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「3千円くらいで、気にしすぎでしょ」節約したいと伝えても軽く流された夫。だが、数字で示した現実に絶句

  • 2026.7.19

会計の音が止まった後で

休日のスーパー。会計の音が止まり、画面に出た数字を見て、俺は言葉を飲み込みました。

夕食の材料を買いに来ただけのはずでした。それが、カゴの中身は倍近くに膨らんでいたのです。肉と野菜の上に、半額の総菜が三つ、菓子の袋がいくつも重なっています。

「そんなに変わらないでしょ」

妻はレジ袋を受け取りながら、そう言いました。

店に入る前、俺は確かに伝えていたのです。

「今週は節約したいから、必要なものだけにしよう」

それでも妻の手は止まりませんでした。総菜のパック、菓子、特売の調味料。棚を通るたびに、カゴへ放り込んでいくのです。

「安いんだから、買っておいた方が得だよ」

その理屈が、毎週繰り返されていました。半額の札が貼られた総菜、使いかけがまだ残っている洗剤の詰め替え。

得だと言いながら、家の棚は使い切れないもので埋まっていくのです。

「3千円くらいで、気にしすぎでしょ」

そう言われると、こちらが小さい人間になったようで、いつも黙るしかなかったのです。

予算の話を切り出せば、決まって空気が重くなりました。だから途中でやめる。その繰り返しで、何ヶ月も過ぎていました。

返ってくる言葉も、毎回同じだったのです。

「そんな細かいこと、いちいち言わないでよ」

俺の言葉は、いつも空気のように流されていったのでした。

俺が食卓に置いた一枚

家に帰ってから、俺は買った物を冷蔵庫にしまい、それからレシートを食卓に置きました。長い一枚が、テーブルの端から垂れ下がります。

「今週の買い物の予算は1万。ここ、いくらになってる?」

妻が渋々といった様子で、椅子から身を乗り出して覗き込みます。

「……1万3千円」

「差は3千円。毎週これが続くと、月に1万2千円だ」

妻の表情が固まりました。

「年に直すと、14万4千円。家族で旅行に行ける額なんだよ」

何か言い返そうと口を開きかけ、けれど声になりません。妻はレシートの数字を目で追い、やがて椅子に座り込んで黙ってしまったのです。

「……気にしすぎだって、言っちゃったね」

「一回なら気にしすぎだよ。毎週だから、話が変わるんだ」

妻はしばらく紙を見つめてから、小さくうなずきました。

「次からは、気をつけて買おう」

その日から、冷蔵庫には、その週の予算を書いた紙が貼ってあります。

次の休み、妻はカゴに入れかけた菓子を、自分から棚へ戻しました。レジを通った合計は、決めた額の内側にきちんと収まっていたのでした。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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