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【二宮和也】「もし今後撮るとしたら無声映画を撮りたい」人生の一本として二宮が選んだ作品とは?【全文掲載】

  • 2026.7.9

映画業界を盛り上げるべく、若手の映画関係者のアイデアで始動したシークレットシネマ“幕が開くまでタイトルは「秘密」“というキャッチコピーのもと、何が上映されるのか知らない状態で映画館に行くという斬新なアイデアが形に。今回初代アンバサダーとして二宮和也さんが就任。二宮さんの選んだ作品は『リバー、流れないでよ』と明らかになった今、改めて上映前のトークショーの内容を振り返ればたくさんの発見があるはず。最後まで要チェックです♡

――会場には満員のお客様と今日は全国300以上の劇場で繋がっております。

いや、ほんとにすごいですよね。ここだけでもたくさんの人がいらっしゃって。そう、全国の皆さんもね。

(中継カメラに向かって)全国~!

――まずは改めて一言ご挨拶をお願いいたします。

本日はお集まりいただきまして本当にありがとうございます。このテーマ通り、二宮和也が選んだ人生の1本を特別上映ということで……

――軽く笑いながらでも大丈夫ですか?

いやいや、自分でもよくこの壇上に登ったなと思ってます。どうかお手柔らかによろしくお願いいたします。

――改めて今回のイベントは映画業界の未来を担っていく若手の皆さんが、どんな企画を出したら1番映画館に足を運んでみたくなるかというアイデアで1位をとった企画です。

素晴らしい!

――その素晴らしい中で白羽の矢が立ったのが二宮さんでした。

まあまあ、そうですよね。オファーが。

――二宮さんに伺ったところ“やろうか”と二つ返事でお返事をされたんですよね?

いや、正直な話ですよ。正直な話は嫌ですよ。こういうのって映画偏差値みたいなものがとらわれるじゃないですか。こいつのセンス、みたいな。普段偉そうなこと言ってるけれどこれなんだみたいなことを、やっぱりすかされてしまう側なので。

――客席も一体どんな1本を用意してくれてるのか、わくわくした空気感ですね。

(そういった)感じじゃないですか。それに想像するわけですよ。このオファーをいただいた時に。だから嫌だなと思いましたよ。ただ、若手の人たちが映画館に足を運んでもらうためにってなった時にこういったことをやるのって……それはもう40代に入ったわけだから、嫌々言ってられないんだろうと。ただやっぱりこういう企画なので、何が始まるか、この映画がかかるまでわからないっていうことで言うと、このワクワクを皆さんにどう共有してもらおうかっていうのは、すごく非常に考えました。

――だからこそ二宮さんであれば“おっ”となる映画を選んでくれそうだという思いもあってのオファーだったのかと。

しかもどうやったら映画館に足を運んでもらえるかっていうのは、本当にこんな大きなところでやると思ってなかったんですよ。こじんまりというか、みんなで集まって秘密事じゃないけれども、こういうのを共有して、映画館に行くってこういうことなんだなっていう、その共犯関係を結ぶ最初のスタートのきっかけかなと思ってたから。自分もその企画に則った感じの作品を選ばせていただいたんですけど、全国でも中継をしてもらって。

「シークレットシネマ」2026年6月25日(木)開催 Ⓒ 「映画館に行こう!」実行委員会

――SNSでも発表になった瞬間から二宮さんが何の映画を選ぶのか考察合戦が始まりました。

本当に今回も300以上の全国でやってるから、本当に自分が出たのを選んどきゃよかったなと思ってます。

――今ヒントがあったように、その考察もありました。

いや、ほんとにね! ほんとにそう! こんなに大規模になるのだったら、やればよかった!

――もう1回再上映になりますからね。

ちきしょーです。だからもうほんとに僕がユーザーとして出会った作品を皆さんにご紹介できたらなっていう風に思ってました。

――二宮さんが出演される映画の舞台挨拶では映画館に足を運んでもらって、映画業界全体に盛り上がってほしいと必ずお話されますよね。

そうですね、それは。でもやっぱりほんとに自分がよく見られたい、で言ってる可能性もあります(笑)本当に出会いで、街を歩いていてすれ違う人と同じように、毎週映画ってどこかで絶対新しいのが始まってて、どこかで終わっていくんですよ。っていうのは、映画館に行かないとわからないし、また自分が好きな、そのお目当てにしていた映画がどこのスクリーンでかかってるかとかっていう愛情もそうですけども。挨拶できない映画もあるんです。舞台挨拶ができる映画っていうのは本当に限られてるし。でも舞台挨拶をしていない映画が公開されていても、同じ人数、人たちは関わっていて。その熱量っていうのは一緒だから楽しんでもらいたいなっていうのはありますよね。それは常にあります。

