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“退職金1,000万”を受け取った50代男性→「退職所得控除があるから税金はかからない」はずが…通帳を見て“青ざめたワケ”

  • 2026.7.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、退職金を受け取った55歳のAさんの体験談です。

「退職金には退職所得控除があるから税金はかからない」と思い込んでいましたが、控除を超えた分に課税され、手取りが想定より減った経緯をご紹介します。

「退職金には退職所得控除があるから、税金はかからない」と思っていた

Aさんは55歳の会社員。長年働いてきた退職金を楽しみにしていました。「退職金には退職所得控除というものがあって、税金はかからないと聞いたことがある」と考え、額面がそのまま手元に入るものだと思っていました。

たしかに退職金は税金の優遇が大きく、勤続年数が長ければ、その多くが非課税になります。ただしAさんは、新卒で入った会社を途中で辞めて転職しており、今の会社には中途入社。今の会社での勤続年数は15年でした。

退職所得控除は「勤続年数」で決まる

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

退職所得控除は、勤続年数によって決まります。勤続20年までは1年あたり40万円、20年を超えた分は1年あたり70万円です。

Aさんの勤続は15年なので、控除額は「40万円×15年=600万円」。受け取る退職金は1,000万円だったため、控除の600万円を超えた400万円が残り、ここをもとに税金が計算されることになりました。

もし大学を出て22歳で入った会社に55歳まで勤め続けていれば、勤続33年。控除は「40万円×20年+70万円×13年=1,710万円」になり、1,000万円はまるまる非課税だったのです。

控除を超えた分の「2分の1」に課税される

退職金にかかる税金は、控除を超えた分がそのまま課税されるわけではありません。「(退職金−退職所得控除)×2分の1」が退職所得となり、これに所得税と住民税がかかります。

Aさんの場合、「(1,000万円−600万円)×2分の1=200万円」が退職所得。ここに所得税と住民税がかかり(所得税 約10万円+住民税 20万円)、合わせておよそ30万円が引かれました。「退職所得控除があるから税金はかからない」と思っていたAさんは、手取りが予想より減っていて青ざめたといいます。

受け取る前に、自分の勤続年数で控除額を確認する

退職所得控除は、勤続年数が短いほど小さくなります。転職を経た人ほど、1社あたりの勤続年数が短くなり、控除額が大きくなりにくい点に注意が必要です。

退職金を受け取る前に、自分の勤続年数で控除額がいくらになるか、退職金がその控除を超えないかを確認しておきましょう。超える場合は、税金がいくら引かれるかをあらかじめ見込んでおくと、手取りの想定がずれずにすみます。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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