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「ミラノデザインウィーク2026」で注目を浴びたファッションブランドの展示10

  • 2026.7.7
Hearst Owned

ミラノ市内の各所でデザインにまつわるイベントや展示が開催され、世界最大のデザインの祭典ともいわれる「ミラノデザインウィーク」。今年は4月21日から開催され、家具ブランドだけでなく多数のファッションブランドも参加。ファッションとデザイン、カルチャーがますますクロスオーバーし、ミラノの随所で開催されたユニークでアイコニックな展示やイベントを紹介しよう。

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「ミュウミュウ」

「ミュウミュウ」はミラノデザインウィーク期間中に“ミュウミュウ リテラリークラブ 2026”を開催。“ミュウミュウ リテラリークラブ”は、デザイナーのミウッチャ・プラダの構想とディレクションによって誕生した文学プロジェクトで、女性作家の作品を通じて、女性の経験や思想、社会的立場について考えるための文化プログラムだ。これまでにミラノで2回実施し、昨年は上海でも開催された。

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今年のテーマは“欲望の政治学”。セクシュアリティや欲望、同意というトピックを、アニー・エルノーとアマ・アタ・アイドゥという2名の女性作家の作品を通して考え、会期中はレクチャーやDJパフォーマンスなどのさまざまなプログラムが行われた。

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会場はミラノ中心部に位置する、チルコロ・フィロロジコ・ミラネーゼ(ミラノ文化協会)。ミラノで最も古い文化協会で、アールヌーヴォー様式の歴史ある建築が特徴。来場者はデジタルデバイスから離れ、特別な空間で自分自身の思考に思いを巡らせるという、ミュウミュウらしいイベントとなった。


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「ボッテガ・ヴェネタ」

「ボッテガ・ヴェネタ」は韓国人アーティストの イ・カンホによるインスタレーション“ライトフル”をサンタンドレア通りのフラッグシップストアで開催した。イ・カンホが表現方法として象徴的に用いる、編み込みのオブジェをボッテガ・ヴェネタを代表するマテリアルである革ひもで再現。そこに照明を組み込み、空中にオブジェが浮かぶような幻想的な空間をつくり上げた。

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今回のインスタレーションで、クリエイティブディレクターのルイーズ・トロッターとイ・カンホのコラボレーションは3回目。作品の制作にあたり、イ・カンホはボッテガ・ヴェネタのアトリエを訪れ熟練の職人たちとの交流も重ねたという。今回のコラボレーションを通してイ・カンホを象徴する編み上げの作品に、光という新たな要素が加わりさらなる広がりを想起させた。

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フラッグシップストアでのインスタレーションのほか、ミラノ市内のフラワーショップではフラワーブーケを特別なラッピングで提供したり、ブックショップでポスターを配布したりと街を横断してアクティビティを開催。街中では「ボッテガ・ヴェネタ」の限定のショッパーを携えながら、ミラノデザインウィークの会場巡りを楽しむ人々も多く見かけた。

©Maxime Verret

「エルメス」

毎年ミラノデザインウィークでホームコレクションの新作発表を行っている「エルメス」。今年は会場中に石膏とブナ材でつくられた直方体が配置され、その間を人々が彷徨いながら、新作の家具やオブジェを発見するという構成だった。削ぎ落されたシンプルな空間の中に、柔らかく鮮やかなプレードや、槌目仕上げのメタル製のテーブルセンターピースやジャグ、ベース、大理石のテーブルなどが並んだ。

©Maxime Verret

ひと際注目を集めていたのはイギリスのデザインデュオ、エドワード・バーバーとジェイ・オズガビーが手がけたテーブル“スタジアム・ドゥ・エルメス”だ。目を惹く天板の曲線はエルメスらしく競馬場のトラックを彷彿とさせ、脚は細身で少し内側に付けられていることもあり大理石ながら非常に軽やかな佇まいが印象的だ。

©Maxime Verret

ミニマルな空間の中で鮮やかな色彩が際立っていたのは、バスケット“コンフェッティ”。パンチング加工を施した内側からレザーのパッチワークをあしらった立体感のあるバスケットはリズミカルなデザインが印象的。ほかにもメタルとレザーを組み合わせたフラワーベースや、フリンジ付きのプレードなど、多様なホームコレクションが披露された。

