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屋久島で森林浴|黒味岳登山と新スイートが誕生した「サンカラ ホテル& スパ 屋久島」へ

  • 2026.7.7
fujingaho

屋久島は4回目。今回突然思い立って旅に出たきっかけは、『婦人画報』6月号で森林浴を特集したことでした。原稿を書きながら、自分自身が無性に森に包まれたくなり、金曜日に休みをとって2泊3日のひとり旅へ出かけたのです。

森に呼ばれて、あらためて屋久島

宿泊したのは、世界自然遺産・屋久島の豊かな自然に抱かれたラグジュアリーリゾート「sankara hotel & spa 屋久島(サンカラ ホテル& スパ 屋久島)」。

森に囲まれた高台に建つリゾート。屋久島空港からは車で約40分で、事前予約をしておけば無料で送迎をしてもらえます fujingaho

こちらに宿泊するのは2度目(取材で訪れたときも加えると3度目の訪問)ですが、今回は「サンカラ ヴィラスイート」と「サンカラ ジュニアスイート」のリニューアルが完了したと聞き、その試泊を兼ねて滞在いたしました。

訪れるたびの記憶が、いつも温かく心に残っているからでしょうか。ホテルに到着したときに、不意に「帰ってきた」という感覚に包まれました。

今回は仕事に追われる日々のなか、急に思い立って飛んできた屋久島です。変わらない大自然とそこにある「サンカラ ホテル& スパ 屋久島」は、私にとって心を整えに「帰る」場所になっているのかもしれません。

朝日で目覚めるジュニアスイート

1泊目は、新しく生まれ変わった「サンカラ ジュニアスイート」へ。今回のリニューアルではバスルームが広くなり、横になることができる幅広の寝湯バスタブが新設されました。さらに屋久島温泉の運び湯を24時間楽しむことができます。屋久島温泉は指折りの美肌の湯!と個人的に思っていて、これまでは「samana hotel Yakushima(サマナ ホテル ヤクシマ)」でしか入ることができませんでした。それを部屋のお風呂でいつでも楽しめるというのは嬉しいニュースです。

客室には屋久杉のモニュメントが配され、窓の向こうには海。ここは一年を通して海から昇る朝日を望むことができ、リゾートの敷地から海まで見渡すことができます。屋久島のダイナミックな自然を静かに受け止める一室です fujingaho
客室のシャンプーやボディソープはタイのナチュラルスキンケアブランド「THANN(タン)」。スキンケアアメニティもメイク落とし、洗顔料、化粧水、乳液までスタンバイ fujingaho

また、「サンカラ ジュニアスイート」に宿泊するとスパ「サンカラ サナ」でのトリートメント(1泊につき1名60分)を滞在特典として利用することができます。スパ体験記は前回の記事でご覧ください。

風と森林を感じるヴィラスイート

2泊目は、104㎡の「サンカラ ヴィラスイート」へ。今回のリニューアルで最も印象的だったのは、客室にプライベートサウナが新設されたことです。オーシャンビューのテラスには24時間利用できるサウナとバスタブ。プライベートな空間で屋久島の空気に身を委ねる時間は格別でした。

主寝室のすぐ外のテラスにサウナ。サウナの窓からは海を眺められます。その隣にはアウトドアバスがあるのでここに冷水を張って水風呂として使う手があります。ゆとりのある空間にデイベッドも置かれ、サウナのあとに外気浴で体を休めることができます fujingaho

ベッドルームは2室へ拡張され、最大6名まで宿泊可能になったのもニュース。三世代での旅行にも対応できるようになりました。大きな窓から森を間近に感じることができ、客室で過ごす時間そのものが屋久島の自然に抱かれる体験──そんな設計を実感。

リビング、ダイニングには全面大きな窓。海を眺めることができます。右の写真は主寝室で、この部屋からテラスに出ると正面にサウナがあります fujingaho
スイートルームには屋久島の水とお湯を自由に使えるウォーターサーバーを新設。そして瓶に入った多彩なハーブ(これでハーブティを淹れていただく)だけでなく屋久島のお酒のミニバーやオリジナルブレンドのコーヒーもフリーフロー。ワインセラーもあります(ワインセラーはエキストラチャージ)。屋久島の「本坊酒造」のウイスキーやリキュールがおいしくて、おすすめは写真の「GAJU(ガジュ)」の炭酸割りです。屋久島産のガジュツ(ショウガ科ウコン属)のリキュールでして、ガジュツをはじめとする10種の植物エキスを配合して40年以上熟成させた薬草酒をベースに、しょうがを浸けて、糖類・ブランデーを加えたもの。甘さ控えめで複雑、オシャレなジンジャーエールのような味で体によさそう。クセになります。屋久島でしか手に入らないと聞いて、ホテル内のブティックでお土産に購入しました fujingaho

