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身長206cm、IQ145の殺人鬼…FBIの教材となった“女子大生キラー”で“親殺し”、エド・ケンパーの異様な人生

  • 2026.6.27

身長206cm、体重130kg超、IQ145――並外れた体格と知能を持ち、アメリカ犯罪史に名を刻むことになる猟奇的連続殺人鬼、エド・ケンパーをご存知だろうか?

【写真を見る】IQ145という明晰な頭脳を持つシリアルキラー、エド・ケンパーとは?

【写真を見る】IQ145という明晰な頭脳を持つシリアルキラー、エド・ケンパーとは? [c]2024 Crappy World Films, Inc.
【写真を見る】IQ145という明晰な頭脳を持つシリアルキラー、エド・ケンパーとは? [c]2024 Crappy World Films, Inc.

女子大生を中心に10人を殺害し、1970年代にアメリカを震撼させると、のちにFBIによるシリアルキラーのプロファイリング研究にも協力した異色の犯罪者エド。この殺人鬼を題材とした『エド・ケンパー』が6月26日より公開中だ。あらためてその異様な人生を振り返っていきたい。

※本稿には映画『エド・ケンパー』の内容に関する記述が含まれます。

歪んだ少年時代に犯した祖父母殺し

1948年12月18日、カリフォルニア州バーバンクで産声を上げたエド。しかし、家庭では電気技師の父エドワード・ケンパー2世と情緒不安定な母クラーネルによる夫婦喧嘩が絶えず、音を上げた父は、エドが7歳の時に妻子を残して家を出ていってしまい、母の怒りの矛先はエドに向いていく。

目を背けたくなるような描写で、壮絶な彼の人生を描く『エド・ケンパー』 [c]2024 Crappy World Films, Inc.
目を背けたくなるような描写で、壮絶な彼の人生を描く『エド・ケンパー』 [c]2024 Crappy World Films, Inc.

椅子に座ったエドがガスや電気で悶え苦しみ生き絶えていく死刑囚を演じる「死刑執行ごっこ」に興じるなど、奇行が目立った“変わり者”の息子に対し、母はいつか姉妹に危害を加えるのではと疑心暗鬼に。そして地下室に閉じ込めそこで眠ることを強制すると、虐待によってエドの奇行はエスカレートし、10歳と13歳の頃には飼い猫を殺してしまう。

14〜15歳の頃には母親のもとを離れ、新たな家族と生活を送る父を訪ねるが歓迎されず、シエラネバダ山脈の麓に農場を持つ父方の祖父母のもとへと送られる。そこでも祖母から罵られる日々を過ごし、1964年8月27日、祖母を猟銃で撃ったうえ、繰り返しナイフを突き立て殺害。さらに帰宅した祖父も猟銃で撃ち殺すと、警察に電話をかけて自首し、犯罪者用の精神病院に送られることに。祖母殺害の理由は「どのような気持ちになるか試したかったから」だそうだ。

社会復帰、そして女子学生を狙う連続殺人鬼に…

それから5年が経った1969年12月18日、模範囚として振る舞い、精神鑑定でも明晰な頭脳で模範解答を導きだしたエドは更生したと認められ、母のもとで過ごすことを条件に21歳で社会復帰する。

ヒッチハイカーを狙い、犯行を繰り返したエド [c]2024 Crappy World Films, Inc.
ヒッチハイカーを狙い、犯行を繰り返したエド [c]2024 Crappy World Films, Inc.

カリフォルニア州の高速道路局での職も得たが、母親との関係は悪化するばかり。しだいに狂気が顔を出し、1972年5月7日、エドはヒッチハイクしていた女子大生2人組を車に乗せると、人気のない雑木林に連れて行き、殺害してしまう。

予行練習を繰り返し、女子大生殺しの犯行へと及んだ [c]2024 Crappy World Films, Inc.
予行練習を繰り返し、女子大生殺しの犯行へと及んだ [c]2024 Crappy World Films, Inc.

遺体を家に持ち帰って凌辱したり、ポラロイド写真を撮ってコレクションしたり、遺体をバラバラにして頭部を庭に埋めたりと…この殺人を皮切りに次々と女子学生の命を奪い、凄惨な行為を繰り返していく。

6名の女子学生がエドの犠牲に… [c]2024 Crappy World Films, Inc.
6名の女子学生がエドの犠牲に… [c]2024 Crappy World Films, Inc.

