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【ルームツアー】「光の都」を象徴するパリ16区のアパルトマンへ

  • 2026.6.27
Yvan Moreau

「光の都」とも呼ばれるパリ。ここに住む人々は、街角を曲がるたびに息をのむような光景に出くわす。それをどこよりも深く感じることができるアパルトマンが、16区にある。トロカデロ広場やパレ・ド・トーキョーから徒歩圏内という立地だ。

家主がインテリアデザインを依頼したのは、建築家のファブリス・フアン。彼はソフトなカラーパレットに官能的な曲線を合わせ、さらに繊細な幾何学パターンを加えて、パリの中心地に静謐な隠れ家をつくり上げた。片方の窓からはエッフェル塔、もう一方からは落ち着いた中庭が見えるこの場所では、穏やかさと洗練が溶け合っていた。UK版「エル・デコ」より

Yvan Moreau

ファブリス・フアンが調べたところ、このアパルトマンは、1980年代に改修されていた。この作業によって、竣工当初の面影は損なわれてしまっていた。クラシックな建築をこよなく愛し、フランス流の「暮らしの芸術」という考え方に熱い思いを抱くフアンは、職人たちと力を合わせ、そして上質な素材を駆使して、見事にこの状況を改善。それまで見捨てられていたインテリアに、「joie de vivre(生きる喜び)」を与えた。

Yvan Moreau

「今回のプロジェクトは、ゼロからのスタートでした。この場所のために家具をデザインし、建築的なディテールも加えていったのです」とフアンは振り返る。「クライアントから言われたのは、キッチン兼ファミリールームを中心に置いてほしいということだけでした」

Yvan Moreau

プロジェクトを終えたフアンがとりわけ出来栄えに満足しているのは、家の中心にあるそのエリアと、そこから自然につながるテレビラウンジだ。主役はやはり、パリが世界に誇る「ゴールデンアワー」の光。この恩恵を最大限に生かすべく、フアンは色調を統一した家具を選び、慎重に配置した。美しい夕日が室内を彩ることを予め綿密に計算していたのだ。

Yvan Moreau

エレガントな曲線を描くソファは、窓の外に広がるパリの景色を背負うようにスタイリング。かたわらには、クリーンなラインをまとうアームチェアを。多様なフォルムがもたらす洗練された相互作用を楽しむ空間が立ち現れた。「通りに面した部屋には光が十分に入ります。マスターベッドルームとバスルームも日当たりがいいですね」とフアンは言う。

Yvan Moreau

もうひとつの小さなリビングには、ややリラックスした空気が流れている。ここでは、大きな窓が緑豊かな中庭の景色をフレーミング。真っ白なエントランスは、起伏のある羽目板の存在によってリズミカルな印象に。さらに、フアンが尊敬の念を抱く建築家、リカルド・ボフィルによる作品から着想を得た建築的なコンソールがこの空間の美しさをさらに強調している。

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どの部屋でも、ブラッシュドオークとダークオークのあたたかくエレガントな色、ペールピーチやアーモンドグリーンといったパステルカラー、それから瀟洒な大理石が見事に融合し、ラグジュアリーでタイムレス、それでいて現代的な雰囲気がもたらされている。

Yvan Moreau

「クライアントは、仕上がりを見てとても喜んでいます」とフアンは微笑む。「この家の雰囲気を、すぐに気に入ってくれました。それから、窓から差し込む宝石のような光がインテリアに用いた素材の美しさを露わにする様子を目の当たりにして、驚いていましたね。その窓からは、パレ・ド・トーキョーとエッフェル塔が何ものにもさえぎられることなく見えるんですよ」

orignal text :PHOEBE FRANGOUL translation : CHISATO YAMASHITA

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