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“退職金3,000万”で住宅ローンを完済→「借金がなくなって安心」と思いきや…2年後、60代夫婦を待っていた“思わぬ悲劇”

  • 2026.7.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

「退職金を受け取ったら住宅ローンを完済しよう」と考えている人は多いのではないでしょうか。

“ローン返済時は手元資金の不足を招かないよう注意が必要”という話はよく耳にしますが、団信ありの住宅ローンの場合、そのほかにも意識したいポイントがあります。

今回は、退職金3,000万円で住宅ローンを完済した結果、2年後に想定外の事態に襲われた夫婦の事例を紹介します。

「借金がなくなって安心」退職金で住宅ローンを完済した男性

60歳で退職したAさん(仮名)は、退職金で住宅ローンを完済しました。

退職金は3,000万円・退職時点のローン残高は約700万円であったため、完済後にも退職金が約2,300万円残ります。

現役時代からの貯蓄も相応にあったため、手元資金が不足する心配もなかったそうです。

「金利メリットは20万円ほどでしたが、何よりもローンを完済したことで心理的な負担がなくなってよかったと思っていました」

しかし、後にAさん夫婦はこの選択を後悔することになります。

2年後、Aさんが病気で帰らぬ人に…

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

退職から1年後、Aさんに病気が見つかりました。

余命半年を宣告されたAさんでしたが、その倍の1年という時間を過ごすことができました。

結果として、住宅ローン完済の2年後に帰らぬ人となったAさん。

仮にローンをそのまま残していた場合、団信により残りの残高はゼロになり、返済の必要はなくなっていたはずでした。

「夫は生命保険に加入していませんでした。退職金で住宅ローンを完済していなければ、返済が進んだ今でも残り400万円ほどの残高がゼロになっていたのに…。『借金をなくす』ということばかりを考えていましたが、生命保険代わりとして残しておいても良かったのかも知れません」

Aさんの妻は、そう振り返っていました。

“団信”は住宅ローン専用の生命保険

住宅ローンの団信は、死亡・高度障害時にローン残高がなくなる保険です。

中には、金利の上乗せを条件に、がんや三大疾病の保障がつくタイプも。

まとまったお金が入ると「住宅ローンを返済しよう」と考える人は多いですが、特に金利が安く返済のメリットが小さい場合には、“あえて団信のためにローンを残しておく”という選択肢も1つです。

返済に回す予定の資金を運用に充てれば、返済による金利メリットを超える利益を得られる可能性もあるでしょう。

ただし、団信はあくまでもローン返済に特化した保険であり、葬儀費用や生活費として保険金を受け取れるものではありません。

また、ローン残高が減るにつれて、その分保障額が少なくなる点にも注意が必要です。

退職金で住宅ローンの返済を考えている人は、金利メリットや現在の貯蓄額、契約している生命保険の保障内容などを明確にしたうえで、団信のメリットも考慮しながら慎重に検討しましょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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