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「ルイ・ヴィトン」

パラッツォセルベローニでオブジェ・ノマド コレクションの新作を展示した「ルイ・ヴィトン」。アール・デコ博覧会から今年で100周年を記念して、アール・デコの巨匠であり装飾家やイラストレーターなどマルチに活躍したピエール・ルグランにフューチャーし、“ピエール・ルグラン オマージュ”コレクションを発表した。会場の中庭にはルグランのアーカイブをモチーフにした立体的なインスタレーションが出現し、話題を集めた。

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1920年代に活躍したピエール・ルグランはガストン-ルイ・ヴィトンと親交が深く、クリエイティブにおけるパートナーでもあった。1921年に、ガストン-ルイはルグランにメゾン初の家具製作を依頼し、翌年にドレッサーが発表された。今回はこのドレッサーを復刻し、ラッカー仕上げのウッドにノマド・レザーを組み合わせて仕上げている。“ピエール・ルグラン オマージュ”コレクションは、ドレッサー以外にチェアやテキスタイル、ホームアクセサリーなど、幅広く展開する。

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会場には、特別なポップアップブックストアも出現。「ルイ・ヴィトン シティ・ガイド」や「ルイ・ヴィトン トラベルブック」、「ルイ・ヴィトン ファッション・アイ」などが販売され、展示を見終えた来場者が立ち寄れるインタラクティブなインスタレーションとなっていた。

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「ロロ・ピアーナ」

昨年のディモーレスタジオとのドラマチックなインスタレーションから一転、今年は本社を舞台にメゾンの本質であるファブリックや職人技に焦点をあてた展示を行った「ロロ・ピアーナ」。“考察 第1章:プレード”というテーマで、24作品のプレード(ブランケット)を額縁のような什器に収め、ギャラリーのように見せていく構成だった。

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「ロロ・ピアーナ」のシグネチャーであるペイズリーや、創業の地を描いた風景画など、繊細な模様を職人が一つ一つ手仕事で仕上げ、ロロ・ピアーナの卓越したノウハウが堪能できる展示となった。

Courtesy of Gucci

「グッチ」

「グッチ」はサン・シンプリチャーノ大回廊で、没入感のあるインスタレーション「Gucci Memoria(グッチ メモリア)」を開催。アーティスティック・ディレクターのデムナがキュレーションを手掛け、12点のタペストリーの展示を中心に、中庭にはフローラプリントに着想を得たボタニカル空間を再現。さらに特注の自動販売機の設置など、インタラクティブな空間をつくり上げた。

Courtesy of Gucci

インスタレーションの中心となったのは、グッチの歴史を視覚的に表した12作品のタペストリー。グッチの歴史におけるエポックメイキングな瞬間を、フィレンツェの織物技術で緻密に表現した。12作品のタペストリーを巡る物語は、創業者のグッチオ・グッチがロンドンのホテル ザ・サヴォイで過ごしたブランドの原点を描いたタペストリーから始まり、最後のタペストリーではデムナのもとで始動した新たなクリエイティブチームの姿が提示された。

Courtesy of Gucci

大回廊の中庭はグッチで繰り返し用いられてきたフローラ プリントを表現した美しい花々が彩る。これまでの歩みを芸術的なタペストリーで振り返り、グッチの世界観と伝統的な建築が呼応した没入感のある空間は、デザインウィーク中に大きな話題を呼んだ。

© NICOLO DE MARCH

「ディオール メゾン」

「ディオール メゾン」はフランス人デザイナーのノエ・デュショフール=ローランスによる新作照明「コロール」を発表し、ブレラ地区のパラッツォ・ランドリアーニでインスタレーションを行った。

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会場デザインはタイ人アーティストのコラコット・アロムディーとヴァサナ・サイマが手掛けた。クリスチャン・ディオールが幼少期を過ごした楽園、グランヴィルの「レ リュンブ」邸の庭園を再解釈し、ラタンと竹でつくられた花や蝶といったデコレーションが会場を埋め尽くし、幻想的な空間となっていた。




