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「はい、お誕生日おめでとう」毎年、贈り物を渡し合ってたママ友。突如、贈り物をくれなくなったママ友の見たくなかった一面とは

  • 2026.7.14

当たり前だった贈り合い

ママ友の一人とは、毎年おたがいの誕生日にプレゼントを交換していた。

特別高価なものではない。ちょっといい紅茶や焼き菓子を選んで、包んで渡す。

それだけのことが、長いあいだ続く小さな習慣になっていた。

包みを開ける瞬間の、あの少しくすぐったい気持ちが、私は毎年ひそかに楽しみだった。

「毎年ありがとうね。この時期になると、あなたのこと思い出すよ」

「私もだよ。何あげようか考えるの、けっこう楽しいの」

そんな言葉を交わすたび、この人とは長く付き合っていくのだろうと思っていた。

ところがその年、私の誕生日は、何ごともなく過ぎていった。

「今年はなんだか、ばたばたしてるのかもね」

自分にそう言い聞かせた。

それでも、こちらは彼女の誕生日にきちんと贈っていたから、胸の隅に小さな引っかかりが残った。

「はい、お誕生日おめでとう。今年もいい一年にね」

私が包みを渡すと、彼女は「ありがとう、気を使わせちゃったね」と受け取った。

それきり、お返しの話は出なかった。

直接問いただすのも大人げない気がして、私は何も聞けないままでいた。

偶然見てしまった光景

半年ほどたった頃、買い物帰りの道で、彼女とばったり出くわした。

彼女は、別のママ友と並んで歩きながら、小さな包みを差し出しているところだった。

二人の間には、いつか私と彼女の間にもあった、気のおけない空気が流れていた。

「これ、美味しいから食べて」

そんな声が、風に乗って私の耳に届いた。

気取らない、けれど楽しげな響きだった。

「わあ、ありがとう。うれしい」

受け取った相手の弾んだ声まで聞こえてくる。

その瞬間、彼女がこちらに気づいた。ほんの一拍、ばつが悪そうに視線が泳ぐ。

「あ、どうも」

「……どうも」

結局、それだけの言葉を交わして、私たちはすれ違った。

贈り物が途切れたのは、忘れられていたからではなかった。

ただ、彼女の中で、私の順番が静かに終わっただけだったのだ。

家に着いてから、私は来年のカレンダーに書き込んでいた彼女の誕生日を、そっと消した。

もう、追いかけるのはやめようと思った。

今も関係が切れたわけではない。道で会えば会釈をするし、当たり障りのない話もする。

けれど、誕生日の話題だけは、どちらの口からも上らなくなった。

誰と何を贈り合うかは、その人の自由だ。頭ではわかっていても、長く続いたものが静かに終わる瞬間は、やはり少しだけこたえた。

踏み込まず、期待もせず、会釈だけで済ませる。

その距離のほうが、今の私にはずっと楽なのだと、言い聞かせながら歩いている。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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