1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. “うつ病”で休職した30代女性→月20万ほど傷病手当が支給されるが…4ヶ月後、女性が直面した“予想外の事態”【元銀行員は見た】

“うつ病”で休職した30代女性→月20万ほど傷病手当が支給されるが…4ヶ月後、女性が直面した“予想外の事態”【元銀行員は見た】

  • 2026.7.26
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「体調を崩して休職しても、傷病手当金があるから大丈夫」

そう考えている方は多いかもしれません。確かに傷病手当金は、働けなくなった期間の生活を支えてくれる心強い制度です。しかし、復職や退職のタイミング、働き方の選択によっては、手当金の受給要件を満たせなくなってしまうという「思いがけない落とし穴」が存在します。

今回は、約10年間勤務した地方銀行をうつ病で休職・退職した30代男性の体験談をもとに、制度の知られざる注意点と、復職・退職時に確認しておくべきポイントについて解説します。

 「夜が来るのが怖かった」過労とストレスからうつ病を発症、休職へ

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「少し休めば、また元通り働けると思っていました」
そう振り返るのは、地方銀行に約10年間勤務していた34歳女性のAさんです。

入社以来、大きな病気もなく働いてきたAさんでしたが、30代に入ってから業務量の増加や人間関係のストレスが重なり、不眠や食欲不振が続くようになりました。

特につらかったのは夜でした。翌日も仕事へ行かなければならない。「眠らなければ」そう思えば思うほど眠れず、時計を見るたびに焦りだけが募ります。やがて、夜が来ること自体が怖くなっていました。

ほとんど眠れないまま朝を迎える日が続き、ある朝、布団から起き上がろうとしても体が動きませんでした。まるで全身に鉛が入っているような重い倦怠感があり、涙だけが止まりません。

心療内科を受診した結果、「うつ病」と診断され、会社へ診断書を提出し、休職することになりました。会社から傷病手当金について説明を受け、申請後しばらくして支給が始まりました。支給額は月によって多少前後しましたが、おおよそ20万円台前半でした。

「収入は休職前より減りましたが、治療に専念できるだけの支えにはなりました。」 決して余裕のある生活ではありませんでしたが、生活費を工面しながら療養に専念できたことは、大きな安心につながったといいます。

焦りの中で選んだ「半日勤務での復職」と、思い通りにいかない現実

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

一方で、休職中には別の精神的な負担もありました。

人事担当者や上司からは、定期的に体調を確認する連絡があります。

「気にかけていただいていることは分かっていました。でも、『まだ治っていません』と伝えるたびに申し訳ない気持ちになって……」

そのたびに、「早く復帰しなければ」という焦りが大きくなっていきました。 休職から4か月が経過し、体調が少しずつ回復してきたAさんは、主治医の意見書に加え、会社の産業医との面談を経て、半日勤務から復職することになりました。

しかし、実際に職場へ戻ると、思うようにはいきませんでした。 朝の通勤だけで疲れ切ってしまい、以前は当たり前にできていた業務にも集中できません。「また周りに迷惑をかけてしまう」そんな思いが強くなり、復職から約3週間後、Aさんは退職を決断しました。

「制度を知っていたつもりだった」復職が仇となった退職後の受給要件

「退職すれば、一つ区切りがつくと思っていました」

ところが、退職後に傷病手当金について改めて確認したところ、自分のケースでは退職後の継続受給の対象にならないことを知りました。 復職を目指して半日勤務から職場へ戻ったことが、結果として退職後の傷病手当金の継続受給の要件に影響するとは思ってもいなかったのです。

「制度は知っているつもりでした。でも、実際には条件まで理解できていませんでした」

傷病手当金は、病気やけがで働けなくなった人の生活を支える大切な制度です。一方で、退職後も受給を継続できるかどうかは、退職時の状況など一定の要件によって判断されます。

「休職したら受け取れる」「退職後もそのまま続く」と思い込まず、退職や復職など人生の大きな節目では、勤務先や健康保険組合へ早めに確認しておくことの大切さを、Aさんは身をもって実感したといいます。


※本記事は実際の制度や相談事例をもとに構成した体験談です。傷病手当金の支給要件や手続きは、加入している健康保険や当時の状況によって異なる場合があります。詳細は勤務先または加入している健康保険組合へご確認ください。

執筆:衣吹まどか
元銀行員。約10年間、金融機関の窓口で預金・相続・資産運用などの相談業務に従事。現在は金融や暮らしをテーマに執筆している。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