「シークレットシネマ」2026年6月25日(木)開催 Ⓒ 「映画館に行こう!」実行委員会

――今回、シークレットシネマのアンバサダーである二宮さんが今だからこそ劇場の大きなスクリーンで見てほしい人生の1本をこの後上映します。こちらはどういう基準で選びましたか?

何がかかるかわからないっていうもので言うと、色々な選定基準じゃないんですけど、あったんですよ。新作を流すわけではないので。いわゆる今世の中にある作品の中から選ばせていただくっていうことで言うと、もちろん知ってる方もいらっしゃるだろうし、知らない方もいらっしゃるだろうし。映画館で見た人もいれば、配信で見ている人もいるかもしれないしとか、色んな背景があったんですけど。やはり僕は始まった瞬間にこの作品なんだっていうことを、みんなで今無作為でいる人たちで共有するっていうところが、映画のすごいいいところだと思っているので。

――色々なところから集まった方々が1つの空間で、同じ映画を見ることがポイントですね。

そうなんです。その時に同じ瞬間に笑えたりとか、同じ瞬間に泣けたりとか、キュンとしたりとか。その感動、感情を一緒に共有できる可能性があるというのは、すごく映画の醍醐味だと思っているので、なるべく楽しいというか……楽しい作品を選んだつもりです。

――シークレットシネマの情報解禁直後から公式Xを中心に大反響で考察合戦も始まりました。本日は二宮さんに映画に関して今聞きたいことというテーマで公式Xに寄せられた質問に答えていただきます。

ええ! なんかすごい! もう映画界で随分な立ち位置にいるんですね、私。恐ろしいな(笑)

――シークレットシネマ初代アンバサダーですからね。

(会場からは拍手が)

あーもうごめんなさい。許してください。

――こんな質問が来ておりました。二宮さんは映画を見に行くとき、選ぶときはどんなことを基準に選ばれていますか?

僕は基本的に1人で見て楽しめるかどうかっていうのが結構重要かなと思ってます。基本的には僕は映画館は1人で行く派ですね。割とそれはすごく多かったかもしれないな、選ぶ中で言うと。あと自分の作品が公開されればもちろん自分の作品も見に行きますし。

――それはそっと後ろの方で見つからないように見るのか、あえて大きな声で笑ってみるのかどちらでしょう?

でもどうだろう。割と僕は作っている側の人間の特権と言いますか。やはりこのお客さんと一緒にこの作ったものを見て、そこでダイレクトに評価を受けるっていうことで、1つの作品は完成すると思っているので。ほんと自分のも見に行くし。あとはもう時間帯ですね。今やっていて、今入れるところっていうのは、割と出会うきっかけとしては非常に素晴らしいと僕個人的には思っているので。もちろん見にめがけていくことも素晴らしいですけれど。そういう偶発的な出会いを求めているかもしれないですね。

――映画の好みというのは、年齢を経るに従って変わってきたりしましたか?

変わってきてますね。広がってると言ったらいいのか。これなかなか表現が難しいんですけど。言わない方がいっか。でもね、違うんだよ。言わない方がいい気がする。でもそうだよね……俺が後で批判を受ければいいって話だから。

若い頃ってもうちょっとコスパを重視していたんですよ。それって自分の映画を見に行くことに対しての打率を上げたいというか。そこにすごく固執していた部分があって。でも今はいいものを知るには、悪いものも知らなきゃいけないんですよ。ってことで言うと、僕は割とそういった世間的な評価が著しくないと言われているような作品でも……

――言葉を選びすぎて日本語がおかしくなってきています!

でもそれも1つ、やっぱり映画として重要なんですよね。それはすごく思っているので、本当に大事にしている部分かな。入ったものが面白かろうと面白くなかろうと、その評価を皆さんと一緒に共有するっていうのは大事だし、だからこそ自分とすごく趣味思考があった作品に出会った時に、より解像度よく見えるっていうのはあるかもしれないですね。

――続いての質問は役者、スタッフ、観客の目線を持つ二宮さんが映画を見る時、つい注目してしまうポイントはどこですか? 素直に見られますか?