黒味岳登山とヤクシマシャクナゲ

今回の旅では、ホテルにお願いして登山ガイドを手配していただきました。登山靴やザック、レインウエアまで一式レンタルできるため、遠方からでも身軽に挑戦できるのはありがたいところです。

有名な縄文杉コースは約20年前に登山したことがあり、10年前には島一周もしたこともある(だいたいこの2つが屋久島で人気のプラン)……。そこで次は白谷雲水峡をのんびり歩こうと思っていました。ところがガイドさんから「今回は絶対に黒味岳です」と熱心に勧められ、予定を変更。結果、それが大正解でした。

登山ガイドは「サンカラ ホテル&スパ 屋久島」のアクティビティマネージャーで、屋久島を代表する登山ガイドのひとりである大木信介さん。元アルパインクライマーとして国内外の山々を歩み、世界中の名峰を巡る山岳写真家のもとで修業を重ねた後、富士山登山ガイドを経て2012年より屋久島へ移住。現在も過酷なトレイルランニングレースで上位入賞を果たす実力者です。豊富な知識と経験に裏打ちされた案内で、登山を魅力あふれる学び多きものにしてくれます fujingaho
ちょうど見ごろのヤクシマシャクナゲ。偶然にもこの日のネイルがシャクナゲカラー(白とピンクのバランスまで完璧)でした fujingaho

黒味岳は、宮之浦岳、永田岳とともに、芋焼酎「三岳」の名の由来になった三つの峰のひとつ。その山頂付近ではちょうどヤクシマシャクナゲが満開を迎えていました。今年は数年に一度という当たり年。さらに快晴、気候のよさもあり「こんな幸運は滅多にありません」とガイドの大木さんが何度も熱弁するほど。稀有な日だからこそ地元の人も多く山を訪れており、屋久島に住んでいても珍しい美しい登山日和なのだということがよく分かりました。

右の写真の巨石のうえにわたくし。ここが頂上です。大木さんがわざわざ下にまわりこんで撮影してくれました fujingaho

黒味岳は山頂からの絶景が屋久島一。巨岩の上に立つと宮之浦岳と永田岳をはじめ360度の大パノラマを眺めることができます。屋久島の森は標高が上がるにつれ生態系が変化していくため、登山でこそ知ることができる奥ゆきがあります。

黒味岳は圧倒的なパノラマビューが魅力。よく晴れていたので山頂から宮之浦岳と永田岳、そして一帯に咲き誇るヤクシマシャクナゲを望むことができました。一般的に黒味岳登山は往復で6~7時間とされていますが、途中で写真撮影をしたり山頂でのんびりしたのもあって、往復10時間弱(6時頃に登り始めて、下山は16時頃)の行程でした。この日の歩数は25,826歩 fujingaho
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食事が楽しみなオーベルジュです

滞在中の食事も「サンカラ ホテル& スパ 屋久島」を訪れる楽しみのひとつ。朝食で楽しみにしているのが、「アヤナ」の焼きたてパン。大きなプールと海、青空を眺めながらいただく朝食は、それだけで一日の気持ちを整えてくれます。

レストラン「アヤナ」はベーカリーを併設したオールデイダイニング。1階のプールに面した明るい空間で朝も昼も夕方も美しい景色を眺めながら食事を楽しむことができます。写真は前に勤めていたスタッフが描いたという屋久島をテーマにした絵皿。ほかにもいろいろな絵柄があるのですがこの日はヤクシカのプレートが迎えてくれました。多彩なプリフィックスコースでイタリアンから郷土料理まで提供。また、前回の記事でご紹介した<a href="https://www.fujingaho.jp/lifestyle/beauty-health/a61589460/sankara-hotel-and-spa-yakushima-240723/" target="_blank">アフタヌーンティ</a>もおすすめです fujingaho
「アヤナ」の朝食ブッフェには20種類ほどの焼き立てパンが並びます。今回は悩んだ挙句にシナモンのパンとアップルパイをチョイス。ここはコーヒーもおいしくて、パンが進みます(笑)。コーヒーのおいしさは屋久島の軟水が鍵を握っているそうで、使っている豆もその水に合わせたブレンドと焙煎にこだわっているといいます。ちなみにホリデーシーズン、ここのシュトーレンはとても人気で定評があります。しっとりと豊かで優しい甘みがあり、日を追うごとに味わいが増す逸品。時期になると<a href="https://sankarahotel.theshop.jp/" target="_blank">オンラインショップ</a>で取り扱うこともありますので、出合えたらぜひ! fujingaho

