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「まあ、お正月だから」ハメを外しすぎた義弟の嫁。だが、義父の一喝で空気が凍りつく

  • 2026.7.23

戸棚から出てきた、義母の一本

義弟が結婚して初めての正月でした。

赤ちゃんを連れて挨拶に来ると聞いて、義母は前の日から張り切っておせちを詰めていたのです。

ところが、当日の台所に立っていたのは義母と私だけでした。

義弟の嫁は座敷から一歩も動きません。

「お義姉さん、お皿もう一枚もらえます?」

頼まれるのは自分のぶんだけ。赤ちゃんは義弟がずっと抱いていました。

「お義母さん、それも一緒に運んでもらえます?」

自分の取り皿を差し出しながら、彼女は一度も腰を上げません。義母は何も言わず、その皿を受け取っていました。

乾杯が済んで30分もしないうちに、彼女は自分でビールを2本空け、勝手に戸棚を開け始めます。

取り出したのは、義母が年に数回だけ楽しみに飲んでいたウィスキーでした。

「そのウィスキー、こっちによこせ」

義父が止める間もなく、彼女はグラスにたっぷり注ぎました。

義母の顔がこわばったのを、私は見逃していません。

「まあ、お正月だから」

義母はそう言って笑おうとしていました。けれどその一本は、義母が何年もかけて少しずつ味わっていたものだったのです。

義父が座卓に置いた手

足元がふらつき始めた頃から、彼女の口調が変わりました。

「ねえ、この煮物さ、味濃くない?」

義母の名前を呼び捨てにして、同じダメ出しを何度も繰り返します。指摘のたびに笑い声が大きくなり、座敷の空気が固まっていきました。

矛先は義兄や義姉にも向きます。全員を呼び捨てにして、絡み続けたのです。

「みんな真面目すぎるんだって」

誰も返事をしません。義弟は赤ちゃんを抱いたまま、うつむいていました。

そのとき、ずっと黙っていた義父が、座卓に静かに手を置きました。

「そこまでだ」

低い声が、座敷の隅まで届きます。

「人の家の台所に手も貸さず、人の酒を空けて、その家の者を呼び捨てにする。うちではそれを楽しい正月とは言わない」

彼女の笑い声が、ぴたりと止まりました。グラスを持った手が止まり、言い返そうと口を開いて、そのまま声にならずに閉じます。

ゆっくりとグラスを座卓に戻し、視線を畳に落としました。

義姉が小さくうなずき、隣で義兄が「そうだよ」と一言だけ添えます。

「気にしないで」とは、義母も誰も言いませんでした。義母はただ、静かにウィスキーの蓋を閉めて戸棚へ戻したのです。

翌年の正月、彼女は一番に台所へ入ってきました。

「お義母さん、何から手伝えばいいですか」

敬語になった呼び方と、一杯だけで止めたグラス。義父の前を通るとき、彼女は今も少しだけ背筋を伸ばします。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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