やばいね、すーごい。素直に見れますよ! 当たり前じゃないか。

――ここでこういう演出なんだとか、今ここで監督からこういう指示が入ったのかとかは気になりますか?

そんな、そんな。滅相もない。でも役者さんのお芝居は見ますね。すごくこの人の魅力だったりなんだったりとかっていうことを、割と探ることは多いかもしれないですね。一緒にやってみたいのはもちろんそうだけど、この人でこれを見てみたいとかでいうと、今度この映画館で出会った役者さんを深掘りするためにやっぱり配信があったりと思っているので。

――他にどんな映画に出てらっしゃるんだろうといったことですか?

そうそう。そういうことで言うと配信もこの世の中必要なものの1つだと思っているので、そこがより深みが出てくる感じがしているので、割とそういうトレースの仕方はあるかもしれないですね。

――俺だったらこういう風に撮るな!とかはありますか?

いやいや、素晴らしい。私の考えではなかった素晴らしいものだったっていつも思っています。

――映画を見るとますます自分でもいつか映画を撮ってみたいという気持ちになりますか?

そうですね。映画もそうですけど、色んな配信もそうだし、ドラマもそうだし、もちろん演劇もそうだし。俯瞰でものを見ることっていうのはチャレンジしたいなと思いますね。

――どんな映画を撮ってみたいなど思いはありますか?

色々考えますね。別にそれがどうしてもやりたいってわけじゃないんですけど、色んな映画が存在しているので。それこそそこの幅を広げるという意味でもそうですし、作品としても、うまくちゃんと段取りができれば無声映画をやってみたいなとは思います。

――無声映画ですか。

だめ?

――逆にとても意外でした。

映画館に行って、テレビとか見ててもそうですけど。やっぱり出ない方が見るんですよ。テレビとかもそうだけど、情報量が多すぎるから。喋っている人もいれば、それにテロップが出て音楽が鳴ってとか。説明が出てきてとかあるけど。テレビから音が出ないっていうことはある種の異常事態なわけであって。どうした?となることをみんなで共有するという点で言うと、映画で無声はなかなかチャレンジだなと思ってますけどね。

――では、今日選んだのは無声映画ですか?

なるほど! どうでしょう!

――いつまでも音も声も出ないけどこの映画は……となるかと思いますが、二宮監督なら無声映画を撮るかもしれないですね。

まあ、なりますよね。それはもうチャレンジかなと。ちゃんと段取りを組むのは大事かなと思ってます。

――さて、観客の皆さんが作品を見終わった後に、上映前のイベントで二宮さんが話していたのはこのことかと答え合わせができるようなちょっとしたヒントをいただけますか? 今の時点ではご自身が出ていない、無声映画ではない映画という2点です。

そうですね。今のところ情報はそれしかない。

――3つの質問に直感でお答えいただければと思います。まずはこの映画、二宮さんが誰かと見るとしたら、誰と見たいですか? 1人で見たいですか?

1人で見ると思いますし、不特定多数のまさにこの今の状態で見るにはとても楽しめてもらえるんじゃないかなと勝手に思ってます。

――2つ目はネタバレになるのかもしれませんが、注目してほしいシーンはどこですか?

全体なんですけど。構造的に、構成的にオープニングとエンディングと分けるとすると、オープニングとエンディングは基本的にはあるんですけど。その中身と言いますか。多分見ていただけたらわかると思うんですけど、急に世界観が変わる瞬間が訪れるんです。そこからのくだりは本当に見ていただきたいなというお気に入りのシーンというか、構成です。

――最後もネタバレになるかもしれませんが、この作品のキーワードは何ですか?

キーワードか。僕は没入感ですかね。

「シークレットシネマ」2026年6月25日(木)開催 Ⓒ 「映画館に行こう!」実行委員会

――質問は以上です。お答えを振り返っていくと、まずはやっぱり1人で見るということですが、そっと後ろからどういうところで反応するのか見てみたいですか?