夜は2Fのレストラン「okas(オーカス)」でのフレンチ。こちらはスイートタイプの客室の宿泊者専用です(ヴィラタイプに宿泊の場合アップグレード可)。

屋久島の食材を生かした一皿一皿が美しく、土地の恵みがゆっくりと体に溶け込んでいくような幸せなフレンチ。森に癒やされ、温泉とサウナで整い、食でも屋久島とひとつになる。そんな時間の積み重ねが、このホテルならではの豊かな滞在を形成しているのだと思います。

2024年に就任したシェフの鈴木章夫さんは神奈川県出身。鹿肉を使ったパテ・アンクルートは「オーカス」で必ず提供されるスペシャリテで、鈴木さんは世界的なパテ・アンクルートのアジア大会でもファイナリストに選出され高く評価されています。このパテ・アンクルートの真価は、肉の野性味を消すのではなく、その魅力を気品へと変えていること。噛みしめるほどに深まる滋味と、端正なパイ生地が織りなす一体感は見事です。古典フランス料理への敬意と、日本の豊かな山の恵みが共鳴。食べ終えたあともその余韻をもう一度思い返したくなる、忘れがたい一皿でした。写真中央は月日貝(つきひがい)の出汁とともにいただくロワイヤル。屋久島産のヤングコーンと敷地内で採れた木の芽、木の芽のオイルが和食のような粋を添えています fujingaho
写真左は白身魚のたかば(まはたの九州の呼称)と、ココナッツミルク、しょうが、レモングラスのエキューム。黒米のリゾットとケールのソテー、食感の楽しいぶぶあられのアクセントで、思いもよらないエスニックな味わいに。中央の写真のパンは1F「アヤナ」のベーカリーで焼かれたリュスティック。自家製のサワークリームとオリーブオイル、屋久島の塩とともにいただきます。写真右は、月桃のグラニテ。敷地内で摘んだ月桃を乾燥させたあと、お湯でじっくりと香りを引き出して仕立てているといいます。口に含むと華やかな香りと清涼感が一気に広がり、コースの流れを鮮やかに切り替える──印象的なお口直しでした。ちなみにこの青い器は屋久島焼の<a href="https://yakushimayaki.com/" target="_blank">「新八野窯」</a>のカップです。ブティックでも販売していて前回購入。我が家ではおちょことして使っています fujingaho

屋久島の自然保護と未来のために

ここ「サンカラ ホテル & スパ 屋久島」は、自然とともにあるだけでなく、屋久島の自然を未来へつなぐことも大切にしているホテルです。

宿泊者から1滞在につき500円を預かる「サンカラ基金」を通じて、近自然工法による登山道整備やウミガメ保護、地域の環境教育などを支援。最近では、その15年以上にわたる活動をまとめた冊子も制作されました。

「サンカラ基金」の冊子では、その支援の現場を俳優・井浦新さんが実際に訪ねて取り組みを紹介しています fujingaho

滞在そのものが、屋久島の自然を守るプロジェクトの一端になる──。近年、旅に求められる価値は「訪れる」ことから「未来へつなぐ」ことへと広がりつつあります。「サンカラ ホテル & スパ 屋久島」は、その考え方を15年以上にわたる活動として形に。理念を掲げるだけでなく具体的な取り組みとして積み重ね、その歩みを冊子として宿泊者にも伝えているのです。

登山ガイドの大木さんは、この近自然工法による登山道整備をはじめとする山や自然を守る活動を主導しており、「最近は登山ガイドよりもこちらのほうに比重が置かれているかも」とおっしゃっていました。今回の滞在ではスタッフの皆さんの話を聞くにつれ、大木さんだけでなく、「サンカラ ホテル & スパ 屋久島」のスタッフが一丸となってこの活動に取り組んでいることがよく伝わってきました。

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こうして「サンカラ基金」の活動が根付いていること。それは、スタッフやゲストが屋久島の自然を未来へつないでいきたいという思いを深く共有しているから。その誠実な積み重ねに触れるたび、「サンカラ ホテル & スパ 屋久島」の魅力は客室や食事だけではないのだと考えさせられます。

もちろんリニューアルした客室もモダンで快適ですし、レストランも進化し続けているのですが、それだけではないのです。目には見えない愛が溢れている感じ。だからこそ私はここに「また帰ってきたい」と思います。

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