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「月15万円もあれば足りる」要介護3の母を有料老人ホームに入れた50代娘→入居後、初めて届いた請求書を見て“戸惑ったワケ”

  • 2026.9.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、要介護3の母を東京都内の介護付き有料老人ホームに入居させた50代女性Aさんの体験談です。介護保険の自己負担分だけで足りると思っていたAさんが、初回の請求書で気づいた“上乗せ費用”とは。

「介護保険があるから、月15万円もあれば足りるはず」

Aさんは52歳、正社員として働いています。夫と二人暮らしで、子供はすでに独立しています。母は要介護3の認定を受け、東京都内の介護付き有料老人ホームに入居することになりました。

入居前にAさんが調べたのは、介護保険サービスの自己負担額でした。要介護3の場合、居宅サービスの目安である区分支給限度基準額は月27万円ほどで、自己負担割合が1割なら、月2万7,000円ほどで済む計算です。この数字を参考に、Aさんは「介護保険があるから、月々15万円もあれば余裕を持って足りるだろう」と考えていました。

初回の請求書に、想定していなかった項目が並んでいた

ところが入居後、初めて届いた請求書を見て、Aさんは戸惑いました。

介護サービス費の自己負担分に加えて、居住費(家賃に相当する部分)、食費、施設の管理費、おむつ代などの日常生活費が、それぞれ別立てで請求されていたのです。これらは介護保険の対象外で、全額自己負担になる項目でした。合計すると、月々の支払いは22万円ほどになっていました。

「介護保険で大部分がまかなえると思っていたので、想定していた15万円では全然足りませんでした」とAさんは驚いた様子でした。

資産運用の相談で窓口を訪れた際にこの話をしたAさんに、担当者はこう説明しました。
介護保険が適用されるのは、あくまで介護サービスそのものの費用だけで、居住費や食費、日常生活費といった「暮らしにかかる費用」は、施設に入居する以上どうしても発生する、保険適用外の負担だといいます。

「高額介護サービス費」は、保険適用部分にしか使えない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんはさらに、自己負担が高くなったときに払い戻しを受けられる「高額介護サービス費」という制度について担当者に尋ねました。

担当者からは、この制度は、介護保険サービスの自己負担額が一定の上限を超えた場合に、その超えた分が払い戻される仕組みだが、対象になるのはあくまで介護サービス費の自己負担部分のみで、居住費や食費、日常生活費には適用されないと説明を受けました。

「保険適用外の費用のほうが、むしろ大きな割合を占めているとは思っていませんでした」とAさんは振り返ります。

なお、紙おむつなどの日常生活費についても、居住する市区町村によっては助成制度がある場合があります。ただし多くの自治体では、特別養護老人ホームなど一部の介護保険施設に入所している場合は対象外とされており、有料老人ホームが対象になるかどうかも自治体によって異なります。担当者からは、こうした助成制度の有無や条件は自治体ごとに違うため、市区町村の窓口に直接確認してみるとよいとのアドバイスもありました。

担当者からは、施設を選ぶ際は、介護サービス費だけでなく、居住費・食費・管理費・日常生活費まで含めた月額の総額を必ず確認しておくこと、施設によって居住費や食費の設定に幅があるため、複数の施設を比較しておくとよいとアドバイスがありました。

「次に施設を探すときは、パンフレットの介護サービス費の欄だけでなく、月額の総額をきちんと確認するようにします」とAさんは話してくれました。

保険適用外の費用を含めた「月額総額」を把握することが大切

それでは最後に、介護サービスを利用する前に確認しておきたい点をおさらいしておきましょう。

  • 介護保険が適用されるのは介護サービスそのものの費用のみで、居住費・食費・管理費・日常生活費(おむつ代など)は保険適用外で全額自己負担になる
  • 介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)の介護サービス費は、区分支給限度基準額ではなく、要介護度に応じた月額定額制で計算される(訪問介護など居宅サービスとは仕組みが異なる)
  • 介護付き有料老人ホームでは、保険適用外の費用が月々の負担の中で大きな割合を占めることが多い
  • 「高額介護サービス費」は介護サービス費の自己負担部分にのみ適用され、居住費や食費などには適用されない
  • 紙おむつなどの助成制度は市区町村によって異なり、特養など一部の施設入所者は対象外になることが多い。有料老人ホーム入居者が対象になるかも自治体によって異なるため要確認
  • 施設を選ぶ際は、介護サービス費だけでなく、居住費・食費・管理費・日常生活費を含めた月額の総額を確認する
  • 施設によって居住費や食費の設定に幅があるため、複数の施設を比較検討する

「介護保険でまかなえる」と思い込む前に、保険適用外の費用がどれくらいかかるかを確認しておくことが、想定外の負担を避ける第一歩です。施設選びで費用面が気になるときは、施設の窓口や、地域包括支援センター、ケアマネジャーに相談してみてください。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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