うん、見てみたいし、どれぐらいの方が知っているのかっていうのも、かかった瞬間じゃないとわからないじゃないですか。漏れる息とかで、知ってる方はこんなにいるんだとかっていうこととか、知らない人もいるんだとかっていうことを。

――今のヒントですとみんなが“はいはい”という映画ではないのかなと。

僕的には“はいはい”なんですけど、それこそあげさせていただいた時に、すごい新鮮でしたみたいなことをシークレットシネマの実行委員の方にすごく言われて。さも上がってくるとは思いませんでしたみたいな感じのお返事だったので。俺的には結構いろんなところでその話も聞いたりするし、評判も聞いているので当たり前になってましたね。

――実行委員の方々からも二宮さんの映画はなるほどねといった感想を聞きました。

もうやめましょ、やめましょう!

――続いて、注目シーンは構成がぐるっと変わった時に、これが二宮さんが言っていたことだなと感じられるシーンがあるんですか?

非常に演劇的なんですよ。昔ウチの人(大野智)もやっていましたけど『青木さん家の奥さん』っていう舞台があるんですけど、それはもう頭と休憩前と休憩後とエンディングだけ決まっていて、中身は基本的にアドリブで展開していく演劇なんです。それにすごく映像として近しい構造になっていて。僕はオープニング終わってからの、物語に入ってからの没入感というもので言うと、それに繋がるんですけど。一緒に追体験するような構成になっているので、それをずっと見ていただけると。だんだんと……言ってしまえば旅館の話なんですよ。

(会場にざわつきが)

……ダメ?

――今急に狭まりましたね。

そう、そうだよね。で、まあまあ旅館の話なんですけど。ただその旅館の話っていうことではなくて、ほんとに一緒に追体験できるような構造になっていて。どんどんどんどんどん見ていくと、どこに何があって、どこにあれがあって、それがあってこうなってどうなってって、町も含めて、その関係値が分かってくると、人間ってすごく没入していくんですよ。別に変な孤独志向がなくても、ここでここまで上がっていくまでにこれだけ時間かかってとか、こっからここに行くのにどれだけやってっていう。で、ここに誰がいてとかっていうことがわかってくると、どんどんどんどん立体的になってくるんですよね。それが非常に面白いなと思ったし、構成的にはほんとにそういったものってめちゃくちゃ作る方としてはチャレンジなんですよ。もっと安パイに作れるはずなのに、そうしちゃったら意味がないっていうような作品なんです。

――それが3つ目の質問のお答え、没入観に繋がりますね。

なので、それを味わっていただくには羨ましいです。こんなにおっきなスクリーンで、こんなにも大勢の方ともちろん全国の皆さんもそうですけども。これを一緒に見られるっていうのは。

――特にまっさらな状態で初めての方もいらっしゃると思います。

もしかしたらいる可能性もあるので。どういった感想がみんなの中で生まれるのかっていうのは、見終わった後ぜひ知りたい。

――最後にこれから作品をご覧になる皆さんに一言いただければと思います。

本当にこんなに自分が出ていない作品なのに緊張するのは初めてで、どうかほんとに受け入れていただきたいと思いますし、公開が終わった後にはね。二宮いいセンスしてんなっていうのを嘘でもいいからほんとにポストしていただきたいと思います。
映画もそうだし、趣味娯楽っていうものは全てそうだと思うんですけれども、自分の好き嫌いだけで特化するのもありだし、好きも嫌いも食ってみて初めて自分の趣味趣向っていうのがわかると思うので、いろんな作品に出会っていただきたいなという風に思っています。僕はやっぱり自分が出てる映画もそうですけど、その映画に出てる人たちがまた一緒に共演していた方が、もしかしたら翌週には新しい作品に出たりするかもしれないんですけれども、そういうのも縁だと思って出会っていただきたいと思ってますし、また今日見ていただく映画ももちろんね、存じ上げている人もいるかもしれないけども、もし知らなかったら、こういう人たちが何を作っているのかというのを深追いしてみても非常に面白い作品がたくさんありますので。その幅を広げるためにも今日ぜひ楽しんでいただければなと思いますし、またこの映画というものを映画館で見る良さっていうのを最大限に分かってくれると思っておりますので、ぜひとも、そちらの方も足しげく通っていただきたいなという風に思います。どうぞよろしくお願いいたします。


「シークレットシネマ」2026年6月25日(木)開催 Ⓒ 「映画館に行こう!」実行委員会

シークレットシネマ

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text&edit : MINORI FUKUHARA[sweet web]

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