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「なんで病院へ行かないんだ!」真夏日の高齢者の救急搬送で家族が激怒…救急車がすぐに動けなかった“切実な理由”

  • 2026.7.24
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。ライターのとしです。

体調の悪い家族が救急車に収容されたのに、なかなか出発しない。

外から見ている家族にとって、それは「一刻も早く病院へ連れて行ってほしい」と焦る場面でしょう。

今回は、暑い夏の日に高齢男性を救急車内に収容したあと、家族から厳しい言葉を向けられた事案をご紹介します。

「早く病院へ」と訴える家族

厳しい暑さが続いていた夏の日、高齢男性が体調不良を訴えているとの救急要請が入りました。

現場に到着すると、男性はぐったりした様子。
呼びかけには反応があり、呼吸や脈拍も確認できましたが、普段より元気がなく、家族も不安そうでした。

救急隊は男性の状態を確認し、ストレッチャーで救急車内に収容しました。

その際、家族から「早く病院へ連れて行ってください」と強く訴えられました。

大切な家族が苦しんでいれば、一刻も早く医師に診てもらいたいと思うのは当然です。

しかし、男性を収容したあとも、救急車はすぐには出発することができませんでした。

動かない救急車に募るいら立ち

車内では、男性の血圧や脈拍、体温、血液中の酸素の値などを測定していました。
症状が始まった時刻や持病、服用している薬、直前までの様子についても、本人や家族から聞き取りを実施。

男性はぐったりしていたものの、呼びかけへの反応はあり、呼吸や血圧にも急激な変化は見られていませんでした。

ただ、高齢者の体調不良には、熱中症以外の病気が隠れている可能性も

どの医療機関なら対応できるのかを判断するためにも、搬送前の観察は欠かせないのです。

外から見ると、救急車は同じ場所に止まったまま。

しばらくすると、家族から「なんでまだ病院へ行かないんだ」「こんなに時間がかかるのはおかしい」と怒りの声が上がりました。

受け入れ先が決まるまで出発できない

男性の観察と並行して、救急隊は医療機関への受け入れ確認を進めていました。

その日は熱中症や体調不良による救急搬送が増え、医療機関も対応に追われていました。

連絡をしても、すでに救急患者を受け入れているなどの理由で、なかなか搬送先が決まりませんでした。

救急車は、受け入れ先が決まらなければ病院へ向かうことができません。
救急隊は搬送を遅らせていたのではなく、男性の状態に対応できる医療機関を探し続けていたのです。

その間も、意識状態や呼吸、血圧などを繰り返し確認しました。
外からは救急車が止まっているだけに見えても、車内では観察と搬送先の調整が続いています。

容体を確認しながら医療機関へ

救急隊は家族に、男性の状態を確認していることや、受け入れ可能な医療機関を探していることを説明しました。

その後、対応可能な医療機関が見つかり、搬送先が決まりました。

救急車は病院へ向けて出発し、搬送中も男性の意識状態や呼吸、血圧などを継続して確認しました。

幸い、男性の容体に大きな変化はなく、無事に医療機関へ引き継ぐことができました。

家族の言葉は強いものでしたが、その奥には「このまま悪くなったらどうしよう」という不安があったのだと思います。

救急車が動かないと、何も進んでいないように感じるかもしれません。
しかし、受け入れ先が決まるまでの時間にも、傷病者を安全に医療へつなげるための意味があります。

救急隊側も、家族の不安が大きくならないよう、今何をしているのかを丁寧に伝える必要があると感じた事案でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。  


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