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真夏に常温で15キロの“野菜”の配達するも…不在で持ち帰り。連絡がなく5日が経過してしまい→配達員が取った対応は?

  • 2026.9.3
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

夏になると、家庭菜園で採れた野菜や、実家から送られてくる旬のフルーツを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
おすそ分けとして宅配便を利用される方も、この時期は特に増える印象があります。

美味しいものを新鮮なうちに届けたい。そんな気持ちから利用される宅配便ですが、実は夏だからこそ気を付けたいポイントがいくつもあります。

今回は、現場で経験した二つの出来事を通して、夏の野菜や果物の配送についてお伝えしたいと思います。

野菜や果物は夏だからこそ気を付けたい

宅配便は荷物を預けてから、近距離のエリアであれば早ければ当日、大体は翌日に届きます。

離島など航空便や船便を利用する地域であれば一週間から二週間ほどかかることもありますが、多くの荷物は発送から数日で届けられており、各運送会社の企業努力がうかがえます。

しかし、本来であれば翌日配達のエリアであっても、必ずしも翌日に届くとは限りません。
輸送中のトラックのトラブルや交通渋滞、地震や台風などの天災といった想定外の出来事によって、荷物の到着が遅れてしまうこともあります。

また、受け取る方の都合を確認せずに発送することで、旅行や仕事による不在が続き、受け取りまでに時間がかかってしまうケースもあるのです。

スイカの荷物を担当したときのこと

ある夏の日のことです。

仕分けられた荷物の中に、四角い段ボールにスイカのイラストが描かれた箱がありました。まさかと思い伝票を確認すると、品名は「すいか」となっていました。

スイカは重さがあるうえに、丁寧に運ばないと割れてしまう、とても繊細な荷物です。
ナマモノでありながら割れ物でもあるという性質から、扱いには一層の注意が必要になります。

荷物同士がぶつかり合わないように、持つときに落とさないように、慎重に扱いながらお届けに向かう、気を遣う商品のひとつでした。

常温便と冷蔵便、それぞれの特徴

丸ごとのスイカは常温で発送することができます。
冷蔵便で送る方もいらっしゃいますが、丸ごとのスイカであれば、お届けまで2〜3日以内なら常温でも問題ない場合が多いです。

一方、カットスイカも発送は可能ですが、水分が多く含まれているため水漏れ対策をしっかり行うとともに、常温だとすぐに傷んでしまうため、必ず冷蔵便で送る必要があります。

冷蔵便で送った場合の日持ちは2〜3日ほどのため、到着後はお早めに味わっていただきたいところです。

Aさま宛ての野菜が戻ってきた日

またある日のことでした。

担当エリアのAさま宛てに、少し大きな常温の荷物が届きました。
箱は青果売り場で使うバナナの箱を再利用したもので、新聞紙で蓋をするように中身が覆われ、ビニール紐で縛られていました。重さは15キロほどはあるのではと思うほど、ずっしりとしていました。

品名は「野菜」。隙間からは葉っぱがちらりと見えていました。

伝票には午前中の指定がありましたが、少し心配なことがありました。
Aさまの家はよく再配達になるお宅だったのです。
夜であればいらっしゃるかもしれませんが、午前中は在宅率が低いお宅でした。

それでも伝票が午前指定だったため、9時半頃に伺いました。

本来2台あるはずの車は1台のみ。

もしかしたらいらっしゃるかもしれないと思い、チャイムを鳴らしてみましたが返事はなく、やはりご不在でした。仕方なく不在票を投函し、その場を後にしました。

これまでであれば午前中に不在でも、夕方には再配達の依頼が入るお宅でした。しかしその日はAさまからの連絡が入らず、夜の配達中に近くを通りかかっても家に明かりはついておらず、結局その日はお届けができませんでした。

翌日も、その翌日もAさまからの連絡はなく、荷物は営業所へ戻ってきました。

生野菜であればなおさら、中身の状態が気にかかります。
事務所を通じて差出人であるBさまに連絡を入れることになりました。

BさまからAさまへ連絡が入ったのか、ようやくAさまから翌々日の18時以降に再配達してほしいという指示が届きました。この時ですでにお届け予定日から5日ほど経っています。

