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「株より安心だろう」退職金500万円を“年利8%・外国債券”に入れた60代妻→5年後、受取金額を見て“目を疑ったワケ”

  • 2026.9.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPで退職後の資産運用の相談を数多く受けてきた柴田です。

銀行や証券会社の窓口で「年利8%の外国債券」を提案されたら、心が動きますか?

日本の預金金利と比べれば、夢のような数字に見えるかもしれません。今回は、その数字に退職金の一部を託した60代のAさんのお話です。

「預金の何十倍も利息が付く」という甘言

Aさん(60代女性)は、ご主人の退職金の置き場を相談しに行った銀行の窓口で、新興国の債券を勧められました。

「利回りは年8%。5年満期で、利息だけでも大きいですよ」。担当者が見せる説明資料には、たしかに8%という数字が並んでいます。「国の債券なら株より安心だろう」と、Aさんは退職金のうち500万円を投じました。

最初の数年は、外貨で積み上がっていく利息の数字を眺めて「いい買い物をした」と思っていたそうです。

ところが満期の年は円高になっており、円に換えて受け取った金額を見て、Aさんは目を疑いました。5年分の利息を含めても、払った500万円に届いていなかったのです。「利回り8%で5年も持ったのに、どうして減るんですか」。通帳を握りしめて、私のところへ相談に来られました。

高い金利は「リスクの値札」だった

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

私がまずお伝えしたのは、身も蓋もない原則です。金利が高いのは、それだけリスクがあることの裏返しだということ。世の中に「安全なのに高利回り」という商品は存在しません。

Aさんの債券の場合、主犯は為替でした。金利の高い通貨は、その国のインフレ率も高いことが多く、長い目で見ると通貨の価値が下がりやすい傾向があります。つまり、利息をたくさん受け取っても、円に戻すときのレートが悪化していれば、円建ての手取りは目減りする。Aさんのケースでは、5年間の利息をまるごと打ち消してお釣りがくるほど、その通貨は円に対して安くなっていました。

しかも、リスクは為替だけではありません。発行体が破綻すれば元本が返ってこない信用リスク、途中で売りたくても買い手が付きにくい流動性リスクもセットです。さらに、購入時と償還時の為替手数料や、債券価格に上乗せされたスプレッドという見えにくいコストも引かれます。「8%」という看板から実質的な手取りを計算し直すと、想像よりずっと低い数字になるのです。

「では為替リスクを消すヘッジ付きなら」と思うかもしれませんが、ここにも罠があります。高金利通貨のヘッジには高いコストがかかり、ヘッジをかけた瞬間に、せっかくの高金利がほとんど消えてしまうのです。つまり「高金利はそのまま、リスクだけ消す」といううまい話は、仕組み上できません。これが高金利通貨の宿命です。

まとめ

窓口で高利回りの商品を勧められたら、聞くべき質問は一つです。「円高になった場合、円でいくら戻りますか」。この質問に具体的な数字で答えてもらえないなら、その商品はまだあなたのものではありません。

Aさんはその後、残った退職金を「守るお金」と「増やすお金」に分け、外貨はごく一部に縮めました。高い金利の裏にはリスクがある点を踏まえて、本当に必要な金融商品かどうかを検討してみてください。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,500記事以上の執筆実績あり。

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