© NICOLO DE MARCH

新作「コロール」ランプは柔らかなフォルムが特徴で、この曲線は1947年にクリスチャン・ディオールが発表したアイコニックな「ニュールック」スカートのラインから着想を得ている。ガラス素材はイタリア・ムラーノの伝統的な吹きガラスを使用し、グレー、ピンク、ホワイトのメゾンを象徴するカラーで彩られている。

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「フェンディ カーサ」

毎年スカラ広場の旗艦店で新作を発表している「フェンディ カーサ」。今年は色彩に焦点をあて、遊び心やモジュール性、素材、そしてメイド・イン・イタリーといったブランドが大切にしてきた価値とコンセプトを赤や青、緑、マスタードイエローなどの鮮やかな色彩を取り入れたスタイリングで、改めて表現した。

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注目すべき新作はソファの「ポディウム」。トアン・グエンが手掛け、畳のようなフラットなベースの上にシートを配したデザインが特徴だ。軽やかでありながらも構築的なソファでクッションがフレームに固定されており、コーヒーテーブルと組み合わせることも可能だ。

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2024年のデザイン・マイアミで発表して以来、協働が続いているロンドンを拠点とするデザイナー、ルイス・ケメノエとのアイテムもさらに拡大。写真中央のコーヒーテーブルと空間を仕切るスクリーンが新たに追加された。

TOMOYUKI TSURUTA

「アルマーニ / カーザ」

ミラノのコルソ・ヴェネツィア14番地のフラッグシップストアで『Origins』と題した新作発表を行った「アルマーニ / カーザ」。通りに面した1階にはアルマーニのビジョンを表す代表的なアイコン8つと、そのアイコンを再解釈した新バージョンを並べて展示し、過去と現在の対話を生み出すという構成を展開した。

2008年に発表された“バルーン アームチェア”は、新たな解釈としてフレッシュなミントグリーンの張り地をまとったモデルが展示された。

TOMOYUKI TSURUTA

3階はジョルジオ・アルマーニの邸宅からインスピレーションを得てスタイリングされた、3つのエリアで構成。壁には繊細なタッチの水彩画が描かれ、建築のディテールや邸宅の空気感を表現した。

大きな窓が描かれたエリアは、親密さのあるくつろぎの場をイメージ。クラシックな雰囲気が漂う、新作のアームチェア“BYRON”や、カナレットウォールナットとナチュラルレザーを組み合わせたブックケース“PLAY”が目を惹いた。

TOMOYUKI TSURUTA

休日のひとときをテーマとしたエリアでは海と揺れるカーテンが描かれ、ジョルジオ・アルマーニが別荘を構えたイタリア・パンテッレリアの情景を彷彿とさせる。オーク材の一枚板にクッションを配したモジュラーソファ“BRANDO”や、曲線的なデザインが特徴のローテーブル“RETTA”などが空間を彩った。

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「H&Mホーム」

「H&M ホーム」はアメリカ人デザイナーのケリー・ウェアストラーとの全29点からなるコラボレーションを発表し、この新作を初披露するインスタレーションを開催。ミラノ中心部に位置し、17世紀に建てられたバロック様式のアチェルビ宮殿に、モジュール式の衣類ラック“モナ”など、コレクションから厳選した家具やオブジェをドラマチックに展示した。ブランドにとっては初となる外部のデザイナーとのコラボレーションとなり、「H&M ホーム」の進化を象徴する重要な節目となった。

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ダイニングルームではチェア“ノクセン”にフューチャーし、浮遊感のあるミラー仕上げの台座の上に展示。アチェルビ宮殿の歴史的な建築を背景とのコントラストが、観客を惹きつけた。

H&M HOME, Piergiorgio Sorgetti

らかなフォルムが特徴のラウンジチェア“ソルーナ”とアクセントチェア“ポマ”は、部屋中に積み重ねられた。このインスタレーションによって、有機的なデザインの魅力がより際立っていた。ケリー・ウェアストラーとのコレクションは、2026年9月発売予定だ。

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