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サボテンすら枯らしてきたズボラ人間でも楽しめる! 小さなガラス容器の中に癒やしの森を育てる「苔テラリウム」の世界【書評】

  • 2026.7.11

【漫画】本編を読む

『ズボラでもできた 小さな緑で心が潤うお部屋づくり 苔テラリウムはじめました』(タソ:著、石河英作:監修/KADOKAWA)は、「植物を育てるのは難しそう」「自分はズボラだから無理」と思っている人に刺さる、超初心者向け園芸コミックエッセイだ。そのタイトル通り本作の魅力は「完璧じゃなくても楽しめる」という気楽さにある。

著者のタソ氏は、もともと植物育成が得意ではない。むしろサボテンすらも枯らしてしまいがちなタイプだ。そんな彼女が「苔テラリウム」と出会う。ガラス容器の中に小さな自然を閉じ込めるように作る苔の世界。その静かな美しさと、ズボラでも意外と育てられる手軽さに惹かれて少しずつハマっていくのだ。

「また丁寧な暮らしか……」と、一瞬引いてしまう人もいるだろう。近年、植物やインテリアをテーマにした作品では、整いすぎた生活が描かれることも多い。しかし、タソ氏はあくまで「普通にズボラ」である。実際、苔テラリウムを始めた当初はカビを生やしてしまったり、枯れさせてしまったりと失敗の連続だ。その姿には「あるある」と共感できる点が多く、親しみを覚える人も多いはずだ。

もちろん、苔テラリウムの魅力も十分に伝わってくる。タソ氏は偶然出会ったワークショップでのレクチャーを通じて徐々に知識を増やしてステップアップしていく。苔を育てる時間の中でタソ氏の心が少しずつ整っていく様子や、ゲームばかりだった子どもと一緒に苔の成長を楽しむなど、小さなガラス容器の中には収まらない、苔の世界が持つ魅力がたっぷり詰め込まれている。

趣味は「ちゃんとやらなきゃ」と思ってしまった途端、つまらなくなって続かなくなることがある。だが本作に紹介されている苔は、ズボラなくらいでちょうどいいのかもしれない。これまでいくつも趣味を乗り換えてきた人も、読後にはきっと、この小さくて奥深い世界をのぞいてみたくなるはずだ。

文=七井レコア

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