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【ルームツアー】建築家がつくり出した、植物が溢れるイタリア・トリエステのセカンドハウス

  • 2026.7.3
HELENIO BARBETTA(LIVING INSIDE)

建築家マリアーノ・ザノンと妻のアンジェラのセカンドハウスは、1860年築のヴィラの一角にある。べネチアンガラスのタイルと植物のグリーンが織りなす、2人の癒やしの空間を訪ねた。『エル・デコ』6月号より。

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イタリア北東部、アドリア海を望むトリエステ。中心街から、やや勾配のある道を進んだ先に一軒の邸宅が佇む。敷地内に足を踏み入れると、オーストリア=ハンガリー帝国統治下で栄華を極めた街の気配が漂う。

この「ヴィラ・ソルフィーナ」は1860年にショコラティエの個人邸として建てられた後、船主の手に渡り、1977年までスイス領事公邸として使われた。建築家のマリアーノ・ザノンと、妻で起業家のアンジェラは、分譲された物件の一つを購入。べネチア郊外を拠点とする夫妻は2週に1度、ここで過ごす。

<写真>モンステラの鮮やかで深い緑が、キッチンとリビングを彩るオリジナルのモザイクタイルのカラーパレットと呼応している。

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かつて温室だった部屋を緑で満ちたリビングに

「さまざまな文化が入り交じる、この街に家を持つのが夢でした」と夫妻は口をそろえる。「ここはヴィラの一部で、私たちが住むのは150㎡ほどの空間。大部分は温室だったんですよ」。床や壁を彩るべネチアンガラスのモザイクタイルが竣工当初の面影を残しながら、明るいリビングに姿を変えた。空間を満たす多くの植物が内と外をつなぎ、元は中庭の延長として使われていたことを思い起こさせる。

とりわけ目を引くのは、濃い緑の葉を大きく広げるモンステラと、ダイニングエリアの壁に這うブドウカズラだ。「どちらとも特別な手入れを必要とせず、元気に育ってくれています」とマリアーノ。そんな緑の風景に、ハンス・J・ウェグナーやジオ・ポンティのアイコニックな家具が溶け込む。

<写真>温室の面影を残すリビングには、「カール・ハンセン&サン」の“CH24”やトーネットの“209”など、名作が並ぶ。ソファは「フレックスフォルム」。

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「家具を選ぶ基準は、佇まいの美しさと高い職人技。この視点を保ちながら家具をセレクトすることで、それぞれに異なる物語を受け継ぐ部屋に統一感を持たせています」

<写真>部屋の改修を手掛けたのは、マリアーノ率いる建築事務所ザノン・アルキテッティ・アッソチャーティ。キッチンは自らがデザイン。改装前はここに室内用の噴水があった。

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リビングの前に広がるのは、ヴィラ全体で共有する中庭。日当たりがよく、ボーラと呼ばれるこの地域特有の強風から家を守る役割を果たし、寝室の窓までみずみずしい緑で埋め尽くす。

<写真>クラシックなエントランスにはジオ・ポンティがデザインしたチェア“ニンフェア”を配置。

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現在の寝室は領事公邸時代には舞踏会の会場として使用されており、金色のモールディングと壁の大理石が、窓の外の緑とのきらびやかなコントラストを描いている。

トリエステに受け継がれる豊かな文化が凝縮された邸宅。普遍的な存在である植物こそが、この歴史的な建築が刻んできた華やかな過去と、住まいとしての今をつないでいる。

<写真>寝室はゴールドを基調に華やかな雰囲気を醸す。窓辺には「カッシーナ」の“バスキュラン”を、照明はイタリア人建築家ガエ・アウレンティの“ピピストレッロ”を選んだ。

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グリーンを上手に取り入れるためのTIPS

1. 水場にインパクトを持たせるためタイルで植物モチーフを描く

ベネチアンガラスで彩られた、かつての植物用の水くみ場は今もその姿をとどめている。奇跡的にヴィラの地下でオリジナルのタイルの余りを発見し、職人が丁寧に貼り、植物のイメージを描き出した。

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2. 力強い葉をたたえたモンステラを開放的なリビングの主役に

中庭を望むリビングでは、背丈以上の大きなモンステラが存在感を放つ。専門店で繁殖に使う親株として育てられていたものを購入したという。素焼きの鉢や木製のチェアが、つややかな葉を際立たせている。

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3. 植物の配置場所は慎重に吟味日光や気温を考慮すること

「建築家として、常に自然とのつながりを大切にしています」と語るマリアーノ。植物を置く場所や選ぶ品種については、太陽光の当たり方やその土地の平均気温を考慮して慎重に決めることが大切だと語る。

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4. つる性植物を壁に這わせることで空間に新たな表情を

窓から見える植物とキッチンの壁を彩るグリーンのタイルをつなぐように伸びるのは、常緑つる性植物のブドウカズラ。特別な手入れの必要がなく寿命も長いため、セカンドハウスでも無理なく育てられる。

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Mariano Zanon & Angela(マリアーノ・ザノン&アンジェラ)

マリアーノ・ザノンは、バーリ、トレヴィーゾ、ミラノに拠点を持つ建築家。妻のアンジェラはレストラン業界で活躍する起業家。普段はべネチア近郊の自然豊かな街、トレヴィーゾ県ロンカーデで暮らす。

Photo:HELENIO BARBETTA(LIVING INSIDE) Original Text and Styling:DEBORAH PIANA AGOSTINETTI Text:CHISATO YAMASHITA

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『エル・デコ』2026年6月号

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