通常であれば保管期限内ではあるものの、やはり中身の状態が心配になり、事務所から改めてBさまへ連絡してもらうことになりました。

営業所では対応できなかった理由

すると、「申し訳ないのですが、そちらの冷蔵庫で一時的に保管してもらうことはできませんか」という相談があったといいます。

しかし営業所の冷蔵庫は、あらかじめ冷蔵便として届いた荷物を保管するためのものです。

それらは追加料金を支払って冷蔵便として発送されている荷物です。
傷み始めている可能性がある荷物を他の冷蔵品と一緒に保管することは、衛生面から見ても難しいと判断しました。

加えて繁忙期で保管冷蔵庫がすでに埋まっていたこともあり、冷蔵保管をお断りすることになりました。

結果として、差出人であるBさまの判断で配達はキャンセルとなり、荷物は返送されることになりました。

夏場の常温発送、知っておきたいこと

野菜や果物を常温で発送すること自体は珍しいことではありません。

宅配便のルールとして、葉物野菜や果物を必ず冷蔵便で送らなければならないという強制的な決まりはなく、大手運送会社の宅急便約款等においても、生鮮食品の常温発送自体が全面的に禁止されているわけではありません。

しかし、気温が25度〜28度を超える時期は、傷みやすくなるため注意が必要です。

夏の配送トラックの荷台は、エアコンが届かず40度〜50度以上の高温になることがあります。

常温便で葉物野菜やデリケートな果物を送ると、わずか1日の移動でも蒸れて傷んでしまうことがあるのです。

配送窓口で品名に「野菜」「生鮮食品」と書くと、夏の時期はスタッフから「常温だと傷む可能性が高いですが、よろしいですか」と念押しされたり、冷蔵便への変更をすすめられたりすることがあります。

状態によっては引き受けを断られることもあるようです。

宅配便には荷物の破損に対する補償がありますが、夏場に常温で送った野菜が傷んでしまった場合、送り主が適切な温度管理(冷蔵便など)を選択しなかったとみなされることがあります。

一般的に運送各社の約款でも、荷物の性質や自然の消耗による損害は免責事項と定められていることが多いため、原則として損害賠償の対象外となるケースがほとんどです。

夏に野菜や果物を送るときのポイント

夏場に常温で送りやすい野菜としては、じゃがいもやさつまいも、玉ねぎ、かぼちゃなど根菜やイモ類が挙げられます。

一方で、トマトやきゅうり、なす、小松菜などの葉物野菜や果物類は、夏場に常温で送るとすぐに傷んでしまうため、冷蔵便を利用するのが安心です。

梱包の際は、ポリ袋の口を縛るなどして密閉することは野菜の呼吸を妨げてしまうため避け、新聞紙で包んだり段ボールの隙間に詰めたりして、通気性とクッション性を確保するとよいでしょう。

あわせて、翌日配達が可能な地域宛てにする、時間指定を活用するなど、できるだけ早く届く工夫も大切です。

どうしても常温で送りたい場合は、

・翌日午前中に確実に届く近隣地域宛てであること
・受け取る方が当日在宅であることを事前に確認しておくこと
・キャベツや白菜、玉ねぎなど比較的傷みにくい野菜を選ぶこと
・収穫直後で水分がついていない状態で梱包すること

など、条件を整えておくと安心です。

ほうれん草や小松菜、桃やぶどうなどは、夏場は冷蔵便を選ぶほうが、受け取る方に美味しい状態で届けられます。

万が一不在が続いてしまった場合、いくつかの選択肢があります。

ひとつは、そのまま受取人に受け取ってもらう方法です。この場合、受取人には「常温で日数が経ってしまったため、中の野菜が傷んでいる可能性が高い」ことを事前に伝えておくと親切です。

もうひとつは、配達を中止して送り主に返送してもらう方法です。ただし往復の送料がかかる場合があり、戻ってきた野菜も食べられない状態である可能性が高い点には注意が必要です。

そして三つ目は、受取人に代わって身内や職場など信頼できる代理人に受け取ってもらう方法です。

夏に野菜や果物を発送する際は、常温か冷蔵かの選択、そして受け取る方の在宅状況への配慮が、美味しさを届けるための大切なポイントになるようです。

発送する側は相手の予定をひと言確認してから送ること、受け取る側はできるだけ指定日時での受け取りを心がけることが、双方にとって安心につながるのではないでしょうか。

荷物のひとつひとつには送り主の想いが込められています。
現役の宅配員たちと、荷物を受け取るお客様との間に、これからも温かいやり取りが続いていくことを願っています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた"宅配のリアル"を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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