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サラリーマンの処世術。20年以上働いて分かった、「職場で一番得する人」

  • 2026.7.5

サラリーマン。日系、外資、中小企業…所属する組織によってもちょっとずつ違うルールや常識。でも、普遍的なものを最近ふんわり掴んだ気になっています。自分が出来ている訳ではないのですが。さて、わたくし。ザ・ジャパン!な企業に新卒から20年以上働いています。根性があるわけでもなく、たまたま本当に夫の転勤もなく、子供を3人産み、現在進行形でヒーヒー言いながら働いています。両家の実家は他府県にあり、常日頃から手厚いサポートを受けている訳ではないですが、なんとかやっています。そんな中、なんとなんと、この4月に全く新しい部署に配属されたではないですか!万年技術系だった私が、海外事業部へと部署異動となりました。本日は、そんな中に気が付いたお話。ちょこっと読んで頂けますとこれ幸い。

「仕事ができる人」の定義が変わった日

海外営業部へ異動して数か月。20年以上技術職として働いてきた私は、「仕事ができる人」のイメージをかなり固定していました。難しい解析ができる人。特許が絡む新規性・進歩性のある技術を生み出す人。データを見ただけで異常を見つけられる人。そんな人たちを見て、「すごいなぁ」と尊敬してきましたし、私自身もそこを目指していた気がします。ところが、異動してみると景色が違いました。「あれ? この人、そこまで専門知識があるわけじゃないのに、なぜこんなに頼られているんだろう。」とある方がいろんな人から話しかけられ、相談されているのです。もちろん、それなりのポジションですが、決して高い訳ではない。そのポジションの人はそれなりの人数がいる。なのに、この方だけ…最初は不思議でした。でも観察していると、共通点が見えてきたのです。その方は、とにかく人に話しかける。「ちょっと確認いいですか?」「これ、どうでしたっけ?」「念のため聞いておきたいんですが。」私は内心、「そんなことまで聞くの?」と思っていました。数か月経った、今なら分かります。聞いていたのではなく、仕事を前に進めていたんですね。

社内チャット・メールを開いて閉じる選手権

4月。異動したばかりの頃の私は、質問するのが本当に苦手でした。社内チャットを開く。「○○さん、お忙しいところすみません……」ここまで打つ。消す。また打つ。消す。「今じゃないかな。」閉じる。5分後、また開く。もう、社内チャットの開閉だけなら社内トップクラスだったと思います。結局、一人で1時間悩んでから質問すると、「あ、それならこの資料を見るだけですよ。」で終了。30秒。悶々としていた私の1時間、どこ行った。今思えば、あの頃の私は「質問したら負け」だと思っていたんですね。ベテランで異動してきて、こんなことも知らないのか!と思われるのが恥ずかしくて。でも、出来る方々は違いました。「聞かない方が負け。」その違いは、想像以上に大きかったです。

「クセが強いんじゃ!」事件

ある日、直属の上司から連絡が来ました。「ちょっと時間がないから、大至急お願いできるかな?」もちろんです。まだ異動して間もない私にとって、「お願い」と言ってもらえるだけでもありがたい。出来ることも少ない。少しでも役に立ちたい!そう思っていました。ただ、その上司、どこから連絡してきたと思います?地球の反対側です。海外出張中なんですよ。世界は広いのに、仕事は一瞬で飛んできます。便利な世の中になりました。私が「もちろん。お受けします。」と返した返事に、被さるようにグッドボダンが押されました。まるで、隣に座っているのと同じくらいの勢い。文明の利器、ばんざい。依頼されたのは、海外支店から送られてきた英文資料の翻訳。意気揚々とクリック。ですが、開いた瞬間、私は固まりました。何だこの英語。クセが。クセがスゴイ。心の中で、千鳥のノブばりにツッコミました。「クセが強いんじゃ!」もちろん、会社で使用可能なAI翻訳に投入します。文明の利器、ばんざい(本日2回目)。依頼された英語を躊躇なく入れます。日本語が出てくる。……でも、その日本語も意味が分からない。えっ。英語が難しいんじゃなく、日本語になっても難しい。つまり、クセ強は翻訳後もクセ強。私は画面を見つめながら、「いやいや、私に聞かれても。」状態になりました。ちょっと考えて、自分自身でどうにかしようかと考えました。ですが、うーん。変な訳をしてしまっても困る。しばらく各種調べてみましたが、ついに悲鳴を上げます。「ボス、これ、分からないです…。」恥ずかしかったですよ。20年以上働いてきたベテランが、「英語が分かりません」と助けを求めるんですから。AI翻訳ソフトもあるのに!でも、その後の展開が面白かったのです。別の上司に手伝ってもらうことになり、さらに周囲の人たちが口々に言うのです。「ああ、あの人の英語ね。」「クセが強いで有名だよ。」「AIでも訳せないんだね。」知らんよ、そんな情報。先に教えてください。結局、その翻訳は専門の担当者に引き継がれ、さらに問い合わせをし直すことになりました。専門の方が取り組んでも、5時間以上かかる業務でした。つまり、私が一人で数日悩んでも解決できなかった仕事だったのです。もし意地を張って、「もう少し頑張ります」と抱え込んでいたら、時間だけが溶けていたでしょう。その間、私は自分の得意なデータ分析や別の業務を進めることができました。「分からない」と伝えることは、仕事を放り出すことではない。会社全体の時間を守ることでもある。海外事業部で、私はそんな当たり前のことを改めて学んだのでした。