衝動的な犯行に思えるが、この犯行に及ぶまでにヒッチハイカーの女子学生を150人拾い、予行練習を行ったという用意周到ぶり。時計をチラッと見て「予定があるから」と言いハイカーを安心させるなど、手段を磨き上げていったようだ。

殺人の終着点となった母親との関係の決着

そんな連続殺人の終着点となったのが、母クラーネルの殺害だ。1973年4月20日、パーティーから帰ってきた母が寝静まったところをハンマーで殴打し殺害。

幼い頃から罵られ続けてきた母親に対し鬼畜の所業を行うことに [c]2024 Crappy World Films, Inc.
幼い頃から罵られ続けてきた母親に対し鬼畜の所業を行うことに [c]2024 Crappy World Films, Inc.

首を落とし死姦し、生首をダーツの的にして頭部を破壊。最後は自分を長年罵り続けてきた舌と声帯を、ディスポーザーにかけて処理。しかし、それもうまくいかず、喉頭が自分のほうに飛んできてしまったそうで、のちにエドは「母親は死んでもなお、意地悪をしてくる」と語っている。

さらに友だちと旅行に出たことを偽装するため母の親友も殺害し、逃亡をするが、ラジオからまったくニュースが流れてこないことにしびれを切らし、コロラド州プエブロから電話で犯行を自供。「もう目的がなくなった」と語ったように、母を殺害したことで目的を達成したのだろう。本人は死刑を望んだが、カリフォルニアでは一時的に死刑が停止されていたため8つの終身刑を受けることとなった。

FBIのインタビューに協力し、シリアルキラー像の確立に寄与

これだけでも衝撃的な人生だが、さらに異色なのが収監されてから。当時FBIでは行動科学課が設立され、犯罪の性質や特徴を行動科学的に分析し、犯人像を割りだしていくプロファイリングの手法を確立するために、連続殺人犯へのインタビューを実施。エドはこれに積極的に協力している。

FBIによるインタビューのシーンではゾッとするようなジョークも [c]2024 Crappy World Films, Inc.
FBIによるインタビューのシーンではゾッとするようなジョークも [c]2024 Crappy World Films, Inc.

警察の試験に落ちたエドが警察関係者のたまり場となっていたバー、ジュリー・ルームで警官たちから“ビッグ・エド”の愛称で親しまれていたという“警察への憧れ”や、“幼少期の小動物虐待”など、インタビューを通じて連続殺人犯像の確立に大きく寄与。

ちなみにインタビューを行なっていたFBI捜査官ロバート・K・レスラーに対して「警備員は交代勤務中で戻ってこない。その間に、お前の首を折ってテーブルの上に置いておける」と“冗談”をかましたことから、捜査官は2人1組でインタビューすることが義務付けられたとか。

エドの心理を浮かび上がらせる映画『エド・ケンパー』

「マインドハンター」ではインタビューに応じる様子が数話にわたって描かれた [c]Netflix / Courtesy: Everett Collection
「マインドハンター」ではインタビューに応じる様子が数話にわたって描かれた [c]Netflix / Courtesy: Everett Collection

アメリカにおける凶悪犯罪を取り上げた『アメリカン・バイオレンス』(81)では、インタビューに応じる姿が収録され、またFBIによるプロファイリング誕生を描いたデヴィッド・フィンチャーによる「マインドハンター」でもメインキャラクターとして繰り返し登場するなど、映画やドラマの題材とされてきたエド。

映画『エド・ケンパー』では、母親との壮絶な暮らしを中心に、彼がなにに突き動かされ、アメリカ犯罪史に名を残すほどの凶悪な殺人鬼となったのか?目を背けたくなるような嫌悪感を覚えずにはいられないゴア描写を交えながら、卑劣な犯行からエドの母親に愛されたいという切実な心理まで刺激的に描かれている。

『エド・ケンパー』は6月26日(金)より公開 [c]2024 Crappy World Films, Inc.
『エド・ケンパー』は6月26日(金)より公開 [c]2024 Crappy World Films, Inc.

エド・ケンパーを知る人はもちろん、本稿で知ったという人も、映画を通じて、彼の壮絶な人生を目撃してほしい。

文/サンクレイオ翼

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