機に乗り慣れているお客様であっても、不安や恐怖を抱えている方はいらっしゃるのだと気づかされた瞬間でした。

だからこそ、表面上の立ち居振る舞いだけで判断するのではなく、お客様の「声なき声」や小さなサインを見逃さないことが大切なのです。

おもてなしの本質とは

私たちは、「乗り慣れている」「スマートに見える」といった表面上の印象に、ついとらわれてしまいがちです。

しかし、その奥にある「本音」に気づくこと。

それこそが、あらゆる場面において私たちCAが忘れてはならない「おもてなしの本質」なのだと実感した出来事でした。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