1. トップ
  2. エンタメ
  3. 夜空を通して作品とつながる──『チ。 ―地球の運動について―』との期間限定イベントが東京シティビューで開催中

夜空を通して作品とつながる──『チ。 ―地球の運動について―』との期間限定イベントが東京シティビューで開催中

  • 2026.5.10

現在、六本木ヒルズ展望台・東京シティビューにて、漫画『チ。―地球の運動について―』との期間限定イベントが開催中。会期は6月8日(月)まで。展望台から見える絶景をバックに、あなたもロマンあふれる感動のバトンを受け取ってみて。

作品世界と本物の夜空が重なり合う瞬間に出合う

中世ヨーロッパを舞台に地動説を巡るドラマを描いた漫画作品『チ。―地球の運動について―』の期間限定イベントが東京シティビューで開催される。天動説こそが真理とされる時代に異端の地動説に魅せられ、この地は宇宙の摂理の中にあり、夜空の星同様、美しいと気づいた人々の「感動」が生き方を、歴史を大きく変えていく。

展示テーマの設計に携わった哲学者・谷川嘉浩さんは「何かを受け取り、次に繋がなくてはという使命感にかられ、“バトンを受け取ってしまった”人たちの物語」と喩える。

「『チ。』という作品は天文学の物語としても読めるし、宗教や暴力の物語、情熱を燃やす若者の物語としても多面性があります。ただ今回は、信念と感動を伝える物語という側面に絞りました。全編を通して、信念や感動という言葉が出てくるので。特定の切り口にすることで、『チ。』の違った魅力が見えるといいなと思ったんです」

そこで「信念」や「感動」という言葉をベースにセリフやコマを抜き出し、展示を構成。英文学者の小川公代さん、哲学者の下西風澄さん、文筆家の伊藤亜和さん、谷川さんの4人がそれぞれの専門領域や視点からセリフやストーリーラインを深読みし、物語を咀嚼するサポートとなるテキストを寄せている。

「作品全体をよく読むと、信念をどう揺るがすことができるか、登場人物が悪戦苦闘している物語とも読めます。こう生きるんだって決め切ると自分の視野の外側にどういう世界が広がっているのかに対する想像が死んでしまう。今の私たちも社会とか世界とか自分の空気を読んだ結果、こう生きるのが当然と決めうちし、その外側が見えなくなる。私たちの苦しみの大半ってそういうことだと思う。その外側を見せてくれるのが感動ってやつなのかもしれません」

〈「MEGASTAR」による「星空シアター」展示イメージ〉 写真提供:大平技研 ※画像は展示イメージです。実際の展示とは異なる場合があります。

もう一つ、空を見上げるシーンがたくさん登場することにも着目した。

「彼らと同じ目線で空を見ることができるのもこの展示の魅力」。空を見上げるシーンを抜粋し、地上52階の展望台に大型バナーとして展示。さらに次世代プラネタリウム「MEGASTAR」が中世の天文学者が見上げたであろう星空から、現代の天文学が解き明かす138億光年の宇宙の彼方まで誘う星空シアターを投影する。実際に星空を見たとき、いつもの視野の外にある世界の広がりや深みに気がつくかもしれない。そのとき、私たちも感動のバトンを受け取ることができるだろうか。

information

六本木ヒルズ展望台・東京シティビュー

東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52F 開催中~6月8日(月)10時~22時(最終入館は21時30分) 会期中無休 一般2200円ほか ※日時指定制 TEL. 03-6406-6652

information

『チ。―地球の運動について―』

「地球は動いている」、宇宙の真理に引き込まれた人々を描く群像劇。累計550万部の大ヒット作。全8巻。小学館 各770円

取材、文・松本あかね

anan 2493号(2026年4月22日発売)より

元記事で読む
の記事をもっとみる