1. トップ
  2. エピソード
  3. 「お下がりある?」と送ってくるママ友に、私は数日返信できずにいた話

「お下がりある?」と送ってくるママ友に、私は数日返信できずにいた話

  • 2026.7.27
ハウコレ

数日返信できずにいた私に、共通のママ友がその家の別の事情を教えてくれました。

畳み分けた息子の服を紙袋に入れたのは、その日の翌日でした。娘用に取っておいた息子の服の箱に手を入れたところで、ママ友から「お下がりある?」というメッセージが届きました。

娘のために取ってあった段ボール箱

「そういえば、お下がりある?もし要らないやつあったら、分けてほしいなって…」。文面はやわらかいけれど、私にはすぐに返信を打てない一言でした。息子は3歳、娘はまだ半年で、娘の洗い替えは足りていて、箱の中身は今すぐ要るものではありません。しかし息子が着なくなったものから、色や柄が娘にも合いそうなシャツや上着を選んで、リビングの隅の段ボール箱に取っておいたのです。そのママ友には2歳の息子さんがいて、うちの息子と体格が近い。渡せるものが手元にないわけではありません。それでも私は、箱に戻しかけた息子のシャツを膝に置いたまま、今日はまだ返信しないと決めました。

3通目のあとに、私が閉めたもの

翌日の昼、まだ返信を打てずにいた画面に、2通目が届きました。「ごめん、変なこと聞いちゃった。忘れて」。短い謝罪の一言でした。私はあわてて「あ、ううん、大丈夫だよ」とだけ言って送りました。短い返信を送ってから、少し経って3通目が届きます。「もし本当に迷惑じゃなかったら、少しでいいから…」。読むほどに、遠慮より押しの強さのほうが目に残りました。この人は、私の遠回しの拒否が届いていないのだ。そう思ったとき、段ボール箱の中の息子のシャツが、頭の中でひときわ大きくなりました。私は返信を打たないまま、段ボール箱の蓋を、両手でしっかり閉めました。

別のママ友からの1通

3通目に返信しないままの週の後半、別のママ友から短いメッセージが来ました。「あのお家、パートを減らされたらしいよ。最近、物価高で家計が苦しいらしい」。責める調子でも、気を使う調子でもない、事実だけの一言でした。私は箱の中の息子の服を、もう1度全部出しました。娘に着せると決めていた思い出のロンパースと、色柄が娘に似合いそうなシャツを数枚取り分けたあと、残った分を洗い直しました。乾いたのは翌日の朝、私はあのママ友の家の玄関に置くつもりで、服を畳み袋の口を結んで、玄関の内側に置きました。それを伝えるメッセージは、まだ打っていません。

そして...

翌日、私はあのママ友の家のドアの前に、紙袋を置きました。「これでよかったら」の一言だけ、送信しました。返信は、しばらくして、「ありがとう、助かる」の短い一言で返ってきました。娘用に残しておきたいと思ってきた服が、袋1つ分減っても娘の分は足りることに、私はやっと気付きました。共通のママ友からの一言がなければ、私はまだ返信を打てないままだったと思います。あのママ友が「お下がりある?」と最初に打つとき、下書きを何度も書いては消していたのだろうと、今なら想像できます。

(30代女性・専業主婦)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