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時代を超えて愛される、「マリメッコ」のフラワープリントの系譜

  • 2026.7.1
HISAI KOBAYASHI

「マリメッコ」の象徴といえる、生き生きとした花のモチーフ。歴代のデザイナーたちが描いた代表作を見てみよう。『エル・デコ』6月号より。

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禁じられていた花モチーフ、そのルールを超えて

これまでに約3500のプリントデザインを発表している「マリメッコ」。その多くはシルクスクリーンで刷られている。インクジェット印刷に比べてコストも時間も要するが、創業時から変わらずこの手法を貫く。

色ごとに版をつくり布にプリントするスクリーン印刷は刷りを重ねていくうちに生じる版ズレやインクの厚みなど特有の「ゆらぎ」があるが、「マリメッコ」はそれを不完全さではなく魅力と捉えてきた。特に戦後は材料を手に入れることも簡単ではなかったが、制限を創造性に変える精神がアイデンティティを育んでいったのだ。

ブランドの象徴といえる花のモチーフも、実はそうした挑戦の中で生まれている。創業者のアルミ・ラティアは当初「本物の花の本質を忠実にプリントで表現することは不可能だ」と語り、花柄プリントはコレクションから除外されていた。そこに異を唱えたのがデザイナーのマイヤ・イソラだ。彼女は1964年に花のパターンをいくつもデザインし、これらの魅力的な図案がラティアの心を動かした。その一つが、今も世界中で愛される“ウニッコ”。

デザイナーの挑戦と、それを受け止める創業者の深い理解。一枚のファブリックに込められた両者の情熱が、時を経ても色あせない魅力を生み人々を引きつけているのだろう。

HISAI KOBAYASHI

1964年/Unikko(ウニッコ)by マイヤ・イソラ

創業者であるアルミ・ラティアの「本物の花の本質を忠実にプリントで表現することは不可能だ」という考えから、デザイナーのマイヤ・イソラが写実的な描写ではなく、花の抽象画としてデザインした“ウニッコ”。64年の発表以降、現在でも新たなカラーが発表され続けるブランドを代表するパターン。

コットンファブリック“ウニッコ”(幅147cm、1mあたり)¥8,800、クッションカバー(50×50cm)¥13,200

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1957年/Ruusupuu(ルースプー)by マイヤ・イソラ

1950年代にイソラが本物の草花を使用してフォトグラムのようなプリントを製作した“ルオント(自然)”シリーズの中の一つ。

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1965年/Puketti(プケッティ)by アンニカ・リマラ

生地だけでなくドレスのデザインも手掛けたアンニカ・リマラの代表作。現在も時季に合わせて色を変え製作されている。

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1974年/Demeter(デメテル)by 脇阪克二

「マリメッコ」に加わった最初の日本人デザイナーである脇阪克二の作品。脇阪自らが何度も手刷りを行い、花びらと中心の色の重なりが美しく見える表情を研究し生まれた。

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1976年/Florestan(フロレスタン)by マイヤ・イソラ

チューリップや水仙を大胆に描いた“フロレスタン”は、生命力みなぎる生き生きとした表情が魅力だ。

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1992年/Kamelia(カメリア)by 石本藤雄

ツバキの花びらの有機的な重なりを表現した“カメリア”。

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1979年/Seven Flowers(セブンフラワーズ)by 石本藤雄

夏の夜に7種類の花を摘んで枕の下に置くと、将来の伴侶が夢に現れるというフィンランドの言い伝えがモチーフになった“セブンフラワーズ”。

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1989年/Puutarhakutsut(プゥータルハクツットゥ)by 石本藤雄

ガーデンパーティという名が付いたテキスタイル。描線と色の面を組み合わせて軽やかな夏の雰囲気を表現。

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1964年/Maalaisruusu(マーライスルース)by マイヤ・イソラ

“ウニッコ”と同じタイミングでマイヤ・イソラが発表した“マーライスルース”は、現在もアイテム展開があるロングセラー。

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2004年/Lumimarja(ルミマルヤ)by エルヤ・ヒルヴィ

本物のベリーの枝をトレースした“ルミマルヤ”。デザイナーのエルヤ・ヒルヴィが渋滞中に偶然見つけた枝をモチーフにしたというユニークなエピソードも。

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左 2023年/Kukat Puhkeavat(クカット プーケアヴァット)by マイヤ・ロウエカリ 右 2009年/Siirtolapuutarha(シイルトラプータルハ)by マイヤ・ロウエカリ

2003年に「マリメッコ」主催のコンペティションで優勝したのをきっかけにテキスタイルデザイナーのキャリアがスタートしたマイヤ・ロウエカリ。

咲く前のつぼみを描いた“クカット プーケアヴァット”や市民菜園から着想した“シイルトラプータルハ”など多彩なデザインを発表している。

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2023年/Vassi(ヴァルシ)by アイノ=マイヤ・メッツォラ

みずみずしい水彩画の濃淡で繊細に花の表情を捉えたアイノ=マイヤ・メッツォラのパターン。

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2022年/Kolmikko(コルミッコ)by アンッティ・ケッキ

カッティングで柄が引き立つように構図が考えられたアンッティ・ケッキのテキスタイル。 彼の得意とするコラージュが生きた作品。

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2018年/Vikuri(ヴィクリ)by エルヤ・ヒルヴィ

やんちゃなという意味の“ヴィクリ”は躍動感あふれる筆のタッチが特徴的。

Textile : ©MARIMEKKO

問い合わせ先/ルック ブティック事業部
tel. 03-6439-1647

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『エル・デコ』2026年6月号

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