「ありがとう」は、社内で一番コスパのいい言葉

海外営業部へ異動してから、もう一つ驚いたことがあります。それは、仕事ができる人ほど「ありがとう」を惜しまないということでした。コピーを一枚取ってもらっても、資料を探してもらっても、会議室を予約してもらっても、「ありがとうございます」「助かりました」と、ごく自然に口から出てくるんです。最初の頃は、「そんなに何回も言わなくても伝わるでしょう」と思っていました。ところが、しばらく周りを見ていると、その「ありがとう」が単なる礼儀ではなく、人間関係への投資だったことに気付きました。銀行口座に少しずつ貯金をするように、信頼もまた、小さな「ありがとう」の積み重ねで増えていくんですね。逆に、「やってもらって当たり前」という空気をまとっている人の周りは、何となく静かです。もちろん誰も露骨に避けたりはしませんが、いざというとき、「私がやりますよ」と自然に周囲の方々に、手を差し伸べてもらえるは、普段から感謝を口にしている人だったりします。はぁーー私もありがとうを頻発しないとな~!技術が!とか結構どうでもいい。感謝できて、助けを求めることが出来て、また感謝して…最高じゃん!

40代半ばのマインドチェンジ

前記したように技術系にいると、「仕事ができる人は、一人で何でもできる人」な部分が強めなことがそこそこあります。与えられたテーマを如何に進捗させたか。がメインテーマだからです。でも実際には、「周りの力を借りながら、一番早くゴールへたどり着ける人」の方が、ずっと仕事ができる人だったのです。20年以上会社員を続けてきて、たくさんの人に出会いました。飛び抜けて頭の切れる人もいましたし、専門知識が百科事典のように豊富な人もいました。そういう人たちはもちろん尊敬していますし、「すごいなあ」と思う気持ちは今も変わりません。でも、「この人、長く周りから信頼されているな」と感じる人には、別の共通点がありました。

「教えてください」が言えることと、「ありがとうございます」が自然に言えること

今回の翻訳事件も、もし私が意地を張って「もう少し頑張ります」と抱え込んでいたら、何日も時間を溶かし、その間に本来私が担当すべきデータ分析や別の仕事まで止めてしまっていたでしょう。勇気を出して「分かりません」と伝えたからこそ、その分野に詳しい人へ仕事がつながり、私は私が得意で処理が比較的早い仕事へ集中することができました。考えてみれば、会社は「何でも一人でできる人」を競う場所ではありません。それぞれが得意なことを持ち寄って、一つのゴールを目指す場所です。サッカーで言えば、キーパーがドリブル突破を狙う必要はありませんし、フォワードがゴール前でキャッチングの練習を始めても、監督に止められるだけです。「ここは教えてください。」「助かりました、ありがとうございます。」その二つを、照れずに口にできる人は、仕事を前に進められる人。そして、助け・助けられが上手く循環する組織は、関わる人々も今まで以上に実力を発揮し、新しいアイデア創出や顧客獲得に繋がると思うのです。もちろん、同じことを何度も聞くのではなく、メモをしたり、もう一度聞かなくて良いように工夫をするのは大切です。ですが、常識の範囲で、必要なことでしたら積極的に聞くのはアリ。アリ中のアリ!異動してまだ数か月。私は毎日のように新しい失敗をしていますし、きっと来週も何かやらかすのでしょう。でも、そのたびに一人で抱え込むのではなく、「すみません、教えてください」と言えるようになった自分は、ほんの少しだけ20代の頃より成長したのかもしれません。ではまた!

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