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「今の時代、育児は簡単でしょ」母を亡くし頼る人がいない中、育ててきた妻。だが、義母の信じられない一言に絶句

  • 2026.7.23

聞ける相手がいないまま迎えた出産

妊娠が分かったとき、まっさきに浮かんだのは、もう母がいないという事実でした。

頼れる実家はなく、身近に育児の先輩もいません。しかも、人に会うことがままならない時期でした。

両親学級は中止、産院の面会もなし。

陣痛から出産まで、ずっとひとりきりです。

退院してからも、家に来てくれる人はいませんでした。

夜中に子どもが泣きやまないとき、片手でスマホを検索しながら、画面の向こうの誰かに答えを探すしかなかったのです。

(お母さんなら、なんて言うんだろう)

離乳食が始まると、分からないことはもっと増えました。かたさ、量、進める順番。ノートに一つずつ書き出して、手探りで進めていきました。

スプーンを置いて返した言葉

子どもが一歳を過ぎ、ようやく息をつけたころ。久しぶりに義母が家へ来ました。

義母は子どもの器をのぞき込むと、笑いながら言ったのです。

「今の時代、育児は簡単でしょ」

私はスプーンを置きました。

あの日までなら「そうですね」と笑って流していたと思います。

「簡単じゃなかったです」

「相談できる母もいないなか、ひとりで全部やってきました」

義母の笑い声が、途中で止まりました。

「そんな、深い意味で言ったわけじゃ…」

「深い意味がなくても、言われた側には残ります」

義母は何か続けようとして、手元の湯呑みに視線を落としました。

器を持つ指が、置き場所を探すように動いています。

台所から出てきた夫が、静かに口を挟みました。

「母さん、それは言っていいことじゃないよ」

「この一年、俺よりずっと踏ん張ってきたのは妻だ」

義母は長いこと黙ったあと、膝に手を置いて頭を下げました。

「ごめんなさい。何も知らないで言ったわ」

義母が謝るところを見たのは、それが初めてでした。

「気にしないでください、とは言えません。でも、言えてよかったです」

私がそう返すと、義母はうなずいて、それきり黙って子どもを見ていました。

あの日から、義母の物言いはすっかり変わりました。会えば「大変だったでしょう」と先に聞き、帰り際には必ず「無理しないでね」と言い残していきます。

先日は、離乳食の本を抱えて現れました。

「これ、今どきのやり方なんですって。わたしも知らないことばかりで」

「じゃあ、一緒に読みましょう」

そう言うと義母は本を開いて、子どもの隣にちょこんと座り込みました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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